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特集 | 住宅ローン

2025/02/14(2022/10/18 公開、2025/02/14 更新)

住宅ローンの事前審査とは?本審査との違いや必要書類、通過するコツも解説!

監修者:新井 智美(ファイナンシャルプランナー)

マイホームを購入するとき、多くの方が利用する住宅ローンですが、申込みの際は審査を受けます。住宅ローンには、事前審査と本審査の2種類の審査があり、いずれも通過しなければ融資を受けられません。

通常、簡易的な内容とされる事前審査は、本審査より通過しやすいとされていますが、状況によっては通らない場合もあるため油断は禁物です。

本記事では、住宅ローンの事前審査について、審査内容や本審査との違い、必要な書類などを解説します。

住宅ローンの事前審査の内容

住宅ローンを組むには、金融機関による事前審査と本審査、2つの審査を通過しなくてはなりません。なぜ2回の審査が前提かというと、住宅ローンは住宅の購入が決定した後に契約となるからです。

万が一住宅ローンの審査に落ちてしまうと、住宅の売買契約が終わっているのに支払いができず、住宅ローンを申込んだ方はもちろん、不動産会社など物件の購入に関わる方すべてになんらかの損害を与えることになってしまいます。

こうした事態を回避するため、申込人が住宅ローンを組む一定の基準をクリアしているかをつかむため、事前審査が行われます。つまり、住宅ローンの事前審査は、本審査の前に行われる「住宅ローン利用に向けた資格確認」のようなものといえます。

事前審査は、申込書の内容などによる申込人の自己申告に基づいた簡易的なものとはいえ、住宅ローンはマイホーム購入を目的とする大きな融資なので、年収やローンの利用状況、物件価格や希望する借入金額と返済期間などから、申込人の信用情報や返済能力が審査されます。

なお、事前審査に通ったからといって、本審査の通過が保証されたわけではありません。また、事前審査に通った金融機関で、必ず本審査を受けなくてはならない、住宅ローンを組まなければならないルールもありません。

落ちた場合や想定していた内容との違いが出たときのことを考えて、複数の金融機関で事前審査を申し込んでおくのもよいでしょう。

住宅ローンの事前審査にかかる時間

先述した通り、住宅ローンの事前審査は、ローンの利用条件を満たしているかを判断する簡易的な審査です。
ネット銀行などは早ければ即日で結果が出る場合もありますが、金融機関や申込み内容によっては1週間程度かかる場合もあります。

住宅ローンの本審査との違い

事前審査を通過すれば、本審査を受けられます。

年収や購入物件の担保としての評価はもちろん、団体信用生命保険への加入を前提とした健康状態も確認される上、提出が必要となる書類の数も、事前審査に比べるとかなり増えます。

細かく正確な判断が必要とされる本審査では、審査期間におおむね1~2週間かかるのが一般的です。

住宅ローンの事前審査の必要書類

住宅ローンの事前審査を受けるには、金融機関で用意される申込書に加え、複数の書類を提出しなくてはなりません。事前審査の必要書類は本審査ほど多くはないので、準備するのはさほど負担ではないでしょう。

しかし、書類の提出漏れや不備は審査にかかる期間や結果に影響するため、スムーズに手続きが進むよう、入手方法を含めてあらかじめ把握し、余裕をもって用意しておくと安心です。

なお、ネット銀行などを中心に事前審査では書類提出が原則不要な金融機関も増えています。

本人確認書類

住宅ローンを契約する方や収入合算者・担保提供者の公的な本人確認書類が必要です。

主な本人確認書類には以下のようなものがあります。

  • 運転免許証
  • パスポート
  • 住民票
  • 健康保険被保険者証 など

収入を証明する書類

年収は、住宅ローンの借入額を決める重要な基準の1つです。収入を証明する書類は、会社員と自営業者とで異なります。

会社員などの給与所得者

  • 直近1年分の源泉徴収票
  • 課税証明書もしくは住民税納税通知書などの公的な所得証明書類

自営業などの個人事業主

  • 直近3年分の確定申告書の写し
  • 直近3年分の納税証明書の原本

購入物件の確認書類

住宅ローンの借入額は、契約者の年収や信用情報の他、担保となる購入物件の評価によっても決まるため、物件の購入価格や所在地などがわかる資料を提出しなくてはなりません。

購入物件に関して、金融機関から提出を求められる可能性のある書類には、以下のようなものがあります。

  • 購入物件の金額・面積等がわかる資料(販売用パンフレットなど)
  • 間取り図

など

その他の書類

住宅ローンは、マイカーローンや教育ローン、カードローンなど、数あるローンの1つです。

返済中の他のローンがある場合、それらの借入額が住宅ローンの融資にも影響するため、残高証明書や償還予定表を用意しましょう。

住宅ローンの事前審査を受ける際の注意点

住宅ローンの事前審査では、申込人の年収で無理なく購入できる物件か、希望する借入額は毎月必ず返済できる金額か、返済が困難になったとき購入物件が担保として機能するかなど、申込む方の返済能力や購入物件の担保価値を中心に審査されます。

申込人の返済能力についても、契約時や完済時の年齢、健康状態、年収や勤続年数などから判断され、購入物件の担保価値は、不動産のデータベースや登記事項証明書などで確認されます。

審査でチェックされる情報は、申込書に書かれた内容や提出された書類に記載されたものです。

万が一、申込み内容に記載ミスをしてしまった場合は、速やかに申し出ましょう。

個人事業主は審査が厳しい

先述した通り、自営業などを営む個人事業主の場合、事前審査で収入を証明するために、直近3年間の確定申告書を用意するのが一般的です。

直近1年の源泉徴収票で済む会社員など給与所得者に比べると、個人事業主の審査はやや厳しいと考えておいたほうがよいかもしれません。

しかし、すべての金融機関や住宅ローンが、会社員と個人事業主で対応を変えているわけではありません。例えば、「フラット35」の場合、個人事業主も給与所得者も直近2年分の所得証明が求められます。なお、個人事業主の場合は納税証明書(所得金額用)および確定申告書(写し)などの提出が必要であることは変わりません。

住宅ローンの申込み先は、状況に応じて選択するとよいでしょう。

住宅ローンの事前審査に通過するためのコツ

住宅ローンの事前審査では、先述の通り、申込人の返済能力と購入物件の担保価値が重視されることが一般的です。

住宅ローンの事前審査に通過するために、知っておくと便利なコツを紹介します。

借入希望額や返済期間を見直す

金融機関では、返済する能力の有無を審査するため、申込書に記入する借入希望額や返済期間を重視します。

事前審査の時点ですでに購入物件は決まっているため、いくら借りて何年かけて返すかといった返済プランを立てている方がほとんどですが、金融機関に返済計画が無謀だと思われれば、通過できません。

今一度、希望する借入額にしたとき、毎月の返済額が生活の負担とならないか確認しましょう。

自己資金の割合を増やす

住宅ローンの借入希望額が少なければ、返済総額も減らせるため、金融機関も融資を実行しやすくなります。できるだけ自己資金(頭金)を増やし、借入希望額を減らすよう努力するのも方法の1つです。

しかし、マイホーム購入には、各種手数料、税金など、いろいろと諸費用がかかります。また、マイホーム購入後の生活が苦しくなれば、住宅ローンの返済が苦しくなる可能性もあるためご注意ください。

直近に必要となるお金、当面の生活費を考えながら、無理のない範囲で自己資金を用意しましょう。

他のローンは完済する

他のローンを抱えていると、年収における年間のローン支払額、つまり返済負担率が高くなります。返済負担率は、多くの金融機関が審査基準として利用しているため、一定割合を超えると審査落ちする原因にもなりかねません。

利用中のローンがある場合は、ローン申込み前にできるだけ完済しておくことが理想です。

ペアローンや収入合算を検討する

どうしても手に入れたい物件が見つかったものの、現状の年収や貯金からでは住宅ローンの申込みに無理があるケースもあるでしょう。あきらめきれないときには、ペアローンや収入合算を検討するのもひとつです。

夫婦の収入を合算したうえで審査されるペアローンや収入合算であれば、個人で契約するよりも借入額を増やせるでしょう。

しかし、夫婦いずれかの退職や離婚などで、返済トラブルになるリスクもあることにご注意ください。

住宅ローンの事前審査で気になる疑問

住宅ローンは、通常、人生で何度も利用することはないでしょう。そのため、事前審査に関しても「こういうときはどうなるのだろう」と疑問を感じる場面も多いかもしれません。

そこで最後に、住宅ローンの事前審査を受けるにあたって、気になる疑問にお答えします。

事前審査を通過後に申込内容を変更できる?

マイホームの購入は人生でもとくに大きな買い物で、住宅ローンの借入金額は高額になりがちです。無理なく計画的に返済するには、自己資金と借入金額のバランスを慎重に検討しなければなりません。

ご自身にとって適した申込内容か判断することはむずかしく、検討にも時間がかかります。住宅ローンを申込んだものの、事前審査を通過した後に、申込内容を見直したいと思われる方もいるでしょう。

結論として、住宅ローンの申込内容は、事前審査に通過後でも、本審査までの間に変更できる場合があります。変更したいと思った時点で、金融機関へ速やかに相談するのがおすすめです。

ただし、例えば次の内容に関しては、審査結果に影響するような大きな変更は認められないのが一般的です。

①借入希望金額の大幅な増額
②借入希望期間の変更
③申告した収入の大幅な変更(転職や離職などによる急激な家計の変化を含む)

変更が認められない場合にはいったん申込みをキャンセルして、再度申込みを行い、事前審査を受け直す必要があります。

新規借入と借換えで事前審査に違いは?

厚生労働省「令和5年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、住宅ローン利用者全体の6%前後がローンの借換えを経験しています。(※)

日本では低金利が長く続いていますが、昨今は金利上昇の兆しが見られます。住宅ローンは返済期間が長いため、小さな金利差でも総返済額の違いは大きくなりがちです。できるだけ返済の負担を減らす目的から、住宅ローンの借換え需要は今後も続くと考えられます。

新規借入・借換えにかかわらず、住宅ローンを契約するには事前審査・本審査が必要です。審査基準は、金融機関ごとの違いはあっても、とくに変わりはないとされています。

ただし、新規借入時から年数が経過しているため、契約者の勤務先や収入などが変わっている場合、返済能力の判断が以前とは異なるおそれもあります。

(※)厚生労働省「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」PDFファイルが開きます

住宅ローン利用の第一歩!事前審査は慎重に進めよう

住宅ローンを利用するには、本審査の前に、事前審査を通過しなくてはなりません。購入したい物件が決まったら、早めに申込むようにしましょう。

事前審査で確認されるのは、申込む方の返済能力と購入する物件の担保価値などです。金融機関に伝える内容にミスがないよう気を付けるとともに、必要書類は余裕をもって用意してください。

監修者:新井 智美(あらい ともみ)
顔写真

プロフィール:
2006年11月 卓越した専門性が求められる世界共通水準のFP資格であるCFP認定を受けると同時に、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能士1級を取得。2017年10月 独立。主に個人を相手にお金に関する相談及び提案設計業務を行う。個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン住宅購入のアドバイス(、企業向け相談(補助金、助成金の申請アドバイス・各種申請業務代行)の他、資産運用など上記内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行う傍ら、執筆・監修業も手掛ける。

資格情報:1級FP技能士・CFP

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