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住宅ローンの固定金利とは?メリット・デメリットもご紹介

執筆者:石橋秀俊(プライマリープライベートバンカー)

2021年3月30日

「住宅を買う」というのは、ライフステージのなかでも大きなイベントです。しかし、住宅を買う際の住宅ローンをどのように組めばよいかお悩みの方も多いのではないでしょうか。今回は、固定金利の概要やメリット・デメリットについて解説していきます。

固定金利とは?変動金利との違いは?

住宅ローンは、金利タイプによって大きく2つに分かれます。一つは、「固定金利」、もう一つは「変動金利」です。それぞれの特徴について見ていきましょう。

住宅ローンの固定金利とは

固定金利とはその名の通り、一定期間金利が固定されていることを指します。契約の仕方は様々で、固定金利・短期(固定3年、固定5年、固定10年など)、さらには固定金利・長期(固定35年)など、金利を固定しておく期間を選択できます。したがって、固定金利期間中に返済額が変わることはありません。注意しておきたいのは、当初の固定金利特約期間終了後に住宅ローン金利が上昇していた場合、返済額が増加することがあり、また、固定金利特約期間終了後の金利引下幅は当初の金利引下幅とは異なる、ということです。

変動金利との違い

変動金利とは、住宅ローン契約期間中の金利が一定でなく、変化を伴うものです。住宅ローン金利が上昇した場合、元金均等返済(毎月の返済で元金を一定にして支払う返済方法)では利子を含めた支払額が大きくなり、当初の想定より月々の支払いも増えてしまうことがあります。また、元利均等返済(毎月一定の返済額で返済していく方法)の場合は利子が増えてしまい、元本の返済が進まないということが起きかねません。

先述の通り固定金利であれば、固定金利期間中の返済額は借り入れ時点で決定しています。そのため、固定金利期間中は返済額が一定となります。固定金利と変動金利のどちらを選べば良いかは、契約者の収入や資産状況、家族構成、そして今後のファミリープランなどによって検討すると良いでしょう。

固定金利はどうやって選べばいい?

固定金利にはいくつか種類がありますが、どのような基準で選べば良いのでしょうか。固定金利・短期と固定金利・長期金利の特徴の違いを含め、解説していきます。

固定金利・短期と固定金利・長期の違い

固定金利・短期では、固定金利期間としては、2年、5年、10年などがあります。一般的には、固定金利期間が長い契約であるほど、住宅ローン金利は高くなります。固定金利特約期間終了後は変動金利にするか、固定金利にするかを再度選択します。その際に、住宅ローン金利が上がっていた場合は返済額が増加することになります。また、金利引下幅は、固定金利特約期間終了後の金利引下幅が適用されます。

固定金利・長期であれば長期間返済額は一定で、返済額の変動を考える必要性が低くなります。

ここで、固定金利・短期型と固定金利・長期型の返済額について、具体的な返済例を見ていきましょう。

【前提】
借入額:3,000万円
返済期間:35年
元利均等返済、ボーナス払いなし
固定金利特約期間終了後、住宅ローン金利が1%上昇すると仮定

  • 返済例の適用金利は、auじぶん銀行ホームページの住宅ローンシミュレーションにおいて当初期間引下げプランをもとに計算しています(2021年3月現在)。
  固定35年 当初固定金利型
固定3年 固定5年 固定10年

適用金利

全期間1.54%

当初3年間0.59%

当初5年間0.62%

当初10年間0.525%

4年目以降1.59%

6年目以降1.62%

11年目以降1.525%

毎月返済額

92,444円

当初3年間79,074円

当初5年間79,477円

当初10年間78,207円

4年目以降91,964円

6年目以降91,594円

11年目以降88,177円

総返済額

38,826,313円

38,160,660円

37,742,576円

35,837,915円

現在の住宅ローン固定金利は、期間3年、5年、10年ともにほとんど変わりがありません。固定金利特約期間終了後にどの期間も同様に1%上がるという前提で考えた場合、以上の表を見ると2021年3月現在の金利情勢であれば、固定10年が総返済額のうえで最も有利な条件となっていることがわかります。

選ぶ際に知っておくべきこと、注意点

固定金利・短期、固定金利・長期についてはそれぞれ注意点があります。

まず、固定金利・長期の場合は、基本的に固定金利・短期に比べて金利が高いため返済の総額が大きくなります。一方、固定金利・短期の場合は、固定金利期間終了後の金利情勢に応じて返済額が大きく変化する可能性があります。つまり、金利の大幅上昇により負担が大きくなってしまう恐れがあるということです。将来的にもし金利が上昇しても返済可能か、検討しておくことが重要といえるでしょう。

固定金利のメリット・デメリットは?

固定金利のメリットは金利が固定されている分、返済額が一定であるため、資金計画が立てやすいという点にあります。また、固定金利期間中に住宅ローン金利が上昇している場合でも、借り入れ当初の金利から変動しないため有利になります。一方で、固定金利期間中に住宅ローン金利が下落していくと契約当初の金利が継続する分、不利になるでしょう。

また、一般的に住宅ローンの金利は以下の順序で高くなる傾向にあります。

長期固定金利>当初固定金利>変動金利

したがって、固定金利期間が長くなればなるほど金利が高くなるため、返済額が増加することになります。

住宅ローン固定金利

メリット

  • 返済額が一定で資金計画が立てやすい
  • 住宅ローン金利が上昇した場合有利になる

デメリット

  • 返済額が大きくなる可能性がある
  • 住宅ローン金利が下落した場合不利になる

固定金利はどんな人に向いている?

固定金利が向いているのはどのような方でしょうか。いくつか見ていきましょう。

・子育て世代
まだお子さまが小さく、学費など将来の支出が多くなっていくことが予想される子育て世代は、子供が独り立ちするまでの期間を見据えた長期の固定金利で契約をした方が良いでしょう。住宅ローンなど、月々の支払いについて予想外の上昇は避けたほうが良いためです。

・共働き夫婦
夫婦共働きの場合や、数年後に配偶者が仕事復帰するなど、将来にあたって返済余力がある場合は、2~3年などの短い固定期間でも良いでしょう。短期の固定金利は、最近では変動金利と変わらないレベルまで低下しており、さらなる金利低下が期待できない限り、あえて変動金利を使う必要性はないかもしれません。

・50歳で住宅を取得する方
近い将来、定年退職を迎える予定の方が住宅を取得する場合は、退職金の取得により資金的余裕が増えることが予想されます。こういったケースでは、現在の超低金利下であれば、固定10年などの中期間での固定金利の住宅ローンを組むことが合理的でしょう。50歳のときに固定10年の固定金利で住宅ローンを組めば、退職後の状況に応じて返済方法を再検討できます。

低金利の状態が続いている住宅ローン金利

ここまで固定金利を中心に、住宅ローン金利についてメリット・デメリットを述べてきました。住宅ローン金利は市場金利などをもとに各金融機関が決定していますが、現在の市場金利は低金利の状態が続いています。このような状況の中、住宅ローン金利の支払いを固定することは合理的で有利となる可能性が高いといえるでしょう。しかし、各家庭の状況は十人十色であり、ファミリープランも様々です。ご自身とご家族の将来を見据え、幸せな家庭生活のために的確な住宅ローンの支払い方を検討していきましょう。

ライター:石橋秀俊(いしばしひでとし)

プロフィール:有限会社IS.projects代表取締役。
プライマリープライベートバンカー。
東京で大学を卒業後新卒で大手証券会社に入社。その後大手金融機関、欧州系プライベートバンクで富裕層向けの資産運用業務に従事した後有限会社IS.projects代表取締役に就任。有限会社IS.projectsは金融商品仲介業者として登録が完了し、富裕層向けの資産運用業務を開始。併せて、中小企業向けM&Aアドバイザリー業務も展開。
名古屋、東京を中心に全国で営業を展開している。

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固定金利を選んだ際の月々の返済額はどのくらい?

固定金利のメリット・デメリットや、どんな人が固定金利に向いているのか見てきました。ご自身やご家族の将来設計を見据えて、金利を選択してくださいね。
まずは固定金利を選んだ場合、月々の返済額はいくらになるのか、シミュレーションで確認してみましょう!

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