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【初心者必見】投資信託における信託報酬とは?

執筆者:中田 真(ファイナンシャルプランナー)

2022年3月2日

投資信託を保有した場合、信託報酬という費用が発生します。今回は、信託報酬の概要や料率に差が出る理由について解説します。

目次

信託報酬とは

信託報酬とは、投資信託を保有している間、投資信託の管理・運用経費として支払う費用のことです。投資信託の種類によって信託報酬は異なりますが、アクティブファンド(運用のプロフェッショナルであるファンドマネージャーなどが運用)よりも、インデックスファンド(指数への連動を目指す運用)の方が低い傾向にあります。

信託報酬の料率に差が出る理由

信託報酬の料率に差が出る主な理由の1つに、投資信託に組み入れられている株式の運用方法である「アクティブ運用」「パッシブ運用(インデックス運用)」の違いがあります。

【アクティブ運用】
指数を上回ることを目的として運用します。運用のプロフェッショナルであるファンドマネージャーなどが情報収集や調査・分析、売買などを積極的に行います。結果、パッシブ運用(インデックス運用)と比較して、信託報酬は高い傾向にあります。

【パッシブ運用(インデックス運用)】
指数に連動することを目的として運用します。情報収集や調査・分析などにかかるコストや、銘柄の入れ替え(頻度が少ない)にかかる費用などが低く抑えられるため、アクティブ運用と比較して、信託報酬は低い傾向にあります。

信託報酬が高い場合、運用成果による差とは

信託報酬によって運用成果にどれだけの違いがあるのか、以下の条件でシミュレーションしてみます。

・シミュレーション条件
投資金額100万円、想定利回り年4%、信託報酬が年0.3%と年1.0%の投資信託について、10年後、20年後、30年後の信託報酬を差し引いた運用成果を比較する

【シミュレーション結果(※1)】

10年後 20年後 30年後
信託報酬0.3%

143万円

206万円

297万円

信託報酬1.0%

134万円

180万円

242万円

差分

9万円

26万円

55万円

  • ※1シミュレーション結果の数値(金額)や差し引く信託報酬額、運用利回り(複利計算)はいずれも概算であり、手数料や税金なども考慮していません。よって、実際の数値(金額)とは異なります。

シミュレーション結果から、信託報酬のわずかな違いが、時間の経過とともに運用成果に大きく影響することが分かります。特に投資信託で長期投資を考える場合は、運用利回りだけでなく、信託報酬も重要なポイントとなります。

信託報酬が低い投資信託を選ぶべき?

信託報酬の違いによって運用成果が異なるのであれば、信託報酬が低い投資信託を選んだ方がよいのでしょうか。
一般的に、アクティブファンドよりもインデックスファンドの方が信託報酬は低い傾向にあります。しかし、アクティブファンドは指数を上回ることを目的として運用されますので、インデックスファンドより大きな利回りが期待できます。信託報酬が低い投資信託を選んだ方がよいとは限らず、自分の投資目的や手数料などを考慮した最終的な利回りなどから判断するとよいでしょう。
ただし、同じ指数に連動するインデックスファンドであれば、信託報酬が低いインデックスファンドを選んだ方がよいといえます。

信託報酬は投資信託の選択において重要

信託報酬は投資信託を保有している間、投資信託の管理・運用経費として支払います。よって、時間の経過とともに運用成果に大きく影響してきます。
ただし、信託報酬が低い投資信託だからよいということではありません。自分の投資目的や利回り、投資信託にかかる費用なども考慮し、投資信託を選択することをおすすめします。

  • 投資にはリスクがあります。お取引前に必ずこちらをご確認ください。
ライター:中田 真
顔写真:ライター:中田 真

プロフィール:
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/日本FP協会 くらしとお金のFP相談室 相談員(2020年)/日本学生支援機構認定 スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月認定)/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンでしたが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、生活に身近なお金・終活・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。

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