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<FPが解説>住宅ローン控除を受けるために必要な確定申告 条件や方法について

執筆者:中田 真(ファイナンシャルプランナー)

2020年5月27日

マイホームの購入などで住宅ローンを利用した場合、一定の要件を満たすことで「住宅ローン控除」という税額控除の適用を受けることができます。住宅ローン控除の適用を受けることで、納めた税金の一部が還付される(戻ってくる)のですが、住宅ローン控除の適用を受けるためには、購入した住居に入居した年の翌年に確定申告をする必要があります。今回は、住宅ローン控除を受けるための確定申告方法について、解説します。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは「住宅借入金等特別控除」と呼ばれる制度の通称となります。

住宅ローン控除では、個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築や取得または増改築等をした場合で、一定の要件を満たすときは、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1.0%が10年間に渡り所得税から控除されます。所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されることになります。

住宅ローン控除で控除された(納付する税金から差し引かれた)金額が還付されることから、減税に近いイメージということになります。

また、住宅ローン等を利用しない場合であっても、個人が既存住宅について一定の要件を満たす場合も、それぞれの控除の適用を受けることができます(以下は一例)。

  • 住宅耐震改修(住宅特定改修特別税額控除)
  • バリアフリー改修工事や省エネ改修工事など(住宅特定改修特別税額控除)
  • 認定住宅の新築等(認定住宅新築等特別税額控除)

控除が適用される条件

住宅ローン控除が適用される主な条件について、確認してみましょう。

【住宅ローン控除が適用される主な条件】

  • 1 住宅を取得してから6ヶ月以内に居住し、住宅ローン控除の適用を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいる
  • 2 住宅ローン控除の適用を受ける年の合計所得金額が、3,000万円以下である
  • 3 取得した住宅の床面積が50平方メートル以上で、2分の1以上は居住するために使用する部分である
  • 4 住宅ローンの返済期間が10年以上である

また、中古住宅の場合は、以下の要件を満たす必要があります。

  • 5 建築後に使用された中古住宅である
  • 6 次のいずれかに該当する住宅である
    • 建築日から取得日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の場合は25年)以下の住宅
    • 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準、または、耐震基準に適合する住宅
    • 平成26年4月1日以後に取得した、①、②のいずれにも該当しない耐震改修が必要な住宅で、取得日までに耐震改修することを申請し、居住する日までに耐震基準に適合することが証明された住宅(例外あり)

住宅ローン控除の上限は年40万円、住宅ローン年末残高の上限は4,000万円までですが、対象となる住宅が「認定長期優良住宅」や「低炭素建築物」に該当する場合は、住宅ローン控除の上限は年50万円、住宅ローン年末残高の上限は5,000万円までとなっています。
なお、認定長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための耐震性やバリアフリー性能、省エネルギー性能などの基準を満たした、所管行政庁等で認定する住宅のことになります。

【消費税率引上げ対策として控除期間を拡充】

住宅ローン控除の控除期間は10年間ですが、消費税率10.0%が適用される住宅を取得し、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した場合には、控除期間が3年間(10年間→13年間)延長されます。

【住宅ローン控除額の計算例】※1年目~10年目

住宅ローン控除額の算出方法は「住宅ローン年末残高×控除率1.0%」となりますので、住宅ローン年末残高が3,000万円の場合は、3,000万円×1.0%=30万円が住宅ローン控除額(控除可能上限額)ということになります。
ただし、住宅ローン控除額(控除可能上限額)が30万円であっても、納付する所得税が10万円の場合は、控除される金額は10万円となります。また、所得税から控除しきれない場合に住民税から控除される上限額は、年13万6,500円までとなります。

  • 11年目~13年目の住宅ローン控除額の算出方法は①「住宅ローン年末残高×控除率1.0%」もしくは②「(住宅取得等対価の額-消費税額〔上限5,000万円〕)×2%÷3」のいずれか少ない額となります

住宅ローン控除を受けるための確定申告の基本

住宅ローン控除の確定申告時期は、購入した住居に入居した年の、翌年1月1日から3月15日までの間です(一般申告は、2月16日から3月15日まで)。確定申告をする方法は、以下の通りです。

  • 必要書類を直接税務署へ提出
  • 郵送での提出
  • 国税庁のWEBサイト上で申告書を作成して送信

2年目以降について、給与所得者(会社員やパートなど)は、住宅ローン控除の1年目に確定申告を行うと、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除を受けることができます。年末調整を行う時に、税務署から送付される「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」(金融機関発行の残高証明書を添付)を勤務先に提出します。一方、自営業の方は、毎年申告をする必要があります。

確定申告するまでの流れ

給与所得者(会社員やパートなど)を例に、確定申告までの流れを確認してみましょう。

まず、住宅取得・入居後に必要書類を準備します。書類は以下の通りです。

  • 住宅ローンの残高証明書(金融機関より)
  • 源泉徴収票(勤務先より)
  • 売買契約書の写し
  • 登記事項証明書

確定申告書を作成し、確定申告時期に確定申告を行います。確定申告後、約1ヶ月後に指定した口座に所得税還付金が振り込まれます。

確定申告に必要な書類

確定申告に必要な書類について見ていきましょう。

  • 確定申告書(A・B)
    入手方法:税務署、国税庁のWEBサイトで印字も可能
    • Aは給与所得者など(会社員やパートなど)、Bは所得の種類に関わらず誰でも利用可
  • (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
    入手方法:税務署、国税庁のWEBサイトで印字も可能
  • マイナンバーが記載されている本人確認書類
    入手方法:市区町村の窓口
  • 建物/土地の登記事項証明書
    入手方法:法務局
  • 建物/土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
  • 源泉徴収票
    入手方法:勤務先
  • 住宅ローンの残高証明書
    入手方法:住宅ローンを借入した金融機関

(一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合)

  • 耐震基準適合証明書又は住宅性能評価書の写し
    入手方法:契約した不動産会社

(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合)

  • 認定通知書の写し
    入手方法:契約した不動産会社

住宅ローン控除の適用要件はあらかじめ確認を

今回解説してきたように、住宅ローン控除の適用を受けることで、納めた税金の一部が還付されます。ただし、住宅ローン控除の適用を受けるためには、一定の要件を満たすだけでなく、購入した住居に入居した年の翌年に確定申告をする必要があります。また、2年目以降は、給与所得者(会社員やパートなど)であれば、年末調整で住宅ローン控除を受けることができますが、自営業の方は毎年申告をする必要があります。

住宅ローン控除の適用を受けるための確定申告では、必要な書類が複数ありますので、事前に準備して確実に適用を受けられるようにしましょう。住宅ローン控除を活用するためには、住宅購入前から、住宅ローン控除の適用を受けるための要件などを知っておくとよいでしょう。

ライター:中田 真
顔写真:ライター:中田 真

プロフィール:
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。