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2022/12/21

株式投資の始め方を解説!売買までの手順、銘柄選びのコツとは?

監修者:新井 智美(ファイナンシャルプランナー)

世代にかかわらず資産運用に対する意識が高まっている今、スマホなどの身近なツールを使って株式投資を始める方が増えています。

しかし一方で、始め方や利益を得るしくみがわからず、なかなか一歩を踏み出せない初心者の方も多いでしょう。

実際、株式投資にはリスクがつきものです。最低限の知識を身につけて、リスクをコントロールすることが大切です。

この記事では、はじめての株式投資を検討中の方に向けて、株式投資の始め方、メリット・デメリットなど、基礎知識をわかりやすく解説します。

■株式投資のしくみ

株式投資とは、株式の売買や投資先からの配当などによって利益を得る投資方法です。

そもそも株式とは、事業拡大などに必要な資金を調達するために会社が出資者に発行する有価証券です。

銀行からの借入金とは違い、会社は投資家の出資金を返済する義務がありません。その代わり、投資家は会社の株主となり、出資額に応じてさまざまな権利を獲得します。

株主が得る主な権利には、株主総会で会社経営に対して意見を述べられる議決権のほか、株式の売買差益や配当金、株主優待などがあります。

株式投資で利益を得るしくみ

株式投資を行うことは、つまり、投資した会社の出資者として株主のひとりになるということです。先述の通り、株主にはさまざまな利益を得る権利が与えられます。

会社に利益が出れば、保有している株式の配当金を受け取れます。株式の価値(株価)が上がれば、値上がり幅から売却益も期待できるでしょう。

ただし、出資金は返還を保証されているわけではありません。業績が悪化すれば株式の価値が下がる可能性があります。さらに、会社が倒産すれば株式の価値はなくなり、投資元本を失うことになります。

■株式投資の始め方

株式投資は、株式を購入することで始められます。株式購入の窓口となるのは証券会社ですので、まずは証券会社に口座を開設することから始めます。

しかし、証券会社に口座を開設するとはどういう意味を持つのでしょうか。また、口座を開設してから株式を買うまでには、どのような手順があるのでしょうか。

ここでは、証券会社での口座開設から株式の銘柄選び、購入、売却まで、株式投資の一般的な流れをお伝えします。

1.証券口座を開設

株式投資を始めるには、まず証券会社で口座を開設する必要があります。なぜなら、株式の購入は、証券会社に売買の注文を出し、証券取引所を介して行われるためです。

ほとんどの証券会社が、店頭のほか、郵送やインターネットなどでも証券口座の開設を受付けており、ご自身に適した開設方法を選択できます。

2.証券口座へ入金

口座開設が完了したら、株式投資用のお金を口座へ入金します。入金は登録した金融機関のATMやネットバンキング経由で行えます。

振込元の金融機関にもよりますが、ほとんどの場合、証券口座への入金はリアルタイムに反映されるため、入金後は直ちに取引が可能です。

投資がうまくいかなかった場合にも生活に支障が出ないように、少額からのスタートがおすすめです。

3.株式の選択と購入

証券口座へ入金した後は、投資する株式を選択します。

個人の株式投資は、原則として証券取引所で取引されている銘柄を対象としています。

銘柄の選び方については後述しますが、投資初心者のうちは1銘柄に資金を集中させることなく、数銘柄に投資するのがおすすめです。分散投資をすれば、いずれかの銘柄で株価が下がっても、資産を一度に失うリスクを避けられます。

投資したい銘柄・数量が決定したら、株式を購入しましょう。株式の購入方法には、「指値(さしね)注文」と「成行(なりゆき)注文」の2種類があります。

指値注文は、ご自身で希望する売買価格を決めて発注する方法です。買い注文は希望する売買価格以下で、売り注文は希望する売買価格以上で注文が成立します。

成行注文は、売買価格を指定せずに発注する方法です。発注時の株価ですぐに購入できる可能性が高まります。「500円になったら成行注文で買う」など、一定の価格になったら成行注文で売買する逆指値注文という方法もあります。

売買が成立すると、証券会社から取引報告書が郵送あるいは電子書面で交付されます。

4.株式の売却

保有する株式を売却する場合も、購入時と同様に指値注文や成行注文で発注します。

売却によって売買差益が出れば、原則として約定日を含めた3営業日後に、証券口座に入金されます。この時、開設した口座の種類によっては、利益に対して20.315%の税金がかかります。

株式は購入しても有価証券が発行されることはなく、証券口座で電子管理されます。取引後は証券会社のマイページや取引報告書などで、誤りがないか確認しましょう。

■株式投資のメリット

株式投資というと、大きな売買差益(キャピタルゲイン)を狙うことが最大のメリットだと思われるかもしれません。

しかし、株式を保有すると株主(会社の出資者)のひとりとして、配当(インカムゲイン)や株主優待など、さまざまな権利が与えられることも忘れてはいけません。

そこで、株式投資の主なメリットとされる売買差益(キャピタルゲイン)、配当(インカムゲイン)、株主優待について、それぞれ詳しく解説します。

●売買差益(キャピタルゲイン)を狙える

株式は原則として個人が自由に売買できます。購入したときよりも株価が上がったタイミングで売却すれば、売買差益を得られます。

株式投資で得た売買差益を「キャピタルゲイン」と呼びます。株価は変動するものなので、安いときに買って高いときに売れば、キャピタルゲインを手にできます。

ただし、株価の値動きによっては、売買差損(キャピタルロス)を生じるリスクもあります。安いときに買ったつもりが、さらに安くなってしまった結果、損失を被ることを言います。

株式投資のキャピタルゲインは大きなリターンを期待できるメリットですが、逆にキャピタルロスとなる可能性もあるので注意しましょう。

●配当(インカムゲイン)を受け取れる

「配当(インカムゲイン)」とは、会社経営で得られた利益の一部を株主に還元するものです。会社によって支払われる回数などは異なりますが、一般的に決算後、年1~2回ほど支払われます。

会社の業績によって受け取れる金額は異なり、増配(配当増)や減配(配当減)、あるいは無配(配当なし)となることもあります。

配当は必ず受け取れるものではなく、権利付き最終日(一般的には会社の決算日(権利確定日)の2営業日前)までに株式を保有していなければならないため、注意しましょう。

●株主優待を期待できる

会社が自社の商品やサービスを株主に提供することを、「株主優待」といいます。デパートなら商品券、食品メーカーなら自社商品、外食業者なら食事券など会社ごとに内容はさまざまで、持ち株数に応じて提供される内容が変わります。

こうした株主優待の内容から、投資先の銘柄を選択するのも株式投資の楽しみといえます。

ただし、株主優待を行わない会社があるほか、保有株数や保有期間によっては期待していた株主優待を受けられないケースもあります。また、業績悪化によって株主優待が廃止されることも考えられます。

配当と同じく、権利付き最終日に株式を保有していることが株主優待を受ける条件となるので、株式の購入や売却のタイミングに気をつけましょう。

■株式投資のデメリット

株価によっては大きなキャピタルゲインを得られたり、保有しているだけで配当や株主優待を受けられたりとメリットの多い株式投資ですが、少なからずデメリットも存在します。

しかし、株式投資を始める前にデメリットを理解しておけば、いざというときに投資リスクを最小限に抑えられます。

それでは、株式投資の主なデメリット3つをわかりやすくお伝えします。

●元本が保証されない

株式投資には元本保証がありません。株価の値動きによっては大きな損失につながるリスクがあります。

株価は、会社の業績だけではなく、競合他社の動向や経済状況、金利や為替レート、海外の経済指標など、さまざまな要因が影響して変化します。想定外の下落が起こることも珍しくありません。

株価が急激に下がれば、手放したいと思っても売買がなかなか成立せず、さらに損失が広がることも考えられます。

●会社が倒産すると株式が無価値になる

株式投資でもっともおそれるべきリスクは、会社の倒産です。そもそも株式は会社が発行する有価証券です。発行元が倒産すれば、最終的に株式の価値がゼロになることもありえます。

株式投資には元本の保証がないため、株式の価値がなくなれば、投資したお金は全額戻りません。

ただし、他社との合併や親会社による子会社化などの場合、経営陣によって好条件の株式買い取り(経営陣買収)が行われる場合もあります。

●投資にコストがかかる

株式投資には最低売買単位(単元)があり、どの銘柄も原則として100株単位で購入することになっています。つまり、株価が3,000円であれば、最低でも「1,000円×100株=30万円」の投資コストがかかるのです。

さらに株式の売買が成立すると、別途、証券会社ごとに定められた株式委託手数料を支払わなければなりません(ネット証券等によっては、一定の条件下での取引であれば手数料がかからないこともあります)。

株式ミニ投資や株式累積投資(るいとう)など1単元が100株未満の手軽な投資方法もありますが、通常の株式投資を行うにはまとまった資金を用意する必要があります。

■株式投資で銘柄を選択するコツ

株式投資を始めるにあたっては、メリットとデメリットを考慮し、万が一のリスクに備えておくことが大切です。

リスクを最小限に抑えるための考え方はいろいろありますが、投資を始めたばかりの初心者であれば、銘柄選びが重要になるでしょう。

それでは、株式投資をこれから始める方が知っておきたい銘柄選びのコツをご紹介します。

●身近な会社から銘柄を選択する

株式投資を始めるときには、よく知る会社から銘柄を選択するのもおすすめです。

普段よく利用している商品を提供する会社、応援しているテーマパークの運営会社など、ご自身にとって身近な会社には自然と興味が注がれます。株式投資を楽しく続ける原動力にもなるでしょう。

銘柄選びに慣れてきたら、さらに一歩進んで、今後さらなる成長を続けそうな会社やヒット商品が生まれそうな会社などを予測してみましょう。

●予算を決めて少額の銘柄を選択する

株式投資には元本保証がないことから、最悪の場合、投資したお金をすべて失うこともあります。そこで、投資にあたって、まずは投資にかける予算を決めましょう。

投資にかける金額に対する考え方は人それぞれですが、はじめてであれば余剰資金の範囲内にとどめておくと安心です。

余剰資金とは、手持ち資金のうち、当面の生活費や万が一に備えて残しておくお金を差し引いたお金のことです。

また、株式は原則として100株単位での購入となるため、株価が大きいほど最低購入金額は上がります。株式投資に慣れないうちは少額で投資できる銘柄を選択し、万が一のリスクを抑えることも大切です。

●配当や株主優待で銘柄を選択する

キャピタルゲインで大きな利益を狙うのもよいですが、会社の経営状況を判断したり株価の値動きを追ったりするのは、株式投資を始めたばかりの方には難しく感じるかもしれません。

そこでおすすめなのが、配当や株主優待を目的に銘柄を選択することです。配当や株主優待は、キャピタルゲインほどのリターンは期待できなくても、株式を保有しているだけで得られるという大きなメリットがあります。

ただし、会社の業績によっては、配当がなくなったり株主優待制度を廃止したりする可能性もあるので、会社情報はこまめにチェックしておくと安心です。

■株式投資の始め方は簡単!まずは証券会社に口座を開設しよう

株式投資は、株価の値上がりによる売買差益(キャピタルゲイン)のほか、配当(インカムゲイン)や株主優待といった利益を得られる人気の投資です。

元本保証がないなどのデメリットもあるので、少額から投資するなど、ご自身でルールを決めてから始めるのがおすすめです。

株式を購入するには証券会社に口座を開く必要があるので、まずは証券会社選びから始めてはいかがでしょうか。

監修者:新井 智美
顔写真:監修者:新井 智美

プロフィール:
コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)のほか、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)をおこなうと同時に、金融メディアへの執筆および監修にも携わっている。現在年間300本以上の執筆及び監修をこなしており、これまでの執筆及び監修実績は2,000本を超える。

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