住宅購入にかかる諸費用(諸経費)を抑える方法
執筆者:中田真(ファイナンシャルプランナー)
2022年2月14日

住宅を購入する際には、新築・中古にかかわらず物件価格以外にさまざまな諸費用(諸経費)が必要となります。可能な限り、諸費用は低く抑えたいところです。今回は、住宅購入にかかる諸費用や、金額を低く抑える方法などについて解説します。
住宅購入の諸費用を抑える主なポイント
住宅購入の際の諸費用を低く抑える主なポイントについて確認します。
諸費用の少ない住宅ローンを選ぶ(事務手数料/保証料/団信保険料)
住宅ローンに関わる諸費用は金融機関によって大きく異なるため、比較しておきたいところです。
【事務手数料(融資事務手数料、事務取扱手数料など)】
住宅ローンの受付などの事務費用としてかかる手数料です。事務手数料の支払方法は、借入金額にかかわらず一定の金額である「定額型」と、借入金額に一定の割合をかけた金額である「定率型」があります。
【保証料】
住宅ローンの支払いが滞った場合に、代わりに支払ってくれる保証会社や信用保証協会を利用する際に必要な費用です。保証料の支払い方法は、借入時に一括で支払う方法と、毎月の返済額に組み込んで分割で支払う方法があります。
なお、保証料が不要となっている住宅ローン(フラット35や一部のネット銀行など)もあります。
【団信保険料(団体信用生命保険料)】
ローン契約者が死亡・高度障害になった場合、住宅ローンの残高を保険金で完済する団体信用生命保険の保険料です。保険料は、ローン契約者が保険料として支払うのではなく、金利に上乗せされているケースが一般的です。また、金融機関が保険料を負担してくれるケースもあります。
仲介会社を介さずに物件を購入する
不動産仲介会社(宅地建物取引業者)と媒介契約を結んで住宅(主に中古住宅など)を売買する場合、不動産仲介会社(宅地建物取引業者)に支払う仲介手数料が発生します。一方、売主が直接売り出している物件(売主物件・不動産の売り手から直接購入する)であれば、仲介手数料は必要ありません。ただし、新築の建売住宅であっても取引態様が(売主ではなく)媒介・仲介となっている物件については、仲介手数料が発生します。
火災保険や地震保険の保険料を節約
火災保険や地震保険の保険料を抑える主な方法は、以下の通りです。
- 不要な補償(必要のない補償)を外す
- 保険会社の保険料をインターネットなどで比較して選択する
- 契約期間を長くする
引越し費用を抑える
引越し費用を抑える主な方法は、以下の通りです。
- 複数の引越し業者に見積もりを依頼する
- 引越し時期を調整する
- 引越し前に不用品を処分する
- 引越し日時を指定しない
- 自分で荷造りをする
住宅ローン借換えなどにも諸費用が必要
住宅ローンの借換えや繰上げ返済をおこなう場合、手数料などの諸費用がかかる場合があります。金融機関によって金額や条件などは異なりますので、住宅ローンの契約前に確認しておくとよいでしょう。
不動産の購入時や所有に関する税金(諸費用)にも注意が必要
不動産の購入時や所有に関する税金についても、諸費用として考慮する必要があります。不動産の購入時や所有に関する主な税金を確認します。なお、以下に記載の税金はすべて2022年1月1日現在のものになります。
【印紙税】
取引金額に応じた印紙税を売買契約書に貼付する方法で支払います。例えば、取引金額が1千万円超・5千万円以下の印紙税の税額は、2万円(軽減税率適用時は1万円)となります。
【登録免許税】
住宅購入時や住宅ローン借入時などの登記手続きの際に納付する税金です。登録免許税の税率は、登記の種類などにより異なります。例えば、中古建物の住宅用家屋所有権移転登記の税率は2.0%(軽減税率適用の要件を満たした場合は0.3%)となり、登録免許税の税額は固定資産税評価額×適用税率で計算されます。
【不動産取得税】
新築・中古住宅を問わず、不動産を取得した際に納付する税金です。例えば、建物(住宅)の場合の税率は4%(軽減税率適用の要件を満たした場合は3%)となり、不動産取得税の税額は、固定資産税評価額×適用税率で計算されます。
【固定資産税】
毎年1月1日の時点で不動産を所有している場合に納付する税金です。固定資産税の税額は、市町村が定める固定資産税評価額(3年に1度、評価額の見直しがあります)から算出されます。
住宅購入にかかる諸費用は節約できる
住宅購入にかかる諸費用を抑えるポイントを理解することで、節約できる可能性があります。また、諸費用は、現金での支払いが一般的ですので、あらかじめ準備しておくことが大切です。住宅購入の際は、諸費用を含めた資金計画を考えましょう。