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特集 | 住宅ローン

2023/4/20

同じ銀行で住宅ローンの借換えは可能?メリットや注意点を徹底解説!

監修者:新井 智美

住宅ローンの借換えとは、別の条件の住宅ローンに借入れし直し、現在借りている住宅ローンを一括で返済することです。

現在よりもよい条件の住宅ローンを組める可能性があるため借換えを検討している方や、別の金融機関ではなく同じ銀行でも借換えできるのかと疑問をお持ちの方がいるかもしれません。

そこで、本記事では同じ銀行で借換えが可能かどうかを解説したうえで、借換えではなく「契約内容」を変更する方法や具体例、借換えのメリット・注意点をご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

同じ銀行での住宅ローンの借換えは原則としてできない

「給与の振込口座として使っている口座があるので、同じ銀行で借換えを行いたい」「支店の場所や電話番号などを調べるのに手間がかかるから別の金融機関に申込むのは避けたい」などとお考えの方がいるかもしれません。

しかし、原則として同じ金融機関では住宅ローンの借換えはできません。なお、詳しくは後述しますが借換えではなく「契約内容の変更」であれば可能な場合があります。

同じ銀行で住宅ローンの借換えではなく契約内容を変更する方法

住宅ローンの契約内容の変更であれば、同じ銀行で可能なケースがあります。契約内容を変更する主な方法は、次の通りです。

  • 金利タイプを変更する
  • 繰上返済を行う

それぞれについて、詳しく説明します。

金利タイプを変更する

現在の金利タイプが変動金利(市場金利に連動した金利が適用)の場合は、基本的にいつでも固定金利に変更できます。ただし、延滞中などの状況では変更できないこともあるので注意が必要です。

なお、現在の金利タイプが固定金利の場合は、固定金利が適用されている期間は変動金利への変更を行えないケースが一般的です。変更したい方は、固定金利適用期間の満了を待ちましょう。

繰上返済を行う

繰上返済とは、約定返済(通常の返済)以外で、借入残高の一部または全額を前倒して返済することです。借入残高の減少により、将来支払うべき利息が少なくなります。

なお、借入残高の一部を前倒しで返済する方法を一部繰上返済、全額を前倒しで返済する方法を全額繰上返済と呼びます。

一部繰上返済を行う場合は、目的に応じて以下の2つのタイプから選択できます。

  • 期間短縮型:毎月の返済額は変えずに、返済期間を短縮するタイプ
  • 返済額軽減型:残りの返済期間は変えずに、毎月の返済額を減らすタイプ

期間短縮型は毎月の返済額は変わりませんが返済期間が短縮するため、短縮された期間の利息が軽減されます。一方の返済額軽減型は、返済期間は変わりませんが毎月の返済額が減らせるため、その分家計にゆとりがでます。どちらのタイプを選択するかは、現在のご自身の生活状況に合わせて決めましょう。

住宅ローンの借換えをせずに契約内容を変更する場合の具体例

以下、auじぶん銀行公式サイトの「住宅ローンシミュレーション」を用いて、「金利タイプを変更するケース」と「繰上返済を行うケース」について、どのような効果が得られるのかを紹介します。

金利タイプを変更するケース

2022年、日本銀行は金融政策決定会合において「長期金利の変動幅の上限」を0.25%から0.5%に拡大しました。この結果、金融機関の資金調達コストが増加し住宅ローンの固定金利が上昇しましたが、今後さらなる金融引締めが実行されると、短期金利に左右される変動金利も上昇する可能性があります。

固定金利を適用していれば短期金利の動向に影響を受けずに済みますが、変動金利を適用している場合は金利上昇リスクが伴います。

そこで、それぞれ以下条件でシミュレーションした結果をまとめました。
<シミュレーション条件>

  • 借入金額:3,000万円
  • 返済期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済、ボーナス返済なし
  • 変動金利は全期間引下げプラン、固定金利は当初期間引下げプランの2023年4月適用金利を使用
  • 明記した金利変更を除き、借入期間中の金利変動はないものと仮定

変動金利 年0.389%で借入れ、5年後 年1.389%に上昇

当初 月々返済額:76,412円
5年経過後 月々返済額:88,217円
総返済額:36,342,974円

変動金利 年0.389%で借入れ、10年後 10年固定 年2.030%へ金利タイプ変更

当初 月々返済額:76,412円
10年経過後 月々返済額:92,894円
総返済額:37,037,438円

10年固定 年0.955%で借入れ、10年後 変動金利 年1.541%へ金利タイプ変更

当初 月々返済額:84,058円
10年経過後 月々返済額:90,118円
総返済額:37,122,339円

今回のシミュレーションの場合、変動金利で借入れし続けるパターンが一番総返済額を抑えられることが分かります。しかし、変動金利の場合、どのくらい金利が変動するのかどうかを予測することは出来ません。急激な金利上昇が起こった場合、返済額は大きく上昇する可能性もある点に留意する必要があります。
一方、固定金利を選択した場合、特約期間中は金利の変動リスクはありません。

なお、変動金利・固定金利ともに現在の金利タイプから変更する場合、借入当初に適用される金利よりも優遇幅(引下幅)が小さくなる点にも注意しましょう。
例えば、auじぶん銀行の変動金利(全期間引下げプラン)・10年固定(当初期間引下げプラン)の場合は以下のようになります。

金利タイプ 基準金利 当初期間引下幅 当初選択時金利 当初期間終了後の引下幅

変動金利

2.341%

-1.952%

0.389%

-1.000%

10年固定

3.030%

-2.075%

0.955%

-0.800%

  • 金利はすべて2023年4月適用、年利にて記載

上記表に則り、具体例を見ていきます。
10年固定金利を選択すると、最初の10年間は年0.955%が適用されます。10年経過後には再度金利タイプを選択することになりますが、例えばそこで変動金利を選択すると、「基準金利 年2.341%-当初期間終了後の引下幅 年0.800%=年1.541%」が適用されます。
なお、当初期間引下幅・当初期間終了後の引下幅はともに借入れの際に決まりますが、基準金利自体は金利見直し月のものが適用になることも覚えておきましょう。

金利タイプの変更は金融情勢や借入当初に選択した金利などにより、さまざまなケースが考えられます。金融機関の窓口やファイナンシャルプランナーなどに相談したうえで、変更するべきかどうかを慎重に決めましょう。

繰上返済を行うケース

「借入金額3,000万円」「返済期間35年」「元利均等返済・ボーナス返済なし」「変動金利・全期間引下げプラン 年0.389%(2023年4月適用)」という条件で住宅ローンの借入れを行ったうえで、5年経過後に「期間短縮型」および「返済額軽減型」の繰上返済(繰上返済金額は500万円)をするケースについて、シミュレーションした結果を下表にまとめました。

繰上返済をしなかった場合

  • 毎月の返済額:76,412円
  • 総返済額(借入金額+利息):32,093,229円

期間短縮型の繰上返済をした場合

  • 繰上後の返済期間:29年0ヶ月(6年0ヶ月短縮)
  • 繰上後の総返済額:31,537,702円(555,527円軽減)

返済額軽減型の繰上返済をした場合

  • 繰上後の毎月の返済額:61,734円(14,678円軽減)
  • 繰上後の総返済額:31,794,136円(299,093円軽減)
  • 借入期間中に金利変動がない場合。

各金融機関のウェブサイト上で提供されているシミュレーション機能で、さまざまな条件を変えて試算を繰り返して、ご自身に適した繰上返済を実現しましょう。

住宅ローンの借換えを行うメリット

上述したように、基本的に同じ銀行では住宅ローンの借換えを行えませんが、別の金融機関であれば借換えが可能です(住宅ローンの借入れには各金融機関所定の審査があります)。住宅ローンの借換えには、以下の2つのメリットがあります。

  • 毎月の返済額や総返済額を軽減できる
  • 団体信用生命保険の保障内容を手厚くできる

それぞれについて詳しく説明します。

毎月の返済額や総返済額を軽減できる

以下の3つの条件を満たす場合は、毎月の返済額や総返済額を軽減できる可能性が高いです。

  • 借換え後の金利差が年1%以上
  • 住宅ローンの残高が1,000万円以上
  • 返済期間が10年以上

返済額を減らすかわりに返済期間を短くすることも可能ですが、借換え後の住宅ローンの借入期間が10年未満(返済回数120回未満)の場合、住宅借入金等特別控除(住宅ローン減税/住宅ローン控除)を受けられなくなるので慎重に検討しましょう。

団体信用生命保険の保障内容を手厚くできる

団体信用生命保険とは、住宅ローンの利用者に万が一のことが発生した場合に住宅ローン残高に相当する保険金を、生命保険会社が金融機関に支払う仕組みの保険です。

基本的に、住宅ローンの借入れ後に団体信用生命保険の保障内容の変更はできません。しかし、住宅ローンを借換えればより保障が充実している団体信用生命保険に加入することは可能です。

ただし、年齢や健康状態によっては、希望する団体信用生命保険に加入できない可能性があります。また、保障内容によっては年0.1%~年0.3%程度の金利が上乗せされるケースもあるので、諸条件をチェックしたうえで申込みましょう。

住宅ローンの借換えを行う場合の注意点

住宅ローンの借換えを行う場合は、以下の2点に注意しましょう。

  • 諸費用がかかる
  • 手続きに時間や労力を要する

それぞれについて詳しく説明します。

諸費用がかかる

一般的に、住宅ローンの借換えに伴い、下表に示す費用が必要になることがあります。

現在の住宅ローンを完済するために必要な費用

  • 全額繰上返済手数料
  • 抵当権抹消費用

新しく住宅ローンを借入れるために必要な費用

  • 事務手数料
  • 保証料
  • 抵当権設定費用
  • 印紙代

オンライン上で手続きを行うネット銀行の場合は紙の契約書が発行されないことがあり、その場合は原則として印紙税はかかりません。ただし、連帯保証人を設定する場合や保証会社を利用する場合を除きます。

手続きに時間や労力を要する

新規申込みと同じように、借換え時も審査が実施されます。そのため、審査を申込むための必要書類を準備しなければなりません。以下は、必要書類の具体例です。

  • 住民票
  • 所得証明書
  • 物件購入時の資料一式(売買契約書など)

さらに、審査が承認されたら金融機関との契約手続きや司法書士との抵当権設定・抹消手続きのための面談が必要となるため、ある程度の時間を確保しなければなりません。

メリットや注意点を把握し、住宅ローンの借換えを慎重に行おう

基本的に、同じ銀行で住宅ローンの借換えを行うことはできませんが、契約内容の変更(金利タイプの変更や繰上返済)は可能です。

なお、別の金融機関であれば住宅ローンの借換えを申込むことが可能です。借換えを行うと、「毎月の返済額や総返済額を軽減できる」「団体信用生命保険の保障内容を手厚くできる」といったメリットを享受できますが、「諸費用がかかる」「手続きに時間や労力を要する」という点にご注意ください。

監修者:新井 智美
顔写真:監修者:新井 智美

プロフィール:
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,000本を超える。

資格情報:CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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昨今の物価高などもあり、より良い条件で住宅ローンを組みたい、と考える方も多いでしょう。
今の住宅ローンのまま、一部繰上返済などをしていくのか、他の金融機関の住宅ローンに借り換えるのか、選択肢は様々です。どれを選択しても後悔の無いよう、決断する前にシミュレーションをしてみましょう!

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