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2023/2/24

確定申告はスマホで手軽に!スマホ申告のメリットと注意点

執筆者:馬場愛梨(ファイナンシャル・プランナー)

「確定申告って面倒で難しそう」と思っている人は、多いのではないでしょうか。しかし、近年はスマホを使って手軽に済ませることもできます。

この記事では、確定申告をできるだけ手軽に済ませたい人に向けて、「スマホ申告」のメリットや注意点、やり方について解説します。

■確定申告が必要なのはどんな人?

確定申告とは、1年間の所得やそれにかかる税額を計算して申告することです。納税すべき所得税の金額を確定させ、納税や還付を適切に行うため実施します。確定申告を行う必要があるのは、以下のような人です。

【確定申告が必要な人】

<給与所得がある場合>

  • 1年間の給与収入が2,000万円を超える人
  • 給与を1ヶ所 から受けていて、給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円を超える人
  • 給与を2ヶ所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人・同族会社の役員やその親族などで、その同族会社からの給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払を受けた人
  • 給与について、災害減免法により所得税等の源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた人
  • 在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払を受ける際に所得税等を源泉徴収されないこととなっている人

<公的年金等に係る雑所得のみの場合>

  • 公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引いたとき、残額がある人

<退職所得がある場合>

  • 外国企業から受け取った退職金など、源泉徴収されないものがある人

<その他>

以下の計算をして、残額がある人

  • (1)各種の所得の合計額(譲渡所得や山林所得を含む。)から、所得控除を差し引く
  • (2)(1)の金額に所得税の税率を乗じて、所得税額を求める
  • (3)所得税額から、配当控除額を差し引く

(出典:国税庁「確定申告が必要な方」)

また、確定申告が必須ではないものの、行ったほうが得になる人もいます。以下のような人は、払い過ぎた税金が戻ってくる(還付を受けられる)ので、ぜひ確定申告を行いましょう。

  • 医療費控除など、確定申告で受けられる「控除」の対象になっている人
  • 事業で赤字が出た人や株式投資で損失が出た人
  • 勤務先の年末調整を受けられなかった人や漏れがあった人

■確定申告はスマホでもできる!

確定申告の手続きは、従来は「確定申告書」と呼ばれる書類に記入し、控除証明書などの必要書類を添えて郵送したり、税務署に直接持って行ったりして手続きをするのが一般的でした。

しかし、近年はスマホで確定申告書の作成や提出ができる「スマホ申告」を利用する人が増えており、パソコンでの作成や送付と併せて「e-Tax(イータックス)」や「電子申告」と呼ばれています。

【スマホ申告の主なメリット】

  • 確定申告の期間内なら24時間いつでも利用できる(メンテナンス時間は除く)
  • 控除証明書などの書類の提出が不要
  • 還付が書類申告より早く、3週間程度で処理される
  • マイナポータルと連携すれば、ふるさと納税や医療費などの自動入力も可能
  • 2023年1月からは青色申告決算書や収支内訳書の作成もできる

スマホ申告なら手元のスマホで少しの入力で確定申告ができるので、「時短で手軽、簡単」に済ませられるでしょう。寒い中税務署に出向く必要はなく、郵送代や印刷代などの費用もかかりません。自動計算や自動入力もできるので、手間もミスも減ります。

スマホ申告は毎年のように進化しており、必要な作業工程が減ったり、自動入力の対象項目が増えたりしています。そのため、以前より簡単に確定申告ができるようになっていますよ。

■スマホ申告の注意点

手軽で便利なスマホ申告ですが、注意したい点もあります。人によっては大きなデメリットと感じる可能性もあるので、よく確認しておきましょう。

●スマホで完結するにはマイナンバーカードかe-TaxのIDが必要

スマホで作成したデータを提出する際は、マイナンバーカードを使用します。マイナンバーカードを読み取る必要があるので、マイナポータルアプリや対応したスマホが必要です。

ふるさと納税や住宅ローン、生命保険や地震保険、医療費などの「自動入力」を行うには、あらかじめマイナンバーカードとマイナポータル、それぞれの控除証明書の発行元を連携させておく必要があります。

マイナンバーカードがなければ「ID・パスワード方式」で送信することもできますが、あくまでマイナンバーカードが普及するまでの暫定的な措置です。税務署の窓口で本人確認を済ませ、e-TaxのIDとパスワードを発行してもらう必要があるので、手間がかかります。

マイナンバーカードもe-TaxのIDもない場合は、確定申告書の作成だけをスマホで済ませ、そのデータを印刷して郵送するという方法もあります。しかし、これでは「スマホで完結」できないので、少々面倒かもしれません。

●スマホでできない確定申告もある

スマホで確定申告書を作成する時に使う「確定申告書等作成コーナー」は、会社員が医療費控除や住宅ローン控除などを受けるために確定申告を行う際などは、スムーズに進められるでしょう。

しかし、申告内容によっては利用できなかったり、スマホ専用画面に対応していなかったりすることがあります。

【スマホ申告を利用しにくい人の例】

  • 個人事業主や副業で「事業所得」がある人や「不動産所得」がある人

事業所得や不動産所得をスマホ専用画面で申告できるのは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で青色申告決算書・収支内訳書を作成する場合に限られます。

上記のような場合の確定申告は、もともと入力項目が多く複雑になりやすいので、無理にスマホで完結させるよりもパソコンを使ったほうが効率良く進められるかもしれません。

■スマホ申告のやり方

最後に、スマホ申告のやり方について確認しておきましょう。

●用意するもの

  • スマートフォン(マイナンバーカードが読み取れるものだと◎)
  • マイナンバーカード、もしくはe-TaxのID・パスワード
  • 源泉徴収票や控除証明書など(提出はしないが入力に使う)

●申告の手順

  • 事前準備

    自動入力を利用したい場合は、マイナポータルにログインして連携の手続きを済ませておく

  • ステップ1

    国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスする

  • ステップ2

    「作成開始」をタップして画面の案内に従って操作・入力する

  • ステップ3

    書類が作成できたらe-Taxで送信し、送信データを保存する

手順が多いように見えるかもしれませんが、勤務先で年末調整を済ませている会社員であれば、5~10分程度で完了」する場合もあります。

■まとめ

確定申告はパソコンがなくてもスマホさえあれば、税務署に行かずに実施できます。スマホで確定申告をするなら、手間も時間も省けて効率的です。

ただし、事前に揃えておかなければならないものがいくつかあります。マイナンバーカードがあれば、より簡単に確定申告ができます。また、スマホ申告の対象にならない人もいます。

スマホ申告の条件をあらかじめ確認しておき、判断が難しい場合は国税庁のウェブサイト「確定申告特集」で調べるか、税務署に問い合わせましょう。

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