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2023/12/22

カードローンの審査ポイントを簡単まとめ|見られる点や通る可能性を上げる方法

執筆者:滝口誠(たきぐちまこと)

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カードローンの審査基準は、金融機関によって異なり一般的にその内容は公表されていません。しかし各金融機関で共通してチェックされている項目があり、この共通のチェック項目をあらかじめ押さえておくことで、審査に通る可能性を高めることが可能です。本記事では、このようなチェック項目を含めたカードローンの審査ポイントについて簡単に解説します。

■カードローンの審査が必ず行われる理由

カードローンの審査が必ず行われる理由として、主に次の3つがあります。

  • 申込者の返済能力を確認するため
  • 法律で義務付けられているため
  • 総量規制に抵触しないか確認するため (※)
  • 総量規制とは、お金の借りすぎから消費者を守るためのルールです。総量規制の対象は消費者金融などの貸金業のみですが、銀行も原則として総量規制に準じた自主規制を行っています。

●申込者の返済能力を確認するため

審査が行われる大きな目的の一つとして「申込者の返済能力を確認すること」があります。金融機関側にとっては、貸したお金が確実に返済されることが最も重要です。

一般的に銀行の場合、カードローンなどの貸付するお金は、もともと預金者から集めたお金が原資となります。そのため返済が滞ると預金者に迷惑をかけることになりかねません。このような事態を避けるためにも、申込者の返済能力をしっかりと確認する必要があるわけです。

●法律で義務付けられているため

金融機関と一口にいっても銀行や消費者金融などさまざまです。遵守しなければならない法律は、金融機関によって異なります。しかしお金を貸す場合は、どの法律でも審査が義務付けられています。例えば銀行では銀行法第1条で「預金者保護」「銀行業務の健全かつ適切な運営」が求められているほか、第13条の3の2で、「顧客の利益保護のために体制を整備しなければならない」とされています。

銀行で貸したお金が返ってこなければ「預金者に迷惑がかかる=顧客の利益の保護ができない」ということになるため、それを避けなければなりません。また消費者金融は、貸金業法の第13条で「返済能力の調査を必ずしなければいけない」ということになっています。そのため貸したお金が必ず返済されるかについて確認する必要があるのです。

●総量規制に抵触しないか確認するため

消費者金融などの貸金業者は、申込みが総量規制に抵触しないかを確認する必要があります。総量規制とは、過度な貸付を防ぐ目的で申込者の年収の3分の1までしか貸してはいけないという規制です。すでにほかのカードローンやキャッシングを利用しており、年収の3分の1を超える借入残高がある場合は、それ以上貸付することができません。

そのため審査時に、他社で借入れがないかを確認します。なお総量規制に含まれる借入れは、消費者金融とクレジットカードのキャッシングです。銀行や信用金庫などの銀行系カードローンは、総量規制の対象外となります。ただ過度な貸付を防ぐために独自の審査を行っている点は押さえておきましょう。

■カードローンの審査でチェックされる項目

カードローンの審査でチェックされる主な項目は、以下の3つです。

  • 個人情報
  • 勤務先に関する情報
  • 個人信用情報に記録されている内容

●個人情報

個人情報で確認されることは、家族構成や住宅の有無、年齢、年収などです。例えば家族構成では、配偶者の有無や本人含めて何人家族なのかを金融機関が把握することで、おおよその生活費を計算し、現在の年収と比べて返済に無理がないかについてチェックしています。住宅の有無は、賃貸なのか持ち家なのか、持ち家の場合は住宅ローンの有無や居住年数の確認といった具合です。

また、申込条件や年齢の確認も行います。

●勤務先に関する情報

勤務先に関する情報は、金融機関に返済可能かどうかの判断をするうえで重要な項目の一つです。勤務先に偽りがないか、職種などが審査されます。場合によっては、勤務先確認のため電話で在籍確認が実施されることがあるため、注意が必要です。消費者金融では「原則電話による在籍確認は行わない」としているところもありますが、銀行などでは電話による在籍確認をするところもあります。

●個人信用情報に記録されている内容

個人信用情報に記録されている内容もチェックします。個人信用情報とは、個人信用情報機関が保有するこれまでのクレジットカードやローンなどの契約や取引に関連した情報のことです。個人信用情報機関に延滞や金融事故(自己破産や債務整理など)が記録されていると、審査に通過するのが難しくなります。

そのほか申込時の借入残高が申告と食い違っていないか、勤務先などに偽りはないか、繰り返しカードローンに申込みしていないかなども個人信用情報で確認します。

■カードローン審査の流れを紹介

カードローン審査の流れは、銀行系か消費者金融かによって若干の違いがあるとされています。

  • 銀行系

申込み→銀行で個人信用情報や申込書類などの確認を行い審査(※)→保証会社に審査依頼→カードローン発行

  • 保証会社で個人情報や申込書類の確認を行う場合もあります。
  • 消費者金融

申込み→個人信用情報で仮審査→申込書類の内容確認で本審査→カードローン発行

●審査に必要な書類

審査に必要な書類は、本人確認資料と収入を証明する資料です。本人確認資料は、犯罪収益移転防止法の定めにより対面取引か非対面取引かで必要書類の数が変わってきます。

対面取引(窓口での取引)

〇写真付き書類の場合(以下の書類1点)

  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 個人番号カード(マイナンバーカード)(「通知カード」不可)
  • パスポート ※住所表示のあるもの など
  • 上記のほか、氏名、住居、生年月日の記載があり、官公庁から発行された書類等で顔写真があるもの

〇写真なし書類の場合(以下①および②の書類1点ずつ)

  • 各種健康保険証
  • 国民年金手帳
  • 母子健康手帳
  • 取引を行う事業者との取引に使用している印鑑にかかる印鑑登録証明書 など

  • ①以外の印鑑登録証明書、戸籍の附票の写し、住民票の写し・住民票記載事項証明書
  • 上記のほか、氏名、住居、生年月日の記載があり、官公庁から発行された書類等の通知カード以外で顔写真のないもの
非対面取引(インターネットや郵送での取引)

上記書類の写しまたは現物を2点

なお個人番号(マイナンバー)が記載された書類を利用する場合は、個人番号(マイナンバー)部分が見えないように加工したうえで提出することが必要です。また健康保険証については、QRコードや保険番号を見えないように加工したうえで提出することをおすすめします。収入証明として次の2点に当てはまるときは、源泉徴収票や給与明細書の提出が求められるため、あらかじめ準備しておきましょう。

  • 借入希望額(消費者金融の場合は50万円以上)が金融機関所定金額以上であるとき
  • 18歳からの申込みができる金融機関で18歳以上20歳未満のとき

■カードローンの審査に落ちやすいケースとは?

カードローンの審査に落ちやすいケースの代表的なものは、次の4つです。

  • 他社の返済を延滞している
  • すでに複数社で借入れしている
  • 個人信用情報に事故情報が記録されている
  • 継続・安定した収入がない仕事をしている

●他社の返済を延滞している

申込者が他社のカードローン返済を延滞している場合、金融機関には「新しく契約したカードローンも返済されない可能性がある」というリスクがあるため、審査に通過することが難しくなります。他社のカードローンだけでなく、クレジットカードや携帯電話の料金、住宅ローンなど毎月返済しなければいけないものを延滞している場合も新たなカードローンの審査通過は難しくなるため、注意が必要です。

●すでに複数社で借入れしている

すでに複数社で借入れしている場合は、毎月の返済で家計が圧迫されている可能性があります。そうなると返済がますます困難になる恐れがあると判断され、新たなカードローンの審査通過は難しくなるでしょう。

●個人信用情報に事故情報が記録されている

個人信用情報に事故情報が記録されている場合、新たなカードローン審査の通過はできません。特に自己破産や債務整理などの金融事故の場合は、一般的に発生後10年間は新たな借入れが難しいといえます。

●継続・安定した収入がない仕事をしている

継続・安定した収入がない仕事をしていると、「毎月の返済が滞ってしまう可能性がある」と判断され審査に通過することが難しくなるでしょう。継続・安定した収入がない仕事の代表として、日雇い労働やフリーランスなどが挙げられます。いくら高額な収入を得ていても継続・安定した収入がない仕事の場合は、審査に通過するのが難しい傾向です。

■カードローン審査をスムーズに進めてもらうポイント

カードローン審査をスムーズに進めてもらうためには、いくつかのポイントがあります。代表的な3つのポイントは、次の通りです。

  • 希望借入額はできるだけ少額にする
  • 複数社への無計画な申込みをしない
  • 借入れを整理する

●希望借入額はきるだけ少額にする

希望借入額をできるだけ少額にして申込みすることで、審査に通過できる可能性が高くなります。ただし。返済能力に見合った希望額にしなければ審査には通過しません。仮に審査に通過しても借入限度額は減額される可能性があり、場合によっては必要な金額が借りられないこともありえます。

借入限度額は、継続して延滞なく利用・返済していくことで信用力が上がり、増額してもらえる可能性が出てくるため、必要最小限の希望借入額で申込みしましょう。なお消費者金融やクレジットカードのキャッシングの場合は増額ができたとしても、総量規制の範囲内(年収の3分の1まで)の限度額になります。

●複数社への無計画な申込みをしない

どうしてもカードローンを利用したいからといって、複数社への無計画な申込みは厳禁です。審査に通過するか不安でも1社ずつ確実に申込みましょう。複数のカードローンに申込みをすると、借りすぎの状態になる恐れがあると判断され、審査に通過することが難しくなります。

またカードローンを申込みすると個人信用情報に申込情報が登録され、金融機関に情報が共有される点も忘れてはいけません。さらに複数社への申込みは、申込時点で総量規制オーバーになったり、返済が困難と判断されたりする可能性もあるため、注意が必要です。

●借入れを整理する

申込前に借入れを整理しておくことは、審査通過のためのテクニックの一つです。少額の借入れなら事前に完済させて、既存の借入額を少なくしておくと審査に通過する確率が上がります。また複数のカードローンを利用している場合は、できる限り借入れしているカードローンの件数を減らすことが大切です。

例えばAとBのカードローンを利用していて、Aカードローンの空き枠でBカードローンが完済できる場合は、1社にまとめることをおすすめします。

■まとめ

カードローン審査で重要なポイントは「返済が可能か」です。ほかにも勤務先に間違いがないか、収入に問題がないか、既存のカードローンの返済で生活が圧迫されていないかなどが確認されます。審査のポイントをしっかりと押さえたうえでカードローンの申込みを行いましょう。

執筆者:滝口 誠

プロフィール:
金融機関に20年超に渡って勤続。カードローン、住宅ローンの販売から審査のほか、法人融資の審査も経験。また、金融機関内部プログラマーとしても、カードローンの担当となった経験があり、システム開発も行った。現在はWEBディレクターとして、様々なメディアのサポート。

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