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2023/12/20

貯金できない人が貯金する方法とは|すぐに実践できるポイントを徹底解説

執筆者:馬場愛梨(ファイナンシャル・プランナー)

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「なかなかお金が貯まらない」「貯金が苦手」と悩んでいる人は少なくありません。「貯金できない人」から「貯金できる人」に変わるためには、何が必要なのでしょうか。

この記事では、貯金できる人とできない人の違いや、できるようになるために今すぐ実践すべきポイントについて解説します。ちょっとした心がけや簡単な行動だけでも変われるため、ぜひできそうなことから取り入れてみてください。

■貯金できる人とできない人の違い

まずは、貯金できる人とできない人の違いについて解説します。

※ちなみに
「貯金」と「預金」の違いはお金を預ける金融機関の違いです。大きく下記2つに分けることができます。本記事ではどちらの場合も「貯金」という言葉を使って説明します。

  • 貯金:ゆうちょ銀行、JAバンク、JFマリンバンクなどにお金を預ける場合
  • 預金:銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫などにお金を預ける場合

●貯金できる人の特徴

貯金できる人や、貯金が得意な人の特徴としては、次のような点が挙げられます。

  • 計画性がある
  • お金を使う基準が明確
  • 自分が何にいくら使っているか、将来いくら必要になりそうかを把握している
  • お金に関する知識量が多く、さまざまな工夫を実践している

貯金できる人は、自分が何にどのようにお金を使うと幸せになれるかについて知っていて、見栄や流行など他人に左右されない使い方をする傾向があります。お金に詳しく計画性もあるため「老後に収入が減るときに備えて今から少しずつ用意しておこう」といった行動を取ることが可能です。

●貯金できない人の特徴

逆に貯金できない人や貯金が苦手な人は、以下のような特徴が考えられます。

  • 衝動買いや無駄遣いが多い
  • 見栄や流行を気にする
  • 貯める理由や目的が希薄
  • 自分が何にいくら使っているか、将来いくら必要になるか見当がつかない
  • 「まぁいいか」「なんとかなる」と考える楽観的な性格
  • 収入が少なくて日々の生活で精一杯

なかには「収入が少ないから貯められない」という人もいるかもしれません。ちなみに金融広報中央委員会の調査によれば、年収別の金融資産保有額は以下のとおりです。

年間収入 金融資産保有額の
平均値
金融資産保有額の
中央値

収入なし

260万円

0万円

300万円未満

650万円

50万円

300~500万円未満

974万円

300万円

500~750万円未満

1,319万円

500万円

750~1,000万円未満

1,873万円

967万円

1,000~1,200万円未満

2,687万円

1,063万円

1,200万円以上

3,595万円

1,800万円

(出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年別ウィンドウで開きます」表4をもとに作成)

全体としては、高収入な人ほど金融資産が多い傾向です。ただ、この調査結果を詳しく見てみると収入が低くてもしっかりと貯金できている人もいれば、高収入なのに貯金がない人もいることがわかります。

■「貯金が苦手」を克服するために今すぐすべきこと

貯金できない状況を変えるためには、何から始めればよいのでしょうか。さまざまな方法がありますが、いきなり難易度の高いことにチャレンジすると失敗して挫折する可能性が高くなります。そのため、まずは今すぐ簡単に実践できることから取り組んでいくとよいでしょう。例えば以下のような4つの行動がおすすめです。

●貯金できない理由を見つける

「なぜ自分は貯金できないのか」といった原因を探すところから始めてみましょう。なぜなら「つい楽しくて趣味につぎこんでしまうこと」と「節約は得意なのに収入が低すぎて手元に残らないこと」では、対処法が変わってくるからです。なかには「特にぜいたくはしていないのになぜかいつもお金がなくて困っている」という人もいます。

思い当たる理由について「これかな?」と思ったものをとにかく一度すべて紙に書き出してみるのがおすすめです。書き出したあとは、1つずつピックアップして今の自分ができる対策を考えてみましょう。

●なぜ貯金するのかを明確にする

「貯まらない理由探し」とあわせて自分なりの「貯める理由」を明確にしておくこともおすすめです。「なんとなく貯まったらいいな」と考える人より「来年10月の韓国旅行で○万円使いたいから今から貯める」と考える人のほうがモチベーションとしては高くなりやすい傾向です。その結果、努力を継続しやすく貯まりやすくなります。

「なぜお金を貯めたいのか」「目的を達成するためにはいくら必要なのか」について貯金の使い道を考えて紙に書き出してみましょう。単に「趣味に使うため」といった漠然とした内容だけではなく、「趣味代ならどのような趣味に、いつ何をいくらで買いたいか」といった具体的な内容まで考えることがポイントです。

前述の「貯まらない理由」と違い、こちらは将来の理想や希望などポジティブな内容を書き出すことが多いため、より楽しく取り組みやすいでしょう。貯まったあとのことを考えて「楽しみ」「わくわくする」「やってみたい」と思う気持ちも、貯金をはかどらせるのに役立ちます。積極的に実現したくなるような目的や目標を設定してみてはいかがでしょうか。

●いつまでにいくら貯めるかを決める

貯める理由や目的が定まったあとは、その実現に向けてもう一歩踏み込んで考えてみましょう。「いつまでにいくら貯めるか」「そのためには今から毎月いくらずつ貯金に回していく必要があるのか」について計算します。計算といっても特に難しいことはありません。

例えば金融庁のWebサイトにある「資産運用シミュレーション」などを使えば、以下のように数字を入力するだけで簡単に答えを出すことができます。

資産運用シミュレーション

(出典:金融庁「資産運用シミュレーション別ウィンドウで開きます」)

例えば「5年後の新車購入のために300万円貯金したい」と考えた場合、上図のように入力すれば「毎月積立金額:5万円」、つまり今から毎月5万円ずつ貯金していけば達成可能とわかります。(※運用益や税金、手数料などは考慮していません)この結果を見て「毎月5万円ずつ貯める」という目標を立ててもよいでしょう。

また「月5万円ずつは厳しいから購入時期は10年後にして毎月2万5,000円ずつ貯めていこう」といった調整をすることもできます。漠然としたイメージではなく「がんばれば手が届きそう」と思えるくらいのリアルな数値目標まで落とし込むことが大切です。前述の「貯める理由」と照らし合わせながら、じっくりと貯金計画を練ってみましょう。

●自動的に貯まるしくみを作る

貯金計画を練ったあとは、いよいよ実践する段階です。貯金と聞くと、なかには「徹底的に節約する」といったことをイメージしてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし節約の前に「自動的に貯まるしくみを作る」のがおすすめです。自動的に貯まるしくみは「先取り貯金(先取り貯蓄)」とも呼ばれています。

具体的には、給与が口座に入金されたらすぐに貯金分だけを取り分けて、残った分で生活することを指します。貯金専用の別口座を作って、そこに自動的にお金が移動するように設定しておくのが定番のやり方です。

なるべく貯金分に手をつけにくい状況、できれば普段は忘れているくらいの状況を作れると成功率がアップします。例えば以下のような対策が有効です。

  • 貯金用の口座はキャッシュカードや通帳を持ち歩かないようにする
  • 自力だけに頼らず会社の制度(財形貯蓄)や国の制度(NISAやiDeCo)などを活用する

■もっと貯金するためのポイント

上述のポイントを実践できたあとは、さらに貯金を進めるために次の行動を起こしてみましょう。

  • 何にいくら使ったかを把握する
  • 固定費を見直す
  • お金をかけるものとかけないものを明確に分ける
  • 将来の支出を予測する
  • 収入を増やすことを考える

少し難易度が高くなりますが、その分効果も高くなります。

●何にいくら使ったかを把握する

特に「貯金できない理由がわからない」「○○費に使いすぎている気がする」といった人におすすめなのが、自分が普段何にいくら使っているかを把握することです。具体的には、「家計簿をつける」という方法があります。

自分のお金の使い道がわかれば「意外なものにお金を使っている」「この費用はもっと抑えられそう」といった発見ができ対策を考えることが可能です。さらに定期的に支出を振り返る習慣がついてくれば「先月は使いすぎたから今月は控えよう」といった調整がしやすくなります。可能なら「食費は月○○円まで」のように予算を決めて、それを守るように行動できると理想的です。

家計簿は、専用のノートもありますが手帳などにメモするだけでもいいですし、スマホのアプリでも手軽に記録できます。難しい場合は、以下のような内容だけでも十分です。

  • 食費だけなど特定の支出だけに絞って記録する
  • レシートを忘れずもらうようにして週末にまとめてチェックする
  • クレジットカードやスマホ決済の明細を確認する など

無理なくしばらく続けられる方法を探してみましょう。

●固定費を見直す

節約したい場合は、固定費を見直すことが効果的です。固定費とは、家賃やスマホ代など毎月一定金額を継続して支払うような支出のことで、以下のようなものがあります。

【固定費の例】

  • 住居費(家賃、住宅ローン返済など)
  • 通信費(スマホ代、インターネット代など)
  • 保険料(火災保険や生命保険など)
  • サブスクリプションの利用料金(動画や音楽サービスなど) など

固定費を見直したいと思ったなら、まずは現在の契約状況を確認して「実際の利用状況と合っているのか」「もっとお得な料金プランがないのか」についてチェックしてみましょう。固定費の見直しは、手間がかかって面倒に思われがちですが、場合によっては今までと同じ生活水準のまま数万円単位で節約できる可能性もあります。

しかも使うたびに意識しないといけない変動費(食費や交際費など)とは異なり、一度やっておけば節約効果の持続が期待できます。

●お金をかけるものとかけないものを明確に分ける

貯金したいからといって、あらゆるものを我慢して耐え忍ぶことはおすすめしません。なぜなら節約をがんばりすぎてストレスがたまり、それが原因でふとした瞬間に衝動買いに走ってしまう人もいるからです。最悪の場合、心身に不調をきたすこともあります。すべてにおいて節約をするのではなく「お金をかけるもの」と「お金をかけないもの」を明確に分けましょう。

支出にメリハリをつけたほうが、つらくならずに継続しやすいです。「服は最低限でいいけど食事にはこだわりたい」「今は自分の趣味を削って子どもの教育費に充てたい」など、何にお金を使いたいかは人それぞれです。自分ならどのような優先順位にするか考えてみましょう。

●将来の支出を予測する

「貯金の目的が定まらない」「いまいちやる気が出ない」という人は、将来の支出を予測してみましょう。自分や家族が生活していくなかで、「いつごろいくら必要になりそうか」など長期的な視点で考えることがポイントとなります。例えば「教育資金」「住宅購入資金」「老後資金」は、人生の3大支出と呼ばれ特に大きな出費につながりやすいです。

一般的には、それぞれに2,000万~4,000万円といわれることが多いですが、これも人によって大きく異なります。自分の場合はどうなのか、できる限り具体的に考えてみましょう。

●収入を増やすことを考える

貯金したいなら「支出を減らすこと」だけでなく「収入を増やすこと」も有効です。例えば勤務先で求められる資格を取って資格手当をもらえるようにしたり、スキルアップをして昇給や昇格を狙ったりすることも選択肢の一つといえます。「今の職場では給料アップは無理」と感じる場合は、転職も選択肢に入るでしょう。

なかには、不用品を売ったり副業をしたりして普段の仕事以外で収入を得ている人もいます。「収入を上げるなんて節約より難しい」と思う人もいるかもしれません。しかし収入アップには、限界(上限)がなくもし成功したら増えた収入分をそのまま貯金に回すことが期待できます。「収入が低すぎて貯められない」「これ以上は節約できない」と感じている人こそ一度は検討してみましょう。

■まとめ

「貯金できない」というのは、実は「無理」や「苦手」なのではなくちょっとした工夫を知らなかっただけかもしれません。今からでも「貯金できる人」になることは十分に可能です。方法はさまざまありますが、いきなり難しい挑戦や大きな変化をしようとすると挫折しやすくなります。

まずは、自分が貯金できない理由や貯金する目的を考えるなど無理なく実践できそうなところから少しずつチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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