【初心者必見】株式投資の配当金の仕組みと受取方法について
執筆者:中田 真(ファイナンシャルプランナー)
2022年3月2日
株式投資で得られる利益の一つに、配当金があります。今回は、株式に投資をすることで受取れる配当金について、仕組みや受取方法などを解説します。
目次
株式投資の配当金とは
株式投資の配当金とは、企業が得た利益の一部を株主に分配する(還元する)お金のこと。「権利確定日」の2営業日前、「権利付き最終日」までに株を保有していれば、株主名簿に記録されて、保有株数に応じた配当金を受取れます。
ただし、配当金は企業の判断で分配されるため、必ず受取れるとは限りません。企業に利益があっても分配されないケースや、利益がない場合でも分配されるケースもあります。
配当金はいつもらえる?
剰余金の配当と中間配当について、配当金が受取れる時期を確認しましょう。
・剰余金の配当
剰余金の配当とは、一般的に決算によって確定する財務状況を踏まえ、株主総会の承認を得て分配される配当(期末配当)のことです。例えば、3月末決算の企業の場合、一般的に決算月の2~3ヶ月後に受取れます。
・中間配当
中間配当とは、一事業年度中の決算期以外(期末配当とは別)に株主に分配される配当のこと。例えば、3月末決算の企業の場合、9月に中間配当を行うケースがほとんどです。そのほか、四半期配当(3月、6月、9月、12月など)を行う企業もあります。
なお、剰余金の配当と中間配当の時期は企業によって異なります。
配当金の受取方法
配当金の受取方法について解説します。
・配当金自動受取サービス(株式数比例配分方式)
各証券会社に預けている株数に応じ、配当金を各証券口座で受取る方法です。
例えば、A社の株式を800株保有(B証券会社に500株、C証券会社に300株)している場合、B証券会社に500株分、C証券会社に300株分の配当金が、それぞれの証券口座に入金されます。なお、NISA口座やジュニアNISA口座で保有する株式の配当金を非課税で受取る場合は、株式数比例配分方式を選択する必要があります。
・登録配当金受領口座方式
保有するすべての株式の配当金を、指定した一つの銀行口座で受取る方法です。一般的に、振込先口座は証券会社に届出している銀行などの預金口座となります。
・配当金領収書(郵送)受領方式(従来方式)
発行会社から郵送される配当金領収証を、ゆうちょ銀行や郵便局などの金融機関に持参し、配当金を受取る方法です。
・個別銘柄指定方式
登録配当金受領口座方式とは異なり、保有する銘柄ごとに指定した金融機関で配当金を受取る方法です。
配当金の計算方法
配当金の利回りや配当性向について確認します。
・配当利回り
配当利回りとは、株価に対して1年間に受取る配当金の金額の割合を示す指標です。
・配当利回りの計算式
配当利回り(%)= 1株当たりの年間配当金の合計額 ÷ 株価 × 100
・配当性向
配当性向とは、その期の純利益(税引後の当期純利益)から、どのくらい配当金を支払っているか(配当金として株主にどのくらい還元しているのか)の割合を示す指標です。
・配当性向の計算式
配当性向(%)= 1株当たりの配当金の金額 ÷ 1株当たりの当期純利益 × 100
銘柄を配当金で選ぶ際の主なポイント(注意点)
銘柄を配当金で選ぶ際の主なポイントについて確認します。
【配当金は必ず受取れるとは限らない】
前述の通り、配当金は企業の判断で分配されますので、必ず受取れるとは限りません。今まで配当金を分配していた企業であっても、業績悪化などにより配当金が減少したり、配当金を分配しないこともあります。企業の業績や動向などに注意が必要です。
【配当性向の高低だけでは判断できない】
配当性向が低いからといって、投資先の企業として適していないとは限りません。企業が株主への配当ではなく、企業が成長するためのたくわえ(内部留保)をしている場合もあるからです。このようなケースでは、配当性向は低くなる傾向にあります。
【権利付き最終日を確認する】
配当金を受取るには、「権利確定日」の2営業日前、「権利付き最終日」までに株を保有している必要があります。銘柄ごとに権利付き最終日は異なるため、注意が必要です。
配当金の仕組みや受取方法を正しく理解する
配当金は株式投資で得られる重要な利益の一つですが、仕組みや受取方法を正しく理解していなければ期待している利益が得られない可能性もあります。配当金の仕組みや受取方法を正しく理解したうえで、株式投資の銘柄を選択するとよいでしょう。
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