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2024/01/29

夫婦で上手に家計を管理する方法|口座やアプリなど具体的に解説

執筆者:馬場愛梨(ファイナンシャル・プランナー)

結婚後の家計をうまく回していくためには、夫婦で同じ方向を向いて協力していくことが欠かせません。しかし、なかには「2人とも家計管理が苦手で困っている」などと悩んでいる人もいるでしょう。

この記事では、夫婦で上手に家計を管理する方法を4つのステップに分けて順に解説します。夫婦のタイプごとに向いている方法や具体的なやり方、円満にやりくりするコツなども紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

■夫婦で上手に家計管理するための4ステップ

夫婦でうまく家計を管理できるようになるには、以下の4ステップで話を進めていくのがおすすめです。

  • STEP1.夫婦で家計管理する目的や目標を共有する
  • STEP2.自分たちに合った管理方法を見つける
  • STEP3.口座やアプリなどのツールを活用する
  • STEP4.2人で家計を振り返る時間を確保する

STEP1から順番に実践していくのが基本ですが、すでにできている部分があれば、そこは飛ばしても問題ありません。以下、それぞれ詳しく見ていきましょう。

■STEP1.夫婦で家計管理する目的や目標を共有する

まずは、夫婦で同じところに向かって協力していくための土台作りから始めます。夫婦でお金の価値観をすり合わせたり、貯金の目標を共有したりすることが大切です。

●お金を貯める目的を共有しよう

最初は雑談がてら、お互いに今後の人生設計や理想の暮らし、叶えたい夢などについて話し合ってみましょう。「あと1人子どもが欲しい」「5年後くらいに家を購入したい」「家族旅行で海外に行きたい」など、さまざまな希望が出てくるかもしれません。

それをお互いに共有したら、次は、実現するにはいつまでにいくら必要なのかを2人で考えたり調べたりしてみましょう。できる限り具体的な金額を算出するのがポイントです。

実現したいことが複数ある場合は、重要度や緊急度を勘案して優先順位をつけられるとより理想的です。

将来どんなタイミングでいくら必要になるか、今のままの貯金ペースで問題ないのか、長い目で見て確認しておくのも有効です。

●目的を達成するために必要な貯金額を設定しよう

お金を貯める目的や具体的な金額を夫婦で共有できたら、次は、今からいくらずつ貯めていけば達成できるのかを逆算してみましょう。

たとえば「5年後に車を買い替えるために200万円用意する」という場合、今から月3万4,000円程度ずつ貯めていけば達成できます。「18年後に向けて子どもの大学入学資金を貯める」なら、月2万3,000円程度ずつ貯金していけば500万円近く貯まります。

上記のような手順で貯金の目標額を設定するのは、一見手間と時間がかかって遠回りに見えるかもしれません。

しかし、どちらか一方が「このままだとまずいからとりあえず500万円貯めよう」などと提案するより、上記の手順を踏んだほうが明るい気持ちで前向きに、かつ具体的に現実感のある目標を定めやすいというメリットがあります。パートナーの協力も得やすく、成功率も高いでしょう。

貯金の成功率をさらに上げるには、「食費は月○万円まで」のように、支出ごとの予算を話し合って決めておくのもおすすめです。

■STEP2.自分たちに合った管理方法を見つける

夫婦でお金を管理するやり方としては、おもに以下の3種類があります。

  • どちらか一方がメインで管理する
  • 共同で管理する
  • それぞれが管理する(別財布)

どれが最も合うかは、夫婦ごとに異なります。それぞれの特徴やどんな夫婦に向いているか解説しますので、しっくりくる方法を探してみてください。

●どちらか一方がメインで管理する

1つめは「夫婦のどちらか一方がメインで管理する」方法です。夫もしくは妻が先導してコントロールし、もう片方がそれに協力するやり方です。

メリットはどちらかがやりくり上手なら貯金がはかどりやすいこと、デメリットは協力する側のモチベーションが下がりやすいことです。

専業主婦(主夫)世帯など夫婦間で収入差が大きいケースや、どちらか一方が家計管理が得意(苦手)な夫婦に向いています。

●共同で管理する

2つめは夫婦が「共同で管理する」方法です。「夫婦でいっしょに家計管理する」というイメージに最も近いかもしれません。どちらかだけが家計を握るのではなく、収入や支出をお互いに把握して管理します。

メリットは透明性や公平性が高いこと、デメリットは手間がかかることです。

子どもがいるなど、夫婦双方にかかわる支出があって共同でお金を出したい場合や、収支をお互いにオープンにできる夫婦に向いています。

●それぞれが管理する(別財布)

3つめは「それぞれが管理する」方法です。前述の方法と違い、お互いの収支に干渉しないのが特徴です。

メリットは自分の収入や支出をオープンにせずに済むこと、デメリットはどちらかが浪費していても気付きにくく、家計全体の状況がわかりにくいことです。

お互いに経済的に自立している共働き夫婦や、2人とも倹約家な夫婦などに向いています。

■STEP3.口座やアプリなどのツールを活用する

管理方法が決まってきたら、今度は管理の具体的な手段を考えます。その際、管理方法や考え方に合ったツールを活用すれば、より手間なく無理なく家計を管理しやすくなります。口座やアプリなどを味方につけて、スムーズに管理できる体制を整えましょう。

●お小遣い制

どちらか一方が管理する方法に向いているのが「お小遣い制」です。家計管理が得意なほうが2人分の収支を把握して、生活費として必要な分を取り分けたあと、もう片方に自由に使えるお金(お小遣い)を渡すのが一般的です。

後述する方法よりも手間が少なくシンプルでわかりやすいのがメリットです。夫婦のどちらかが浪費家でも無駄遣いを防ぎやすく、出費をコントロールしやすいでしょう。

給与や物価が上がったらお小遣いも上げるなど、お小遣いを受け取る側のモチベーションが下がらないよう柔軟に調整していきましょう。

●共有の口座を作って管理する

共同管理や別財布の夫婦なら、2人で共有する口座を1つ作っておくと便利です。

【共有口座の使い方の例】

  • お互いに金額を決めて毎月一定額ずつ入金して貯金する
  • 生活費の引き落とし用の口座にする
  • 子どもの学費を出すための口座にする

など

口座には入金したときも出金したときも自動的に記録が残ります。きちんと入金しているか、不審な出金はないか、お互いがチェックしやすい点がメリットです。ただし、給与口座から共有口座にお金を移すときに手数料がかかる場合もあるので注意しましょう。

●アプリを使ってお互いの状況を把握する

近年は、スマホのアプリなどを使ってお互いの状況を把握しているという家庭もあります。

収支を記録して管理できる「家計簿アプリ」にはさまざまな種類があり、無料で利用できるものも多くあります。なかには、レシートを撮影するだけで自動的に家計簿への記帳やグラフ化ができるアプリ、どちらか一方がつけた記録をもう片方がチェックできる「共有機能」を備えたアプリや、2人で使えるチャージ式のプリペイドカードとセットになっているアプリなどもあります。

双方の状況をタイムリーかつ正確に把握しやすいのがメリットですが、「全部オープンにしたくない」「夫婦とはいえプライバシーは守りたい」という人には使いにくいかもしれません。場合によっては、「食費だけ記録する」など使い方を工夫するのも1つの方法です。

もちろん、アプリに限らず昔ながらの紙のノートにつける家計簿も有効です。しかし、「面倒」「なかなか続けられない」という人は、より手軽に記録できるアプリを活用することも検討してみましょう。

■STEP4.2人で家計を振り返る時間を確保する

家計管理をするうえで重要なのが、振り返る時間を確保することです。新しい管理方法を試したり、家計簿を1ヵ月分記録し終わったりしたときに、結果がどうだったのかを話し合って共有するようにしましょう。ポイントは次の3点です。

●どちらか一方に任せきりにしない

どの管理方法を選んだ場合でも、どちらか一方に任せきりにしてしまうのはよくありません。

夫婦のお金の状況は、夫婦ともに把握できている状況にしましょう。「毎月第一土曜日の19時は『お金の家族会議の日』とする」など、月1回程度の頻度で、家計の振り返りをする日時を設定してルール化しておくのもおすすめです。

●目標の達成度など現状を把握する

振り返りをする際は、単にお互いの収入や支出を発表するだけでなく、設定した予算を守れていたか、目標の貯金額をクリアできたか(どれくらい近づけたか)など、さまざまな角度から家計の状況を俯瞰するのが理想的です。

お互いに現状を把握したうえで、感想を共有するようにしましょう。なかには金融教育の一環として、夫婦だけでなく、子どももいっしょに参加して話し合う場としている家庭もあります。

●反省点や改善点を考える

現状を理解したうえで、どうすればもっとよくなるのか、今後どんな工夫ができそうか、反省点や改善点について話し合ってみましょう。

「まだうまく貯金できない」「管理方法やツールがしっくりこない」というときでも、2人で原因や対策を考えたり、柔軟に変更したりして、また挑戦してみましょう。一度でうまくいかない場合もありますので、焦らずに試行錯誤を楽しむ気持ちで取り組むとよいでしょう。

■夫婦で上手に家計を管理するコツ

最後に、夫婦で行う家計管理の成功率を上げるコツを2つ紹介します。

●話し合いと合意を大切に

何よりも大切なのは、夫婦間の話し合いと合意です。どちらかが一方的にルールを決めたり強制したりすると、不満や不信感などが蓄積してどこかでうまくいかなくなる可能性が高くなります。

夫婦それぞれで管理する場合(別財布)だと特に、いつの間にかお金の話がタブーのようになってしまって、なかなか夫婦間でも本音で話ができないというケースもあるようです。

しかし、夫(妻)の経済状況は自分の生活に直結する重要な問題です。お金の話をむやみに避けることなく、積極的にコミュニケーションを取っていきましょう。

■まとめ

夫婦で家計を管理する方法としては、お小遣い制を導入する、共有の口座を作る、家計簿アプリを活用するなどがあります。

ただ、夫婦での家計管理方法に「絶対の正解」はありません。コミュニケーションを取ったり試行錯誤したりしながら、自分たちにぴったりの方法を見つけて、お互いに不満のない家計管理を実現しましょう。

まずは、2人で将来の夢や計画についてじっくりと話し合う時間を取って、貯金の目的や目標を具体的に設定してみてはいかがでしょうか。

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