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特集 | 住宅ローン

2022/10/18

住宅ローンの審査期間の目安は?手続きの流れや長引かせないポイントを解説

監修者:植田 英三郎

住宅ローンはマイホーム購入を目的としているため、借入金額が大きく、返済期間が長めです。そのため、金融機関が融資を決定するまでにさまざまな要素を確認し、細かな審査を行います。

実際のところ、住宅ローンの審査はどのように進められ、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。

この記事では、住宅ローンの審査の流れや必要な期間、スムーズに手続きを進めるポイントなどをわかりやすく解説します。

住宅ローンの審査の流れ

住宅ローンは、契約後、長期間にわたってローンの返済が続くことになります。そのため金融機関は、契約者に安定して返済を続けられる能力があるか、「仮審査」と「本審査」の2段階の審査を経て慎重に判断します。

仮審査を通過しなければ本審査を受けられず、また本審査を通過しなければ契約には至りません。住宅ローンの申込み手続きにかかる期間を知るには、この2つの審査を中心に、流れを理解することが大切です。

それでは、住宅ローンの申込みから融資を受けるまでの基本的な流れを把握しておきましょう。

1 仮審査

通常、住宅ローンは購入する物件を決めた時点で申し込むのが一般的です。

万が一審査に通らなければ物件を購入するお金を用意できず、物件の売買に支障が出てしまいます。そこで、仮審査(事前審査)によって、融資できるかどうかを簡易的に判断するのです。

金融機関が仮審査でチェックするポイントは、契約者の返済能力や信用情報、借入金の担保となる購入物件の価値などです。

金融機関が用意する申込書に必要事項を入力のうえ、必要に応じて、運転免許証など契約者の本人確認書類や購入物件のパンフレットや見積書といった書類を提出します。
なお、仮審査の際に書類提出が不要な金融機関もあります。

2 本審査

仮審査を通過すれば、住宅ローンの正式な申込みを行うための本審査へと進みます。仮審査をクリアしても本審査を通過するとは限りませんが、この時点で不動産会社と物件の売買契約を交わすことが一般的です。

本審査は、仮審査よりもさらに細かな項目まで確認されるため、必要書類の数が増えます。本人確認書類のほか、会社員なら源泉徴収票や課税証明書、自営業者なら確定申告書や納税証明書といった収入の確認書類、売買契約書や重要事項説明書などといった物件の確認書類をそろえる必要があります。

3 契約と融資実行

本審査を通過すれば、住宅ローンを契約します。この段階で、住宅ローンの金利タイプ(変動金利や固定金利)や適用金利、借入額、返済期間なども正式に確定します。

住宅ローンの契約が無事に締結されると融資が実行され、不動産会社に対して物件の購入費用が支払われます。支払いと同時に住宅の引き渡しが行われ、マイホームを手にすることができます。また、購入物件に対する担保の設定も行われます。

住宅ローンの審査にかかる期間

住宅ローンは、2段階の審査をクリアしなければならず、それだけ時間がかかります。それでは、実際にどれくらいの期間が必要になるのか、先述の住宅ローンの審査の流れにもとづいて紹介します。

仮審査の期間は平均1~3日間

住宅ローンの仮審査にかかる期間は、平均して1~3日間、長くとも1週間ほどとされています。

ただし、年収に対する借入希望額が大きすぎる、ほかに返済中のローンがある、住宅の購入費用が高額であるといった事情から、判断に時間がかかり、審査期間が延びることもあります。

一方、最近はネット銀行を中心に、店頭を訪れることなく、オンラインで仮審査の手続きを完結できる金融機関が増えています。公式サイトに必要事項を記入するだけで、早ければ即日にも審査結果が通知されます。

本審査の期間はおおむね1~3週間

住宅ローンの契約に直結する本審査は、通常は1~2週間程度で結果がわかります。ただ、人によっては、3~4週間と長めにかかる場合もあるようです。

審査が長引く理由には、仮審査と同じように、返済能力の判断に時間がかかっている可能性も考えられます。

しかし、本審査の場合、公的な正式書類が多く、内容のチェックに時間がかかるという点があります。さらに、本店、支店と二重のチェックを行うなど慎重に対応する金融機関が多いこともあるでしょう。

審査後、契約と融資実行までにかかる時間は?

住宅ローン契約は、本審査をクリアしていればいつでも可能です。しかし、銀行の営業担当、不動産会社の担当などとスケジュールを調整する必要があることから、契約するまでにはおおむね1週間程度の時間をみておくと安心です。
なお、ネット銀行を中心に、住宅ローン契約までネットで完結できる金融機関もあります。そのような金融機関であれば、契約までの時間を短縮することができるでしょう。

契約を交わせば、契約で指定した日時で融資が実行されます。

金融機関によって住宅ローンの審査の期間は変わる?

住宅ローンは、仮審査と本審査、2つの審査をクリアしてから契約するというのは、ほぼすべての金融機関で共通しています。しかし、同じ手順を踏んでいたとしても、金融機関ごとに住宅ローンの審査期間には差が出ます。

ここでは、金融機関ごとに住宅ローンの審査期間に差が出る理由について、お伝えします。

メガバンクや地方銀行の審査期間

日ごろ、多くの方がメインバンクとして利用しているメガバンクや地方銀行ですが、ほとんどの銀行が住宅ローンの審査期間を公表していません。

住宅ローンの借入金に対して、保証会社に保証を依頼している銀行が多数です。保証会社は、契約者がローンの返済を続けるのがむずかしくなったときの保証を行う役割があります。そのため、本審査では、金融機関と一緒に契約者の審査を行うのが一般的で、金融機関だけでは審査にかかる期間を判断しづらいのです。

また、メガバンクでは本店と支店が協力しあい、審査内容を二重にチェックするなど丁寧な確認が行われる場合もあります。そうした場合にも、期間が長引きやすいと予想されます。

一般的には仮審査に3~4日、本審査に1~3週間と考えておくと良いでしょう。しかし、平日・来店時のみ手続き可能という時間の制約があることも考えて、余裕をもって1ヶ月から1ヶ月半ほど見ておいたほうが安心です。

ただし最近は、AI(人工知能)を使った仮審査やオンラインによる書類提出などを採用する銀行が増えており、時短に向けた動きが進んでいます。

ネット銀行の審査期間

少しずつ数を増やし始め、今や多くの方に利用されているネット銀行も、住宅ローンの契約先として人気です。

ネット銀行のメリットのひとつが、インターネット環境さえあればいつでも好きなタイミングで、住宅ローンの手続きを行えることです。仮審査は最短で翌日、本審査は1~2週間というスピーディな対応という例もあり、ネット銀行ならではの魅力でしょう。

ただし、ネット銀行によっては、必要書類のやりとりは郵送での対応としている銀行もあり、その場合には郵送にかかる時間を加味した審査時間になります。また、入力内容や書類の不備が起こっても気づきにくく、修正作業に手間取るうちに審査期間が長引く可能性もあります。

また、審査そのものはメガバンクや地方銀行と変わらないため、申込内容によっては、追加書類の提出を求められるなど同様の対応から、期間が延びることも考えられます。

住宅ローンの審査期間が長くなる理由

申込書や必要書類をきちんと提出したにもかかわらず、なかなか審査結果が通知されないとなると、マイホーム取得に向けて不安を感じてしまうでしょう。

そこで、住宅ローンの審査期間を長引かせやすい2つの理由を紹介します。

借入希望額が大きすぎる

住宅ローンの審査では、大きな金額を融資し、長期にわたって返済してもらう必要があるため、金融機関は申込人の返済能力を重視します。そのため、年収に対して借入希望額が大きすぎると判断されると、返済能力を疑問視され、審査期間が長引きます。

年収にもよりますが、返済負担率(手取り年収に占める年間のローン返済額の割合)を30~35%に抑えておくのが一つの目安となるでしょう。

完済時の年齢が高い

ほとんどの住宅ローンで、利用の前提条件として、借入時と完済時の年齢制限が80歳未満と提示されています。ここで気を付けたいのが完済時の年齢です。

70歳、80歳など金融機関ごとに条件は違いますが、いずれにせよ、一般的に仕事をリタイアした後の年齢で完済する予定で申込むと、安定した返済が最後までできるのか、金融機関の審査が慎重になります。

自己資金の割合を増やす、返済期間を短縮するなどして、完済時の年齢はできるだけ下げておいたほうがいいでしょう。

住宅ローンの審査をスムーズに進めるポイント

せっかくお気に入りの物件を見つけたなら、住宅ローンの審査にはあまり手間取りたくないものです。そこで、住宅ローンの審査を長引かせることなく、できるだけスムーズに進めるポイントを解説します。

提出書類の不備に注意する

審査をスムーズに進めるもっとも基本的なポイントが、提出書類の不備に注意することです。

必要書類に不足があれば、手配や郵送で数日はかかるでしょう。また記載した内容に不備があれば、書類の郵送に往復の時間がかかります。不備をなくすだけでも、審査期間はかなり短縮されるでしょう。

金融機関から追加書類の提出を求められることもありますが、書類の到着までは審査が一時停止するため、速やかに準備することが大切です。

また、提出書類については申込み前にあらかじめ確認し、早めに準備しておくとさらに手続きをスムーズに進められます。

繁忙期を避ける

不動産の売買には繁忙期があり、その時期には住宅ローンの申込みも増えます。審査件数が増えると、それだけ1件あたりの審査時間も長くなりやすくなります。

不動産が動くとされる時期は、新学期や転勤の多い4月を目前にした1~3月頃といわれています。

審査をスムーズに進めたいなら、繁忙期をできるだけ避けるのがおすすめです。

ネット銀行を選ぶ

低金利が話題のネット銀行ですが、審査期間を短く済ませられるのも大きな魅力です。

ネット銀行は、従来型の銀行よりも仮審査が短いものの、本審査にかかる期間はさほど変わらないといわれます。それでも実店舗に訪れることなく、オンラインで申込みや契約の手続きが可能なため、例えば書類の不備や追加提出があっても、郵送にかかる日数分を短縮できます。

最近はZoomなどを使ったオンライン相談を行うところも多く、非対面でも不安を解消して契約できます。

住宅ローンの審査期間は事前の対策と慎重な行動で短縮化!

住宅ローンの審査期間は、申込の内容や申込んだ方の信用情報、さらに金融機関ごとに異なります。売買契約に支障が出ないように、余裕をもって行動することが大切です。

また、審査をスムーズに進めるためには、あらかじめ必要書類を準備しておく、不備を出さないように注意するなど、基本的なポイントを押さえておきましょう。

監修者:植田 英三郎
顔写真:監修者:植田 英三郎

プロフィール:
家電メーカーに37年間勤務
2005年 大阪府立大学経済学部 MBA取得
2007年 CFP®取得
2013年 福祉住環境コーディネーター2級
2014年 ウエダFPオフィスを開業
2017年 日本FP協会 兵庫支部所属 兵庫支部 幹事
2022年 同副支部長
現在、ファイナンシャル・プランニングに関するネット記事継続執筆中、NPO法人やボランティア団体で高齢者支援や地域活動に関与

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