2023/10/17
住宅ローンの仮審査と本審査の流れは?通過するためのポイントも解説
監修者:新井 智美

住宅ローンの審査は、金融機関ごとに多少の違いはありますが、仮審査から本審査へ進む流れはおおむね決まっています。
本記事では、住宅ローン審査の流れと通過するために知っておくべきポイントを解説します。
住宅ローン契約にあたってのおおまかな流れ
細かなルールは異なるものの、どの金融機関でも住宅ローンの契約までのおおまかな流れは同じです。
1. 仮審査申込み
2. 仮審査
3. 本審査申込み
4. 本審査
購入するマイホームを決定した時点で行うのが、住宅ローンの仮審査申込みです。申込内容の仮審査が行われ無事に承認されると本審査申込み、本審査の流れで進みます。
本審査は仮審査よりもさらに詳しく申込み内容を確認されるため、仮審査に比べて時間がかかる傾向があります。
無事に本審査を通過すれば、住宅ローンの融資が決定します。金融機関に借入金の返済用口座を開設してから住宅ローンを契約し、融資が実行されます。
このように、住宅ローンは申込みから融資までに、仮審査と本審査の2段階の審査を通過しなければなりません。マイホームの購入で住宅ローンの利用を検討している場合は、審査についてあらかじめ理解しておくと安心して手続きを進められます。
住宅ローンの仮審査の流れ
住宅ローンの仮審査とは、融資を決定する本審査の前に実施される簡易的な審査です。近年はウェブサイト経由での手続きが主流です。ウェブサイト経由でのネット手続きの場合、金融機関から求められる情報を入力するだけで24時間いつでも仮審査の申込みが可能です。
仮審査の申込みは物件を決めたタイミングで行われるのが一般的で、審査に通らなければ物件の売買契約に進めません。不備なくスムーズに手続きを進めるために、事前に申込みにあたっての必要事項を確認しましょう。
仮審査の目的
住宅ローンで仮審査を行う目的は、住宅ローンを借りる条件を満たしているかの事前確認です。
不動産の売買契約を結んだ後に住宅ローンの審査に落ちると資金の目途が立たず、住宅ローンの契約者はもちろん、不動産会社や住宅メーカーなど関係者が損害を被ります。
仮審査の通過は融資の実行を約束するものではありませんが、住宅ローンを組む一定の基準を満たしていることの証明になります。
また仮審査を通過するタイミングで団体信用生命保険(団信)の申込みを行う金融機関もあります。団体信用生命保険にも審査があるため、早めに手続きを進めましょう。
仮審査で確認される要項
住宅ローンの申込者が仮審査で確認される事項はさまざまで、金融機関によっても異なります。ただし、一般的には以下のような内容の提示を求められます。
- 勤務先:会社名や会社の所在地、資本金などの勤務先に関する情報
- 年収、雇用形態、勤続年数
- 生年月日
- 家族:同居する家族の生年月日や年齢などの情報
- 対象物件:所在地や建物構造、面積など購入予定の物件に関する情報
- 資金計画:対象物件の購入費用や諸費用、借入希望額と準備する自己資金
- 利用中のローン:申込む住宅ローン以外に契約中のローンがあれば、借入先や借入金額などの情報
その他、ペアローンや収入合算で住宅ローンを利用予定の場合は、連帯保証人に関する情報が必要です。住宅ローンの借換えの場合、現在契約中の住宅ローンの残高証明書や償還予定表を用意しましょう。
このように、仮審査ではローンの対象となる購入物件、申込者の職業や収入などが確認されます。
仮審査で求められる書類
最近の仮審査はウェブサイト上の決められたフォーマットに記入する自己申告が一般的で、書類の提出を求められないケースもあります。
ただし金融機関によっては、本人確認書類、源泉徴収票や課税証明書などの提出を求められる場合があります。住宅ローンを申込む予定が決まった後に、必要書類を確認しましょう。
仮審査にかかる日数
仮審査は、本審査を受ける前の簡易的な審査であるため、申込み当日から数日、長くても1週間程度で結果がわかるケースが多いです。
ウェブサイトで申込むと、登録したEメールや住宅ローン専用のマイページで結果を確認するのが一般的です。
住宅ローンの本審査の流れ
仮審査の内容が承認されると、いよいよ住宅ローンの本審査申込みに進みます。仮審査の結果は通常、「承認された日から180日」のように一定の有効期間が定められているため、この期間内に本審査申込みを行ってください。
融資に直結する重要な審査であるため、本審査ではさまざまな書類の提出を求められます。ただし、書類の提出をウェブサイトで完結できるシステムを採用している金融機関もあり、多忙な方はネットで手続きが進められる金融機関を選択するのも良いでしょう。
仮審査に通っても本審査に必ず通るとは限らないため、必要書類の提出や提出期限を守り、本審査の手続きを不備なく進めることが大切です。
本審査の目的
住宅ローンは、何千万円もの借入金を何年にもわたって返済するのが一般的です。契約者の返済が滞るリスクを回避するために、仮審査よりも具体的に借入希望額に対する返済能力が確認されます。
本審査で確認される要項
仮審査では自己申告を基本とした本人や物件の情報を見られていましたが、本審査では提出書類の情報が判断材料となります。審査する側は申込者の返済能力と担保としての物件の価値を確認し、それぞれが借入希望額や返済プランからかけ離れていないかを判断する点にご注意ください。
本審査で求められる書類
住宅ローンの本審査で求められる書類には、主に次の3種類があります。ウェブサイトによる本審査申込みを受付ける金融機関では、一部の書類を除き、いずれもファイルのアップロードもしくはFAXで必要書類を提出できます。
本人確認書類 |
世帯全員の住民票の写し、運転免許証またはパスポート、健康保険証など |
---|---|
収入関連書類 |
直近の源泉徴収票(給与所得者)、直近の住民税決定通知書または課税証明書、直近3年分の確定申告書一式(個人事業主)など |
物件関連書類 |
売買契約書全ページ、重要事項説明書全ページ、間取り図(パンフレットやチラシなど)、建築確認済証など |
例えば、住民票の写しは発行から3ヶ月以内のもの、売買契約書は印紙が貼付されて割印されているものなど、受付けられる書類に条件が定められています。
スムーズに手続きを進められるよう、事前に確認し、準備しておきしょう。
本審査にかかる日数
本審査は多くの書類を確認するため、仮審査に比べると時間がかかります。
金融機関や申込内容により異なりますが、必要書類を提出後7~14日で結果が通知されるケースが多いようです。
住宅ローンの審査を受けるときのポイント
マイホームの購入で利用する住宅ローンは、何度も利用するものではないため、ほとんどの方にとって申込みも審査もはじめての経験となるでしょう。
知らなかったと審査後に後悔しないために、住宅ローンの審査を受けるときのポイントを3つお伝えします。
仮審査は複数受けられる
住宅ローンの仮審査は、1つに絞らず、複数の金融機関に申込めます。
金融機関の設ける審査基準はさまざまなので、例え複数の金融機関に同じ条件で申込んでも、ある銀行の審査に通っても別の銀行の審査は落ちる場合があります。
複数の金融機関に申込んで、仮審査の時点で、融資を引き受けてくれる金融機関と出会うチャンスを広げましょう。
書類は早めに手配する
本審査では、提出した書類が審査対象となります。必要書類がそろってから審査が始まるため、審査が滞らないように書類は早めに手配しましょう。
例えば、手元に直近の源泉徴収票が見当たらない場合はご自身が勤めている会社に用意をお願いするなど、申込者によって必要な対応は異なります。
また、ファイルをアップロードしてウェブサイト経由で書類を提出する場合は、ファイルに欠損がないように気をつけましょう。
提出した書類に不備があれば、金融機関から再提出を求められます。ファイルのアップロードであれば直ちに対応できますが、郵送の場合は往復で数日はかかります。書類が揃うまでは再び審査は止まるため、まずは不備のない書類の提出を目標にしましょう。
誤りなく申告する
前述の通り、仮審査は自己申告ベース、本審査は書類ベースで審査を行う金融機関が多数です。仮審査の自己申告時の内容について、本審査の提出書類で内容を突合し、不一致があった際は内容の確認などに時間を要す可能性があります。
仮審査時点で正しい情報を申告するようにしましょう。
住宅ローン申込み前に流れを把握して、スムーズに審査を進めよう
住宅ローンは、申込み後に仮審査と本審査を通過して契約に至るという流れが一般的です。同時にマイホームの売買契約も進めなければならないため、住宅ローンはいかに審査をスムーズに進めるかが重要です。
最近では、申込みから仮審査と本審査、契約までをすべて専用のウェブサイトで完結できる金融機関もあります。いつでも手の空いた時間を使えるため、住宅ローンの選択ではこうした便利なシステムにも注目しましょう。