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特集 | 住宅ローン

2022/10/4

フラット35のメリットとデメリットは?審査基準や利用のポイントを解説!

監修者:田仲 幹生

マイホームの購入に向けて住宅ローンの利用を検討するとき、多くの方が「フラット35」を選択肢の一つに加えるでしょう。

フラット35は、安定した返済計画が立てられる人気の住宅ローンですが、ほかにもメリットがいろいろあります。

この記事では、フラット35の基礎知識とともに、知っておきたいメリット・デメリットなどを解説します。

フラット35とは?

フラット35は住宅ローンの一種です。ほかの住宅ローンとの大きな違いは、独立行政法人の住宅金融支援機構と民間の金融機関との提携商品であることでしょう。

フラット35の特長である長期固定金利は、貸付ける側のリスクが高いため、民間の金融機関だけでは実現が難しいとされます。そのリスクを住宅金融支援機構が負い、官民連携によって提供されている住宅ローンがフラット35なのです。

すべての金融機関ではありませんが、銀行や信用金庫、ネットバンクなど特定の金融機関で扱われています。

フラット35の金利

フラット35は、返済期間を通して最長35年間ずっと固定金利となります。返済中に金利上昇があってもその影響を受けず、決まった金利が適用され続けます。

金利は契約する金融機関によっても少しずつ設定が違います。また、借入期間や自己資金割合などの条件によっても金利差が出ます。

フラット35の条件

フラット35の利用には一定の条件があります。

原則として、借入金額は100万円以上8,000万円以下(1万円単位)となっており、年収に応じて借入可能額の割合が変わります。また、借入期間は15年以上35年以内となっています。

重要なのは資金の使用用途で、申込者や親族が住むマイホームの購入資金あるいは建築資金に限られることです。投資用物件の購入費用には充てられないので注意しましょう。

ほかにも、住宅金融支援機構の定める技術基準に適合するなど、融資対象にも基準があります。耐震性や省エネ性能などで一定の基準をクリアすれば、当初5年、あるいは10年は引下げ金利を適用される「フラット35S」の利用も可能です。

フラット35のメリット

フラット35には長期固定金利型住宅ローンを含め、メリットが数々あります。そこで考えられる主なメリットを紹介します。

市場金利の影響を受けない

フラット35の特長であり、最大のメリットといえるのが、金利変動の影響を受けないということです。

市場金利は経済動向によって上昇することがあります。しかし、フラット35は返済期間中の金利が固定されているため、返済額が増えるリスクがありません。市場の動向に一喜一憂せず、返済に集中できるでしょう。

また、融資された時点で(利息と返済を含めた)総支払額が明らかになるため、ライフプランを立てやすいのも魅力の一つです。

なお、このメリットは金融機関が提供する長期固定金利型住宅ローンでも享受することが出来ます。
この後のフラット35のメリット・デメリットを読んで、フラット35が良いのか、金融機関が提供する長期固定金利型住宅ローンが良いのか、検討してみてください。

繰上げ返済手数料がかからない

固定金利のフラット35であれば、毎月一定額の返済を続ければ、予定どおりに完済することができます。しかし、資金に余裕があるときは、総支払額を減らせるよう、繰上げ返済の利用がおすすめです。

フラット35の繰上げ返済には、手数料がかかりません。ただし、一般的な住宅ローンが1円からの繰上げ返済に対応するのに対し、フラット35は窓口では100万円から、インターネット利用でも最低10万円からとなっています。

繰上げ返済を行うにはややまとまった金額が必要ですが、手数料はかかりませんし、繰上げ返済も含めた計画的な返済プランを立ててフラット35をお得に活用するのがおすすめです。

比較的審査に通りやすい

住宅ローンの申込者に関する審査では、職業や勤続年数、収入など、安定した返済が可能かどうかを重視するのが一般的です。しかし、フラット35では、年収基準や年収に占める総返済負担率などの要件を満たせば、審査は通りやすいとされています。

民間の住宅ローンとの違いはほかにもあり、フラット35では保証人や保証料が必要ありません。また、団体信用生命保険の加入も義務化していないので、健康状態に応じてご自身に適したローンの申込みが可能です。

フラット35のデメリット

安定した返済計画を立てやすく、メリットの多いフラット35ですが、一方でデメリットにもなりうる注意点もあります。

金利が高めに設定されている

フラット35の固定金利は、民間の金融機関の住宅ローンが設定する変動金利・固定金利に比べると、少し高めに設定されている場合が多いです。

借入期間中ずっと固定金利のフラット35は、市場金利が上がっても影響を受けないというメリットがあります。しかし、市場金利が下がった場合や現在の市場状況が長く続く場合、変動金利を選択した場合よりも支払利息が大きく増えることも考えられます。

今後しばらくの間は低金利が続くと予想される今、民間の金融機関で変動金利型の住宅ローンを利用する方の割合はやや高めです。しかし、先の見通しは誰にも確約できるものではありません。
長期固定金利を選択する場合も、フラット35を選択するのか、民間の金融機関の住宅ローンを選択するのか、選択肢があります。それぞれの事務手数料などの諸費用も含め、総支払額のシミュレーションを十分に行うのがおすすめです。

審査に住宅の技術基準が含まれる

フラット35の審査基準の一つに、購入あるいは建築する住宅の技術基準があります。

技術基準には、住宅の面積や構造面などが含まれています。対象の物件が基準を満たしているかどうかを確認するためには、事前に指定機関から検査を受けて、適合証明書(検査済証)を発行してもらう必要があります。

技術基準を満たすことを証明できなければフラット35は利用できません。適合証明書の取得には、所定の手数料がかかります。

フラット35は安定した返済計画を立てたい方におすすめ

日本は今、超低金利が長く続いており、変動金利型の住宅ローンを選択する方が増えています。

しかし、フラット35は、長期にわたって固定金利でローンを返済できるので、安定したライフプランを実践したい方におすすめです。市場金利の動向を気にする必要がないので、返済に集中できるでしょう。

一方で、長期固定金利型住宅ローンを希望する場合は、民間金融機関の住宅ローンといった選択肢もあります。フラット35のメリットとデメリットを理解し、シミュレーションなども活用しながらご自身にあった住宅ローンを選択してください。

監修者:田仲 幹生
顔写真:監修者:田仲 幹生

プロフィール:
生命保険会社で営業として勤務した後、栃木県宇都宮市の税理士事務所に入る。そこで約10年間勤務しながらCFP®と1級FP技能士を取得する。その後独立し、株式会社あせっとびるだーずを設立。会社では、これまでの投資経験を活かして、株式及び不動産投資などの投資業を主な事業として行っている他、FP相談や投資のマネースクール、講師業、記事執筆及び監修といったFP業を行っている。

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