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【初心者必見】株式の現物取引とは?信用取引との違いについて解説

執筆者:中田 真(ファイナンシャルプランナー)

2022年3月2日

株式を売買する手段の一つである現物取引とは、どのような取引なのでしょうか。今回は、株式の現物取引の概要や信用取引との違いなどについて解説します。

目次

現物取引とは

現物取引とは、株式と現金(売買代金)を受け渡すことで行われる通常の取引のことです。株式の現物取引では、現金(自己資金のみ)で株式を購入し、保有している株式(現物)のみを売却できます。

信用取引との違い

信用取引と現物取引の主な違いについて確認します。

・取引方法

信用取引では、証券会社に一定の現金(委託保証金)や保有している株式などを担保として預けることで、証券会社からお金や株式を借りて売買を行います。よって、手持ちの資金(現金)が少ない場合でも取引できます。

また、現物取引では株式を購入してから売却する取引(購入から始まる取引)のみとなりますが、信用取引では株式を売却してから購入する取引(売却から始まる取引)を選択することもできます。

・取引にかかる費用

現物取引では売買手数料(委託手数料)のみとなりますが、信用取引では売買手数料(委託手数料)に加えて以下の費用が必要となります(証券会社等によって異なります)。

【信用取引で必要な主な費用】
・金利
株式を購入するために借りたお金に対して発生する金利で、購入から取引をスタート(買建)した場合に必要となります。

・貸株料
証券会社から借りた株式に対して発生する株式のレンタル料で、売却から取引をスタート(売建)した場合に必要となります。

・名義書換料
権利付き最終売買日と権利落ち日をまたいで保有した場合に発生する権利処理手数料。購入から取引をスタート(買建)した場合に必要となります。

・品貸料(逆日歩)
証券会社に資金や株式を貸す会社(証券金融会社)の株が不足した場合に、機関投資家などから株式を借りるときの調達料(レンタル料)のこと。売却から取引をスタート(売建)した場合に必要となります。品貸料は逆日歩(ぎゃくひぶ)ともいわれています。

なお、一般信用取引(後述参照)の場合、品貸料は発生しません。

・信用管理費(事務管理料)
信用取引に関する事務手数料のことで、購入から取引をスタート(買建)した場合だけでなく、売却から取引をスタート(売建)した場合も必要となります。

・取引を終了するまでの期間

現物取引では、取引を終了するまで(株式を購入してから売却するまで)の期間に制限はありません。一方、信用取引では取引を終了するまでの期間に制限があり、信用取引方法によって異なります。

・制度信用取引
証券取引所の規則によって、売買できる銘柄や金利などのルールが一律に決められた取引のこと。取引を終了(返済)するまでの期間は、最長6ヶ月間となっています。

・一般信用取引
売買できる銘柄や金利などのルールを、証券会社が顧客との合意に基づき、自由に決められる取引のこと。取引を終了(返済)するまでの期間についても、証券会社によって異なります(制度信用取引よりも長期間取引できる証券会社もあります)。

・取引できる銘柄

現物取引では、ほぼすべての銘柄で取引が可能です。一方、信用取引では、取引できる銘柄に制限があり、信用取引方法によって異なります。

・制度信用取引
証券取引所が制度信用銘柄として指定した銘柄のみ、取引が可能となります。制度信用取引が可能な銘柄は「信用銘柄」、その中で売却から取引がスタート(売建)できる銘柄は「貸借銘柄」といわれています。

・一般信用取引
証券会社が、一般信用銘柄として指定した銘柄が取引可能となります。

現物株式のメリット・デメリット

現物株式の主なメリット・デメリットについて確認します。

・メリット

【値上がり益を得られる】
購入時より株価が値上がりしたタイミングで売却すれば値上がり益を得られます。ただし、逆に株価が値下がりしたタイミングで売却すると値下がり損を被ります。

【配当金を受取れる】
企業が得た利益の一部を株主に分配する(還元する)配当金を受取れます。

【株主優待が受けられる】
製品や商品券などを受取れる株主優待を受けられます。

【株主総会の議決権を得られる】
株主総会に参加して、企業のトップの考え方を聞くことができます。経営に対して質問や意見するなど、企業の経営に参加することもできます。

【投資金額以上の損失は発生しない】
現物取引では、手持ちの資金以上の取引や保有していない株式の売却はできませんので、投資金額以上の損失は発生しません。一方、信用取引では、証券会社から投資資金や株式を借りて取引を行うため、手持ちの資金以上の大きな損失が発生する可能性があります。

・デメリット

【手持ちの資金以上の取引ができない】
現物取引では、手持ちの資金以上の取引や保有していない株式の売却はできません。よって、得られる利益も手持ちの資金の範囲に限定されます。一方、信用取引では、証券会社から投資資金や株式を借りて取引するため、手持ちの資金以上の大きな利益を得られる可能性があります。

【下落局面では売却益が得られない】
現物取引では、株式を購入してから売却する取引(購入から始まる取引)のみとなるため、株価が上昇局面(株式を安く購入して高く売却する)でなければ、売却益を得られません。一方、信用取引では、株式を売却してから購入する取引(売却から始まる取引)を選択することもできるため、株価が下落局面でも利益を得られます。

自分の投資スタイルや目的に合った取引方法を選択する

株式投資を行う場合は、現物取引と信用取引の違いやメリット・デメリットを正しく理解しましょう。自分の投資スタイルや目的に合った取引方法を選択することが重要です。

  • 投資にはリスクがあります。お取引前に必ずこちらをご確認ください。
ライター:中田 真
顔写真:ライター:中田 真

プロフィール:
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/日本FP協会 くらしとお金のFP相談室 相談員(2020年)/日本学生支援機構認定 スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月認定)/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンでしたが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、生活に身近なお金・終活・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。

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