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団信(団体信用生命保険)とは?話題の特約付きプランの内容も解説!

執筆者:佐藤名ゝ美(ファイナンシャルコーチ)

2020年12月10日

「人生で最も大きな買い物」とも言われるマイホーム。取得の際には、多くの方が高額かつ長期の借入れとなる「住宅ローン」を利用することでしょう。

住宅ローンの返済中には、子どもの教育費負担や老後の生活資金作りも同時に行う必要があります。「無事に返済していけるだろうか」といった不安は、大なり小なり誰もが抱くものです。入念な計画を立て、購入を決断しても「健康に働き続けられなくなってしまったら」という別の不安も浮かびます。そんな万一の事態で大きな支えとなるのが「団信」です。詳しく見ていきましょう。

団信とは

「団信」とは、正式名称を「団体信用生命保険」といいます。ローン返済中に債務者(借りた人)が死亡などした場合に、残債相当の保険金が支払われます。保険金でローンを完済することで、以降の返済が不要になるというものです。

金融機関は、住宅ローンを貸出すにあたって、どんなことがあっても間違いなく債権を回収できるよう、さまざまな備えを講じています。まず住宅ローンを申込むと、年収やその他の借入金の有無、資産の保有状況などを尋ねられます。これは「債務者にきちんと返済できる能力が備わっているか」を査定するためです。また、「過去にローンやクレジットなどで返済遅滞や滞納などがなかったか」といった信用情報の確認も必ず行われます。

さらに、万一、返済不能状態に陥った場合に備え、土地・建物に対して抵当権(債務不履行となった場合に物件を売却した代金で優先的に弁済を受ける権利)を設定することも融資条件の一つとなります。

このように、金融機関は融資した資金をきちんと回収できるよう幾重にも対策を講じます。しかし、万一債務者がローン返済中に亡くなってしまえば、資金の回収は難しくなってしまいます。団信は、そんな万一の事態に備えた保険と言えるでしょう。

もともとは金融機関の債権保全システムであり、融資を受ける条件でもある団信ですが、融資を受ける側にとっても「万が一の場合に、以降のローン返済の心配をしなくていい」というのは大きな安心です。一家の大黒柱が亡くなるという非常事態にあっても、それまでと同じ住まいで安心して生活を続けられることは、ご家族の不安も軽減されます。この団信があることで、マイホームが生命保険になると言っても過言ではありません。

団信の主な種類

昨今、団信は大きな進化を遂げており、債務者が死亡した場合のみならず、大病を患った場合にもローン返済をサポートしてくれるなど、より手厚い保障も登場しています。さらに、病気やケガで療養した際に住宅ローンの返済や治療費をサポートしてくれるものまであります。

団信商品の選択肢や保障の内容、またコスト負担については、金融機関・住宅ローン商品によって異なりますので、詳細については個別に確認する必要があります。
ここでは、auじぶん銀行取り扱いの団信を例に解説します。

≪一般団信≫

いわゆる通常の団信です。主債務者が死亡・所定の高度障害状態となった場合、また「余命6ヶ月以内」と診断された場合に保険金が支払われます。保険金は住宅ローンの残高相当額が支払われ、残債と相殺されることをもって住宅ローンを完済します。この保障を受けるための保険料相当額は金融機関が負担してくれますので、債務者側に負担はありません。

≪ワイド団信≫

団信加入の際も、一般生命保険と同じく健康状態を告知、一定条件をクリアしなければなりません。原則として、団信への加入は融資を受けるための絶対条件(フラット35を除く)ですので、健康状態を理由に団信加入を断られてしまうと、住宅ローンの借り入れ自体できなくなってしまいます。

そんな方にも、加入できる可能性を広げてくれるのが「ワイド団信」です。一般団信と比べて健康状態の厳しい方でも加入しやすいよう生命保険の引受基準を緩く設定したものです(すべての方が加入できる訳ではありません)。

ワイド団信に加入する際は、金利に0.3%(数字は金融機関により異なる)の上乗せが必要です。給付内容については、一般団信との違いはありません。

≪がん保障団信≫

その名の通り、債務者の死亡・高度障害状態の保障に加えて、「がんと診断された場合」にも保険金が支払われる団信です。auじぶん銀行の団信では、「がん50%保障団信」「がん100%保障団信」の2つから保障を選択できます。

「がん保障団信」では、債務者ががんと診断された場合に、ローン残高の50%または100%が保険金として支払われます。このとき、就労不能状態であるかどうかは問われませんので、治療を受けながら働き続けられる場合でも、住宅ローン残高は半額、またはゼロとなります。

また、がんに限らずすべての病気(精神障害を除く)やケガで入院が連続(暦の上の日付が連続した入院)31日以上となった場合にも、毎回の返済額(月々・ボーナスとも)相当の給付を受けられます。以降、継続(一旦退院した場合も、引き続き治療を行うために前回退院日の翌日からその日を含めて180日以内に開始した入院は継続しているものと数えます)入院30日毎に同様の給付を受けられ、入院日数が継続180日以上となった場合には、住宅ローン残高相当額の保険金が支払われることで、以降の返済は不要となります。この入院保障部分については、「がん50%保障団信」も半額ではなく、全額が保障されます。

「がん保障団信」に加入できるのは満50歳までの方です。コスト負担については「がん50%保障団信」では特にありませんが、「がん100%保障団信」の場合は金利に0.2%の上乗せが必要となります。

≪11疾病保障団信≫

死亡・所定の高度障害、がんに加え、10種類の生活習慣病に対する保障も付いた団信です。対象となる10種類の生活習慣病とは、①糖尿病②高血圧性疾患③腎疾患④肝疾患⑤慢性膵炎⑥脳血管疾患⑦心疾患⑧大動脈瘤および解離⑨上皮内新生物(がん保障団信では対象外)⑩皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がん(がん保障団信では対象外)です。

「死亡または高度障害状態になったとき」「がんと診断されたとき」「10種類の生活習慣病による入院が継続して180日以上となったとき」のいずれかに該当すると、その時点の住宅ローン残高相当額の保険金が支払われ、以降の返済は不要となります。

また、所定の状態に該当した場合、一時金が給付される特約が付帯されています。残債分とは別に、治療費に充てられる現金が給付されることになります。金額は、がんと診断された場合に100万円(1回限り)、上皮内がん・皮膚がんと診断された場合に50万円(いずれか1回限り)、病気やケガ(精神障害を除く)で連続5日以上入院した場合に10万円(12回まで)、がんの先進医療を受けた場合に1回あたり500万円までの技術料(実費相当額/通算1,000万円まで)です。

「11疾病保障団信」に加入できるのは満50歳までの方です。コスト負担については、金利に0.3%の上乗せが必要となります。

【ご参考】団信の種類と保障内容・コスト等の比較

一般団信 ワイド団信 がん50%保障団信 がん100%保障団信 11疾病保障団信
死亡・所定の高度障害 残債の100%
余命6ヶ月
がん診断 なし 残債の50% 残債の100% 残債の100%+100万円
上皮内がん・皮膚がん診断 なし 50万円
がん先進医療 なし 1回500万円までの技術料(通算1,000万円まで)
連続5日以上の入院 なし 10万円/回(12回まで)
連続31日以上の入院 なし 毎回返済額相当(以降30日毎に同様の給付) なし
継続180日以上の入院 なし 残債の100% 10種類の生活習慣病による場合のみ残債の100%
コスト負担 なし 金利上乗せ0.3% なし 金利上乗せ0.2% 金利上乗せ0.3%
加入年齢 なし 満50歳まで

生命保険サービスとの違い

団信は、個人で加入する生命保険商品とどのような違いがあるのでしょうか。まずは、その名の通り「団体契約である」という点が最大の特徴です。これは、一定数以上の集団が契約者となる契約形態で、職場の福利厚生制度などでも目にする形です。団信においては、金融機関が契約者となり、ローン債務者を「被保険者(保障の対象となる人)とする集団」として契約を行っています。

そして最も大きな違いは、保険金が支払われる事態となった場合の「受取人」です。一般の生命保険では、契約者が指定した死亡保険金受取人(原則として親族)が保険金を請求、その方の固有の財産として受取人本人に支払われます。一方、団信は債権者である金融機関を保険金受取人とする契約となります。保険金請求を行うと、保険会社は保険金を借入先の金融機関へ直接支払います。これをもって住宅ローンは完済、債務は終了することになります。

先にお話しした通り、団信の保険料については金融機関が負担するのが原則ですが、オプションに対する負担として債務者が支払う金利上乗せ分の差額(実質的な保険料相当分)については一般の生命保険とは異なり、所得税・住民税における生命保険料控除の対象とはなりません。

引受保険会社について

団信においても一般の生命保険契約同様、保障を引き受けるのは生命保険会社です。団信で保障される内容は保険会社によって異なる部分もありますので、住宅ローンを選ぶ際は団信の引受保険会社と保障の内容もチェックしましょう。

引受保険会社とは?

引受保険会社とは、文字通り団信の保険契約を引き受ける生命保険会社です。住宅ローンを貸し出す金融機関は、引受会社と保険契約を結ぶことで、各種保障を提供できる仕組みです。

団信市場では、個人保険でもおなじみの生命保険会社の数々が団信引受会社として事業展開しています。なかには、複数の保険会社が共同で保障を引き受ける「共同引受」という形態もあります。加えて、主な事業を団信に特化して営業展開している保険会社もあります。これら特化型の引受会社は、「特定疾病に対する保障」「病気やケガによる入院の保障」「ワイド団信」など、団信の新しい保障分野を牽引している会社でもあります。死亡・高度障害だけではない幅広い保障を希望する方はぜひ注目してみてください。
その際、もしかしたら「聞いたことのない保険会社だな」と感じて不安になられる方もいらっしゃるかもしれません。が、日本で事業を行う保険会社は、漏れなく金融庁の監督下にあります。万一保険会社が破綻した際にも引き続き保険契約が履行されるため、すべての保険会社が「生命保険契約者保護機構」に加入しています。どうぞ安心して選んでください。

引受保険会社の選び方(チェックすべきポイント)

最後に、団信特化型の引受保険会社が独自に提供しているユニークな特典である「付帯サービス」をご紹介しましょう。
付帯サービスの内容は、住宅ローン商品や団信引受会社によって異なりますが、あったら安心・便利なものがいろいろ。主なものをご紹介します。

≪24時間電話健康サービス≫

日々の健康管理から緊急時の対応、育児や介護にまつわる健康相談を24時間365日電話で受けてもらえます。例えば、旅行先など土地勘のない場所で急な病気に見舞われても、近くの病院を紹介してもらえるなどのサービスも大きな魅力です。

≪セカンドオピニオンサービス≫

セカンドオピニオンとは、「より良い医療を選択するため、主治医以外の医師に治療方針などについて意見を聞くこと」です。特に重篤な病気で治療を受ける際には、経験値の高い専門医の支援を受けたいものですよね。このような場合に、病状に応じて優秀専門医を紹介してくれるサービスが付帯されているものもあります。

≪住宅のトラブル対応など≫

水回りのトラブルや鍵の紛失など、住まいに関する様々な困り事に対応してくれるものや、家事代行サービスが受けられるものなどもあります。

住宅ローンを借りている方の強い味方である団信。住宅ローン選びの際はローン金利や融資手数料だけでなく、団信の保障内容や付帯サービスについても十分に吟味し、ご自身に合った住宅ローンを選びましょう。

ライター:佐藤名ゝ美
顔写真:ライター:佐藤名ゝ美

肩書:ファイナンシャルコーチ

プロフィール:
一度きりの人生を豊かに送るために、お金と仲良く付き合う方法を発信。家計管理・マイホーム取得・保障設計・資産形成・金銭教育・終活…など、様々なテーマで個別相談やセミナー、執筆に携わる。2001年より、熊本日日新聞社発行の生活情報紙すぱいす(週刊)にて、マネー情報の連載を担当。現在、『“お金のプロ”がズバリ!家計簿チェック』『知りたい!お金の話』を連載中。