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【初心者必見】FXを始めよう!勉強方法や手順について解説

執筆者:中田 真(ファイナンシャルプランナー)

2022年2月1日

「FX(外国為替証拠金取引)を始めてみたいけれど、勉強する方法がわからない」という方は多いのではないでしょうか。今回は、FX初心者の勉強方法や進め方について解説します。

FXを始める前に勉強すること

FXを始める前には、「FXで利益が得られる仕組み」という最低限の基礎知識を身につける必要があります。FXを始めたい方のほとんどは、「多くの利益を得たい」と考えているでしょう。しかし、そもそもの仕組みがわからなければ、多くの利益は得られないどころか、多くの損失が出る恐れがあります。

FXとは、ある国の通貨と別の国の通貨の為替レート(通貨を交換するレート)の変動で利益を得る投資方法です。FXで得られる利益には、ある国の通貨と別の国の通貨を交換することで得られる「為替差益」と、ある国の通貨と別の国の通貨の金利差によって得られる「スワップポイント」の2種類があります。

【為替差益】
ある国の通貨と別の国の通貨を交換することで得られる利益です。例えば、為替レートが1ドル100円のときに、100円を1ドルに交換(1ドルを100円で買う)し、為替レートが1ドル120円になったときに、1ドルを120円に交換(1ドルを120円で売る)します。結果、最初の100円と120円の差額である20円が為替差益となります。
一方、為替レートが1ドル120円のときに、120円を1ドルに交換(1ドルを120円で買う)し、為替レートが1ドル100円になったときに、1ドルを100円に交換(1ドルを100円で売る)します。結果、最初の120円と100円の差額である20円が為替差損となります。

【スワップポイント】
ある国の通貨と別の国の通貨の金利差によって得られる利益です。例えば、日本円のような超低金利の通貨を売り、トルコや南アフリカのような新興国など金利水準の高い通貨を買います。金利水準の高い通貨を保有している間は、2カ国間の金利差であるスワップポイントを得られます。金利水準が高い新興国通貨は相場変動リスクが高いため注意する必要があります。
反対に、日本円を買い、金利水準の高い通貨を売った場合はスワップポイントの支払が発生します。

FXを始める前に勉強しておくべき専門用語

FXを始める前に勉強しておきたい主な専門用語をご紹介します。

【円高/円安】
円高は(別の国の通貨に対して)円の価値が高い状態、円安は(別の国の通貨に対して)円の価値が低い状態となります。例えば、為替レートが1ドル100円から1ドル90円になれば「円高」、為替レートが1ドル100円から1ドル110円になれば「円安」となります。

【スプレッド】
ある国の通貨と別の国の通貨を交換(売買)する場合、通貨を売る時の値段と通貨を買う時の値段には差があります。その差をスプレッドといいます。FXでは通貨の交換(売買)毎にスプレッドを支払う必要があり、一般的にスプレッドが狭い方が利益も増えます。

【レバレッジ】
手元の資金(取引証拠金)より大きな金額の取引(個人の場合:最大25倍)ができる仕組みです。例えば、手元の資金が1万円の場合で10倍のレバレッジをかけることで、10万円分の取引を行うことができます。

レバレッジをかけることで手元の資金よりも大きな金額での取引が可能となり、大きな利益が期待できます。一方、損失も大きくなりますので、レバレッジの利用には注意が必要です。

FXのテクニカル分析で使われる主な指標

テクニカル分析とは、チャート(値動きなどをグラフにしたもの)で表した過去の値動きから今後の為替動向を予想するものです。FXのテクニカル分析で使われる主な指標について確認します。

【移動平均線】
一定期間(主に5、25、75、200日が使用されている)の終値の平均値を結んだ線のことです。基本的に移動平均線が上向き(右肩上がり)なら上昇トレンド、下向き(右肩下がり)なら下降トレンドです。線の角度が急であるほど、強いトレンドだと判断されます。

一般的に、短期移動平均線が中長期移動平均線を下から上へ突き抜ける(ゴールデンクロス)と、買いのシグナルです。一方、短期移動平均線が中長期移動平均線を上から下へ突き抜ける(デッドクロス)と、売りのシグナルとなります。

【RSI(Relative Strength Index)】
一定期間の値動きの変動幅から、買われ過ぎや売られ過ぎを数値で判断するテクニカル指標です。基本的に変動幅は0~100%の数値によって表示され、一般的に70%以上となれば買われすぎ、30%以下となれば売られすぎだと判断されます。RSIは通貨別、もしくは時期によって特徴が出ます。その通貨の過去の傾向を把握しておくことが必要です。

【ボリンジャーバンド】
相場の変動性を一定期間のデータから測定し、今後の価格変動範囲を統計学に基づいて分析するテクニカル指標です。ボリンジャーバンドは、σ(シグマ)という標準偏差で計算し、±2σ、±1σの線で構成されますが、±3σの線を加える場合もあります。

【MACD(Moving Average Convergence Divergence)】
移動平均線を活用したテクニカル指標で、売買タイミングなどを読み取ることができます。一般的にMACDでは、短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用して買いと売りのタイミングを判断します。

FXの基本的な注文方法

【成行注文】
成行注文は、値段(レート)を指定しないで注文する方法です。成行注文をしたときの値段に対し、即座に注文が成立するという特徴があります。

例えば、円-米ドルのFX取引において、米ドル買いの成行注文をしたときの値段が1ドル100円であっても、注文が成立した値段が1ドル105円であれば、米ドル買いの成行注文は1ドル105円で成立します。一方、米ドル売りの成行注文をしたときの値段が1ドル105円であっても、注文が成立した値段が1ドル100円であれば、米ドル売りの成行注文は1ドル100円で成立します。

成行注文は、注文後すぐに売買が成立するというメリットがあります。しかし、売買の値段を指定できないため、想定していない値段で売買注文が成立してしまう可能性もあることがデメリットといえるでしょう。

【指値注文】
指値注文は、値段(レート)を自分で指定して注文する方法です。自分で指定した値段にならなければ、絶対に注文が成立しないという特徴があります。

例えば、円-米ドルのFX取引において、米ドル買いを1ドル110円に指定して指値注文した場合、1ドル110円以下にならなければ注文は成立しません。一方、米ドル売りを1ドル110円に指定して指値注文をしたときは、1ドル110円以上にならなければ注文は成立しないことになります。

指値注文は、指定した値段以下(または以上)にならないと約定できない注文方法ですが、成行注文のように、思った以上に高い値段で買ってしまったり、安い値段で売ってしまったりする危険性を避けることができます。しかし、自分で指定した値段にならないと売買注文が成立しないため、売買のチャンスを逃してしまう可能性もあります。

【逆指値注文】
逆指値注文は、自分で指定した値段以上になれば買い、値段以下になれば売りの成行注文をする方法です。

例えば、円-米ドルのFX取引において、現時点の米ドルの値段が1ドル100円のときに米ドル買いを1ドル110円に指定して逆指値注文をしたとします。この場合、米ドルの値段が1ドル120円に急変した場合でも、逆指値注文で指定した1ドル110円で注文が成立します。一方、現時点の米ドルの値段が1ドル120円のときに、米ドル売りを1ドル110円に指定して逆指値注文をしたとします。注文後、米ドルの値段が1ドル100円に急変した場合でも、逆指値注文で指定した1ドル110円で注文が成立することになります。

逆指値注文は、為替相場が上昇トレンドのときには相場の流れに乗ることで買い時を逃しません。また、下降トレンドのときには損失拡大の回避や利益が確保できるなど、為替相場の急激な変動にも対応できるメリットがあります。一方、指値注文とは違い、現時点よりも不利な値段で注文が成立するデメリットもあります。

FXを勉強する手順

1.FXに関する基礎知識を覚える
FXで利益が得られる仕組みや専門用語、基本的な注文方法など、FX投資に必要な基礎知識を覚えます。

2.FXチャートの見方を覚える
FXチャートは、値動きなどをグラフ(縦軸を価格・横軸を時間)にしたもの。一定期間の始値、終値、高値、安値を表すローソク足で表現されます。

3.分析方法を覚える
主な分析方法として、過去のチャートを分析して値動きを予測する「テクニカル分析」や、各国の経済動向などを分析して値動きを予測する「ファンダメンタルズ分析」があります。

効率的に勉強するコツ

FXを始める前に、FXを取扱う一部の金融機関などで提供しているデモトレードを利用する方法があります。デモトレードでは、実際の資金を使わずにバーチャルでFXを体験できます。よって、大きな損失を出すことなく、FXに関する基礎知識を勉強できるでしょう。

FXの勉強に終わりはない

FXに関する基礎知識やFXチャートの見方、分析方法を覚えたとしても、必ず利益が得られるわけではありません。しかし、利益を得るための勝率を上げられる可能性はあります。

また、デモトレードを含む実際の取引を長期的に継続することで、取引のルールや相場の感覚を学べます。取引を長期的に継続するためにも、少額から始めることをおすすめします。

FXは元本保証されたものではなく、投資金額を超える損失を被る可能性があります。お取引の前に必ずこちらをご確認ください。

ライター:中田 真
顔写真:ライター:中田 真

プロフィール:
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/日本FP協会 くらしとお金のFP相談室 相談員(2020年)/日本学生支援機構認定 スカラシップ・アドバイザー(平成29年10月認定)/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンでしたが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、生活に身近なお金・終活・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。

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