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2023/3/29

節約生活を無理なく続ける方法を紹介!コツをつかんで物価上昇に備えよう

執筆者:新井 智美

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昨今の物価高の影響で節約生活を始めようとしても、何から手をつけるべきか戸惑う方がいるかもしれません。しかしコツさえつかめば、実践するのはむずかしいことではありません。

また、節約することでちょっとした贅沢や、もしもの時の貯蓄に回せるなど、節約生活の結果で得られる恩恵はいくつもあります。

この記事では無理なく続けられる節約生活の方法やポイントを解説します。

節約生活を始める前のポイント

節約生活とは、日常のなかにある支出を減らしていくことです。しかし、やみくもに支出を減らそうと努力するだけでは、ストレスなどから節約生活は長続きしないでしょう。

そこで最初に、節約生活を始めるにあたってやるべきことを紹介します。

現在の支出状況を把握する

日常のなかにある支出を減らすことが、節約生活の基本です。そこで何より重要なのが、何にどれだけお金を使っているか、現在の支出の状況を把握することです。

節約しているつもりでも、毎日の支出のなかには本当は必要なかったり、工夫をすれば減らせることがあったりします。ご自身が何にお金を使っているかを把握することで、見直すべき支出が明確になり、節約生活を始める際の助けになります。

まずは、現在の支出を「変動費」と「固定費」に分類するところから始めます。

変動費は内容や状況に応じて支払う頻度や金額が変わるもので、食費や娯楽費などがあります。一方、固定費は一定期間ごとに一定の支払いが生じるもので、家賃や光熱費などを指します。

支出を把握するときは、変動費と固定費、性質の異なる2種類の支出にわけて考えると整理しやすいでしょう。

家計の見える化を図る

節約生活のスタートに欠かせない支出の把握を行うには、家計を可視化することがおすすめです。買い物したときのレシートや毎月の銀行口座からの引落し、クレジットカードや電子決済の利用履歴などから、支出の内容と金額を管理する習慣をつけましょう。

家計管理のベーシックな方法といえば家計簿です。家計簿をつけることがストレスに感じる場合は、さまざまな機能が搭載された家計簿アプリもおすすめです。

家計はまず変動費と固定費にわけてから、食費などの支出項目を決めていきます。このとき、項目を細かくしすぎると管理が複雑になるため、まずは大まかな分類から始めることをおすすめします。

目標を設定する

目標の設定も、節約生活に重要な要素です。老後のため、教育費のためなど人によって理由はさまざまでも、節約生活の目的は将来のために貯えを残すであることが多いでしょう。このような場合は、金額や時期などできるだけ具体的な目標を設定するのがおすすめです。

具体的な目標があると達成したときをイメージしやすくなり、節約生活のモチベーションが上がるかもしれません。また、目標金額と達成するまでの期間がはっきりすれば、毎月必要な貯金額がわかり、そこから節約すべき金額もわかります。

例えば「10年後までに教育費360万円」という目標であれば、年36万円、つまり月3万円の貯金が必要です。現在、教育費として月2万円を貯金に回しているなら、あと1万円分の支出を減らすことが節約生活の目標となります。

変動費を節約する方法

変動費には食費や衣服費、趣味やお出かけなどの娯楽費などが含まれます。ご自身で直接支払うことが多く支出を意識しやすい変動費ですが、どのような節約方法が適しているのでしょうか。

ここでは、変動費の節約方法を3つご紹介します。

支出の必要性を見極める

変動費はお金を使う方の判断によって、支出するタイミングや金額が変わります。言い換えると、どんな判断で支出するかが節約を左右するといえます。

例えば衣類の場合、安さや手軽さ、話題性などからではなく、本当にご自身にとって必要な買い物なのかを判断することが大切です。セールで残り1枚だった服を購入したものの、着る機会がなければ、お得な買い物ではなく無駄遣いになります。

必要性を考えながらお金を使う習慣を身につけることが、変動費の節約に役立ちます。

無理に節約しすぎない

変動費は意識次第で節約しやすい反面、無理に支出を減らすと、我慢が続いてストレスになったり生活の質を下げたりすることにもつながります。

とくに毎日の食費は、お金をかけないことを優先しすぎると、食品や栄養の偏りなどから健康への影響も懸念されます。

バランスを考えた料理のための食費、ストレス発散や人づきあいに必要な娯楽費など、変動費は生活の質にも影響する場合があります。目の前の支出を削ることに夢中になりすぎず、無理のない範囲で節約することが大切です。

地道に続ける

思い立ったらすぐに節約に取り組みやすい変動費ですが、1回の支出ごとに節約できる金額はそれほど大きくありません。そのため、変動費の節約はコツコツと地道に続けることが重要です。

節約へのモチベーションを維持するために、小さな目標ごとにご自身にご褒美をあげる、週末は節約をしない日にするなど、取り入れやすい仕組みを節約にプラスしましょう。

固定費を節約する方法

固定費は、毎月あるいは毎年のように、一定期間ごとにある程度決まった金額を支出するものです。住居費や水道光熱費、サブスクリプション(定額制)サービスなどが含まれます。

固定費は一度支出を抑えることに成功すればその後は同じ金額を自動的に節約できるため、節約生活を意識しなくても自然と支出を抑えられます。また、ある程度まとまった金額を削減できるため、節約効果を実感しやすいでしょう。

それでは、固定費の効果的な節約方法を4つご紹介します。

住居費は計画的に見直す

住居費は、賃貸、持ち家に関係なく、固定費のなかで大きな割合を占める支出です。生活に欠かせない住まいへの支出を抑えるのは簡単なことではありません。しかし、計画的に見直しを進めれば住居費も節約可能です。

家賃や更新料を考慮して、引越しした方が節約に繋がると感じる場合は引越しを検討しても良いかもしれません。敷金や礼金などの初期費用、更新料が不要な物件もありますので、引越しを検討する際は物件探しのポイントにするのもおすすめです。

持ち家の場合には、住宅ローンの返済が節約につながります。繰上げ返済を利用する、諸費用に注意して低金利の住宅ローンへ借換えるなど、トータルの返済額を抑えるよう心がけるとよいでしょう。

保険は契約内容の変更を検討する

万が一のときの備えになる保険ですが、契約時のままだというときには、契約内容の変更や解約の検討をおすすめします。

保険は契約者に起こりうるリスクに対する備えとして契約するものです。年月が経つとともに、結婚や出産、転職、車の購入など契約者を取り巻く環境は変わるため、契約時に必要だった備えが今も必要とは限りません。不要な特約を解約するだけでも、一定の節約効果が見込まれます。

また、保険には代理店などで契約をする代理店型のほかにもネット専用のネット型(ダイレクト型)の保険があります。人を介して契約する代理店型に比べると保険料が割安な場合もあるので、代理店型の保険を契約している方は、ネット型(ダイレクト型)の保険で見積りをとるのもおすすめです。ただしネット型と代理店型で、保障内容や商品性が異なることもあるため、自身の判断で割安と思える保険を考えることが大切です。

住宅ローンを契約中なら団体信用生命保険(団信)の契約内容にも注目してみましょう。借り換えには返済の負担を減らす可能性のほか、団信(団体信用生命保険)の保障を充実させる効果が期待されます。団信は、住宅ローンを返済している方に万が一のことがあれば残債が保険金で支払われるものですが、最近は保障が充実したものが増えています。

以前はがん、3大疾病が主流でしたが、現在は11大疾病まで保障が拡大し、さらに就業不能かどうかを問わず、診断のみで保険金を受け取れるものもあります。お得な保障でも上乗せ金利はわずか年0.1~0.3%ということも多く、返済の負担を大きくすることもありません。

ただし、保険の見直しを行うときには注意が必要です。節約をしようと必要な保険を解約したり、むやみに保障内容を減らしたりすると、いざというときに保障してもらえないこともあるので注意しましょう。

サブスクリプションサービスを解約する

サブスクリプションとは、毎月一定の料金で音楽や動画などのサービスが使い放題となるサービスです。

使えば使うほどお得にサービスを利用できる反面、使う頻度が少なければ無駄遣いにもなりかねません。節約のためには必要なサービスを残し、不要なサービスを解約することが大切です。

まずはご自身が現在契約中のサービスと料金、利用実態を確認しましょう。現時点で料金に見合うほど利用していない場合は解約を検討することをおすすめします。

多くのサブスクリプションサービスが毎月自動更新されるので、解約方法や解約期限を確認し、解約する場合は忘れずに手続きするようにしましょう。

水道光熱費の基本料金を抑える

水道光熱費については、普段の生活で使用量を抑えると節約になる変動費にあたる部分もありますが、ここでは固定費を抑える方法を水道代、電気代、ガス代に分けて詳しくご紹介します。

水道代

水道料金は、少しの工夫で節約することが可能です。東京都水道局のデータによると、家庭で使われる水のうち4割がお風呂での使用となっています。まずはお風呂での水の使用状況を確認することから始めます。

例えばシャワーを3分間出しっぱなしにすると約36リットルの水を消費します。浴槽に湯をためるのに180リットルが必要とされるため、18分もシャワーを使えば浴槽1杯分もの水を使うことになるのです。浴槽にためる湯量を減らす、残り湯を洗濯に再利用する、節水用シャワーヘッドに取り換える、シャワーを出しっぱなしにしないなど、使う水の量を減らすよう意識しましょう。

電気代

電気料金は、契約するアンペア数によって変わる基本料金と使用量に応じて増える従量料金にわかれています。

アンペアとは電流の流れる量のことで、大きくなるほど基本料金が高くなります。そのため、毎月の電気使用量を確認のうえ、適正なアンペア数に下げることで固定費を節約できます。

ガス代

ガスの主な消費元には、キッチンのガスコンロと冬場のガスファンヒーターがあります。いずれもなくてはならないアイテムですが、使い方によって使用量を削減できます。

ガスコンロにかける火の大きさは鍋底からはみ出さないよう心がけましょう。1リットルの水を沸騰させるときに強火から中火にするだけで、1日3回の使用で年間約2㎥のガス消費量を削減できます。

ガスファンヒーターは室温を21℃から20℃と1℃下げるだけでも年間約8㎥、1日1時間の利用時間減で年間約13㎥を減らせます。ほかにも、窓から離れた場所において使う、こまめにフィルターを掃除するといった工夫で、暖房効率を上げるとガス料金を抑えられます。
ガスには都市ガスとプロパンガス(LPガス)があり、使用料金は都市ガスのほうが割安です。もし都市ガスの提供地域でプロパンガスを契約しているなら、都市ガスに切り替えると節約につながるでしょう。ただし工事費がかかるためランニングコストと照らしあわせて確認をしましょう。

他にも、利用中の電力会社あるいはガス会社で電気とガスをセットで契約すると、料金の割引を受けられる電力会社やガス会社もあります。

節約生活を成功させるポイント

日々の節約をコツコツと積み重ねて、できるだけ長く続けることが、節約生活を成功させるポイントです。そこで最後に、節約生活を長く続けるために意識しておきたいことを解説します。

ポジティブに考える

例えば「食費は1日1,000円以上使わない」や「月2回までしか外食しない」など、節約生活での行動を禁止表現で決める方がいるかもしれませんが、これでは大きなストレスを抱えてしまう場合もあります。

そのため、節約生活を続けるには、「1日500円の貯金を目標にする」などポジティブな姿勢で臨むことがおすすめです。仮に数週間しか続けられなかったとしても、「5週間も続いた」とご自身を評価すれば、そこであきらめることなく続けられるかもしれません。

続けられる節約方法を選択する

節約生活を続けるには、ご自身にあった方法をみつけることが大切です。

もし食べることが楽しみという方が食費を切り詰めれば、大きなストレスを感じることになるかもしれません。趣味や娯楽のお金の節約が心身をリフレッシュさせる機会を奪い、節約生活に苦痛を感じさせる要因になることも考えられます。

逆に、これまで使いすぎていた食費を切り詰めることで充実感を得られたり、節約のご褒美として趣味や娯楽を楽しむという方法がうまくフィットしたりすることもあります。

どんな節約方法があうかは、人それぞれです。長く続けることを前提に、ストレスフリーな節約方法を選択しましょう。

使う前に先取りで貯金しておく

貯金は、毎月の生活費で残ったお金を回す方法もありますが、手元にお金があるとつい使ってしまったり、節約生活を続けることに迷いが生じたりすることもあるかもしれません。

そこでおすすめなのが生活費として使い始める前に、給料日に先取りで貯金しておく方法です。貯金用のお金は生活費とは別の銀行口座に移すのがおすすめです。銀行の定額自動入金サービスを利用すると便利です。

こうして節約しやすい環境を整えることも、節約生活の成功につながります。

節約生活は自分にあった方法で長く続けることが大切

節約生活は、現在の支出を把握して、何のためにどれくらい貯金したいのか、目標をはっきりさせてから始めることが大切です。

具体的なゴールや達成までの期間が明らかであるほど、節約へのモチベーションを維持しやすいでしょう。また現状と目的がわかれば、おのずと節約すべき金額もみえてきます。

お金を切り詰めるだけではなく、ポジティブな姿勢やご自身にあった方法、別口座への先取り貯金など節約しやすい環境を整え、節約生活を成功させましょう。

監修者:新井 智美
顔写真:監修者:新井 智美

プロフィール:
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,000本を超える。

資格情報:CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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