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特集 | 住宅ローン

2022/12/14

住宅ローンの事前審査とは?必要書類や注意点を解説!

監修者:新井 智美

マイホームの購入にあたって、多くの方が住宅ローンを利用しています。しかし通常、住宅ローンには事前審査、そして本審査という2つの審査を通過する必要があります。融資を決定する本審査にたどり着くには、まずは申込み直後の仮審査にあたる事前審査をクリアしなければなりません。

この記事では、住宅ローンで最初に行われる事前審査について、基本的な知識や必要書類などを具体的に解説します。

住宅ローンの事前審査とは

住宅ローンの事前審査は、本審査の前に行われる仮審査のことです。申込者の信用情報や返済能力等を判断する審査をします。

事前審査が行われるタイミング

住宅ローンの正式な審査は、本審査で行われます。事前審査が仮審査とも呼ばれるのはそのためです。

物件の売買契約が成立した後に実施される本審査で、万が一審査に落ちると、その後の契約に支障が出ます。事前審査は、こうしたリスクを回避するため、申込人の返済能力や信用力をおおまかに把握するために行われます。

事前審査を申込むタイミングは、対象となる物件を購入することが決まった時点であることが一般的です。そのため、事前審査の時点で、物件の購入価格はもちろん、申込人が希望する借入金額や返済期間、用意できる頭金(自己資金)はおおよそ決まっています。

そこで、金融機関はこうした数字を申込人に自己申告してもらい、住宅ローンの契約が現実的かどうかを判断します。具体的には、年収や借入希望金額、他のローンの利用状況などから、申込人の返済能力を確認するのです。

簡易の審査となるため、事前審査にはさほど時間はかかりません。ネット銀行であれば早ければ即日、通常の銀行でも1週間前後で結果が通知されます。

事前審査と本審査の違い

事前審査を通過すると同時に、物件の売買契約を進め、住宅ローンを正式に申込みます。その後、実施されるのが本審査です。

本審査は金融機関や契約に関わる保証会社によって行われ、申込人には事前審査よりも多くの書類提出が求められます。チェックされる項目には、物件の担保価値の評価のほか、保険会社による団体信用生命保険(団信)の加入に伴う申込人の健康状態のチェックなども含まれます。

本審査にはおおむね1~2週間ほどの時間がかかります。ただし、書類の追加や不備などがあれば、より時間がかかる場合もあります。本審査を通過すれば、契約手続きを経て融資が実行されます。

住宅ローンの事前審査の必要書類

住宅ローンの事前審査は、本審査前の仮審査という位置づけから、多くの書類を準備する必要はありません。ほとんどの金融機関では、独自の事前審査用の申込書のほか、以下のような必要書類を準備することになります。尚、事前審査時点では提出書類が無い金融機関もあります。

必要書類の種類 詳細
本人確認書類

運転免許証、健康保険証、パスポートなど

収入証明書類

給与所得者は前年度の源泉徴収票、個人事業主は直近3年分の確定申告書と付表の写し、法人代表者は直近3期分の決算報告書の写し

購入物件の概要がわかる資料

物件のパンフレットやチラシ、間取り図、物件概要書、見積書、土地の公図など

その他

他に返済中のローンがある場合には、償還予定表の写しあるいは残高証明書など、契約内容やローンの残高がわかる書類

金融機関ごとに求められる書類は異なる場合もあるため、申込先が決まったら早めに詳細を把握しておくと手続きがスムーズに進みます。

住宅ローンの事前審査の必要書類はどこで入手できる?

住宅ローンは、事前審査と本審査、2つの審査をクリアしなければ契約できません。マイホームへ予定通りに入居するには、できるだけスムーズに手続きを進めることが大切です。そのためにも、必要書類は早めに入手しておきましょう。

以下、先ほどお伝えした事前審査の必要書類の入手先です。

必要書類の種類 詳細 入手先
本人確認書類

運転免許証、健康保険証、パスポートなど

手元にある書類から使えるものを用意

収入証明書類

源泉徴収票

勤務先企業

確定申告の写しと付表

保管しているものを用意あるいは税務署

決算報告書の写し

本人が代表を務める勤務先

購入物件の概要がわかる資料

物件のパンフレットやチラシ、間取り図、物件概要書、見積書、土地の公図など

不動産会社

その他

返済中のローンに関する資料

契約している金融機関

事前審査の申込書はそれぞれの金融機関の窓口で受け取れるほか、最近は公式サイトからフォーマットのダウンロードが可能な場合もあります。

また、ネット銀行の住宅ローンなら、事前審査用の申込みページへの入力で手続きが完了するケースもあります。その際に入力がスムーズに行えるよう、あらかじめ必要書類を手元に準備しておくと安心です。

住宅ローンの事前審査に関する注意点

住宅ローンの事前審査で必要とされる書類は、数や種類がそれほど多くないため、準備にはそこまで手間がかかりません。それでもいくつか注意しておきたい点があります。

書類の不備は大きなタイムロスになる

住宅ローンの事前審査は、金融機関によっては最短即日で結果がわかるほどスピーディーです。申込人の返済能力に大きな問題がなければ、すぐにでも審査を通過できるでしょう。

長くても数日で結果がわかるとされる事前審査でタイムロスが生じるとすれば、その原因のひとつは書類の不備です。事前審査の必要書類はそれほど多くなく、多くの書類が必要となる本審査に比べると、不備は起こりにくいといえます。

しかし、そんな事前審査の書類で良くあるのが、本人確認書類にまつわる不備です。運転免許証や健康保険証などは、表面だけではなく裏面の情報も忘れてはいけません。また、金融機関によっては複数の本人確認書類を求めるケースもあるので、正確な情報を把握しておくことが大切です。

ネット銀行でオンラインによる書類のやりとりが可能であれば、不備にも直ちに対応できます。しかし、ネット申込み方式を採用していない銀行での手続きである場合は、基本的に書面でのやりとりとなるため、窓口への来店もしくは郵送で必要な書類を提出することになります。その間の審査がストップすれば、数日から数週間のタイムロスとなることもありえます。

申告内容は正確に報告する

インターネット環境さえあれば、いつでも手軽に申込めることから、ネット銀行をはじめとするオンラインでの事前審査方式が人気を集めています。

必要書類を撮影してデータを送信する場合もありますが、なかには申込み専用サイトの入力フォームに必要事項を打ち込むだけで、すべての手続きを完了できる金融機関もあります。

必要事項を入力して送信するだけで事前審査の申込みが完了するのは大変便利ですが、一方で心配なのが、打ち間違いなどによる申告内容の誤りです。年収や勤務先、購入物件の情報など、送信した情報に誤りがあれば、審査期間を長引かせる原因にもなります。

書面にせよオンラインにせよ、事前審査の申込みでは正確な情報を提出しましょう。

他のローンはできるだけ完済しておく

先述の通り、金融機関が申込人の返済能力を判断する中で、ほかのローンの利用状況も確認します。

それは、金融機関が住宅ローンの融資金額を決めるとき、重要となるのが「総返済負担率」だからです。総返済負担率とは年収に占める年間のローン返済額の割合を示したもので、この「ローン返済額」には住宅ローン以外のすべてのローンの返済額も合算されます。

そのため、事前審査の申込み時点で他のローンを返済中であれば、その返済額を考慮したうえで融資金額が決まります。その結果、事前審査には通っても、希望通りの借入金額が認められない可能性もあるでしょう。

他のローンの利用状況は、事前審査で伝えるべき内容のひとつです。できることなら書類を準備する段階で完済しておく、もしくは借入残高を少なくしておくことをおすすめします。

住宅ローンの事前審査は必要書類を用意してから申込もう

住宅ローンの事前審査は、正式な申込み後に行われる本審査の前に行われます。必要書類の数や種類はそれほど多くないので、早めに準備しておくといいでしょう。

ただし、金融機関ごとに書類の条件が異なる場合もあるので、ウェブサイトや相談窓口で正確な情報を確認しておくと安心です。

監修者:新井 智美
顔写真:監修者:新井 智美

プロフィール:
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績 は2,000本を超える。

資格情報:CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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