2024/03/25
銀行系カードローンは本当に低金利なのか|特徴やメリット・デメリットを解説
執筆者:滝口誠(たきぐちまこと)
銀行系カードローンは、使い道が原則自由なためさまざまな理由で広く利用されています。銀行が扱っているという安心感があり、消費者金融や信販会社のカードローンよりも低金利といわれているため、銀行系カードローンを検討している人は多いでしょう。
そこで、今回は銀行系カードローンの金利を中心に特徴やメリットなどについて解説します。
■低金利のカードローンとは?
数多くあるカードローンの中から1つを選ぶ際、「金利」は重要なポイントです。低金利のカードローンとは、一般的に借入金額に対して利用者の金利負担が少ないタイプのローンを指します。銀行は、いくつかの要素を組み合わせて低金利を実現しています。
●銀行系カードローンが低金利である理由
銀行系カードローンが低金利である理由は、以下のとおりです。
1.銀行の信頼性と安定性
一般的に銀行の経営は安定しており、信頼性が高い金融機関です。そのため、銀行系カードローンは低金利で提供されることが多い傾向にあります。
2.大規模な顧客基盤とリスク管理
銀行は大規模な顧客基盤を持ち、リスク管理体制も整っています。これにより、貸し倒れのリスクを抑えながら、低金利を実現しています。
3.保証会社の保証によるリスク軽減
銀行系カードローンの中には、「保証会社の保証を受けられる方」を借入条件の一つとしている場合があります。保証会社とはカードローンの利用者が返済不能になったときに、代わりにその資金を返済してくれる会社のことです。銀行は保証会社によって回収不能のリスクに備えることができるため、低金利でカードローンを提供できるようになります。
銀行系カードローンが低金利である理由は、これらの要素が組み合わさっているからです。そのため、消費者にとって銀行系カードローンは金利負担が比較的軽い選択肢となっています。
■カードローンの金利はどうやって決まる?
カードローンでお金を借りる際、金利は非常に重要です。では、提示される金利はどのようにして決まるのでしょうか。
カードローンの金利は、申込者の信用力や返済能力などによって変わります。ここでは、金利が決まる仕組みについて解説します。
●表示されている上限金利と下限金利の意味
カードローンの金利は、一般的に「年0.98~17.5%」のように下限金利と上限金利の範囲で表現されます。
契約時に適用される金利は、申込者の信用力や借入額、返済期間などを考慮し、下限金利と上限金利の範囲内で決定されます。
カードローンによっては、「実質年率」という言葉とともに金利が記載されている場合もあります。実質年率とは手数料や保険料などの諸経費が含まれた実質的な金利のことで、消費者金融など貸金業法に基づいて営業している会社のカードローンは、実質年率の表示が法律で義務付けられています。
●適用される金利は審査を受けないとわからない
下限金利と上限金利の2つが記載されたカードローンを見ると、下限金利が適用されることを期待するでしょう。
しかし、適用される金利は申込者それぞれの信用情報や収入状況、他社からの借入状況などを総合的に判断されて決定します。つまり、審査を受けないと適用される金利はわからないのです。
■カードローンの種類と特徴
カードローンは銀行や消費者金融、信用金庫、信販会社など、多様な金融機関から提供されています。
それぞれのカードローンには、それを発行している金融機関特有の特徴やメリットがあります。そのため、カードローンの種類と特徴を理解し、カードローンに期待するサービスや自分の返済能力に合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは、3種類のカードローンの特徴について解説します。
●銀行系カードローン
銀行系カードローンは、銀行が提供するローンの一種です。一般的に、これらは消費者金融や信販系に比べて金利が低く、また返済プランの柔軟性や利用限度額の拡大など、利用者にとって有益な条件が揃っています。
また、銀行の持つ信頼性や安定性から、利用者にとっては安心感があるといえるでしょう。
●消費者金融系カードローン
消費者金融系カードローンは、貸金業法に基づいて融資活動を行う金融機関が提供するカードローンです。消費者金融系のカードローンは銀行系に比べて金利が高めですが、比較的柔軟な審査基準とスピーディーに審査が完了する傾向があります。
初回利用時に利息が一定期間無料となるサービスを提供しているところも多く、短期での借入であれば利息を気にする必要がありません。
●信販系カードローン
信販系カードローンは、クレジットカード会社が提供するローンの一種です。
クレジットカードにも、現金を借りられるキャッシング機能が備わっているものがあります。しかし、キャッシング枠はショッピング枠の一部として設定されるため、クレジットカードの利用状況によってはキャッシング枠の上限まで借りられない場合があります。
キャッシュレス化が進む現在では、85%以上の人がクレジットカードを1枚以上保有しています。いつも利用しているクレジットカード会社がカードローンを提供しているなら、利用を検討してみるのもよいでしょう。
■銀行系カードローンを選ぶ際のポイント
銀行系カードローンは、大手やネット銀行など全国展開している銀行であれば、日本中どこからでも申込めます。また、地元に密着した地方銀行でもカードローンを提供しているため、どれを選べばよいか迷うかもしれません。
そこで、銀行系カードローンを選ぶ際の3つのポイントを紹介します。
①設定されている上限金利
低金利といわれる銀行系カードローンですが、設定されている金利は銀行によって異なります。しかし、上限金利は利息制限法に基づき、借入金額に応じて設定されています。
利息制限法で設定されている上限金利は、以下のとおりです。
借入金額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 |
年20.0% |
10万円以上100万円未満 |
年18.0% |
100万円以上 |
年15.0% |
借入金額が大きくなるにつれて、上限金利は低くなります。しかし、借入金額(借入限度額)は申込者の返済能力や他社借入状況によって決定されるので、借入金額を増やすことで上限金利を下げる方法は現実的ではありません。
まずは、公式サイトなどに記載されている上限金利を確認して、設定されている上限金利が低いところを選ぶのがよいでしょう。
②審査・融資までの時間
銀行系カードローンを利用する際は、審査から融資までにかかる時間も重要です。
一般的に、銀行系カードローンの審査は厳しく、審査に時間がかかるといわれています。
しかし、最近では即日融資も可能とする銀行系カードローンも登場しています。
申込む際には、緊急度に応じて急な借入れにも対応可能かどうかもチェックしましょう。
③ポイント・特典などはあるか
一部の銀行系カードローンでは、ポイントや特典などの付帯サービスが提供されることがあります。
無利息サービスも、ポイントを付与することで「実質0円」と謳うサービスもあります。また、普段利用しているサービスによって金利が優遇されたり、特典を受けられたりすることもあります。
付帯サービスの内容も確認した上で、利用するカードローンを決めましょう。
■まとめ
銀行系カードローンは、多くの人にとって魅力的な選択肢といえます。銀行系カードローンの低金利は、銀行の信頼性やリスク管理体制によるものです。一方で、銀行系カードローンには「審査が厳しい」「融資まで時間がかかる」といったデメリットもあります。
利用を検討する際は、金利や返済条件だけでなく、付帯サービスや利便性も考慮することをおすすめします。