2022/12/15
ボーナスはどれくらい貯金するのが理想? 投資という選択肢も紹介
執筆者:株式会社ZUU
ボーナスを受け取ったとき、何%ぐらいを貯金するのがベストなのか、考えたことはありますか。正解はありませんが、一般的にはどれくらい貯金している人が多いのかは知っておきたいものです。あわせてボーナスの理想の使い道や「投資」という選択肢についても紹介します。
■ボーナスの使い道、1位は「貯金・預金」
株式会社ロイヤリティマーケティングによる、ボーナスの使い道などについてのアンケート調査結果を参照してみましょう。2021年9月に実施された「第49回 Ponta消費意識調査」では、冬のボーナスの使い道は以下のようなランキングとなっています。
順位 | ボーナスの使い道 | 割合 |
---|---|---|
1位 |
貯金・預金 |
37.8% |
2位 |
旅行(宿泊を伴うもの) |
6.7% |
3位 |
食品(ふだん食べるもの) |
5.3% |
4位 |
外食(食堂・レストラン、和・洋・中ほか専門店) |
4.9% |
5位 |
財形貯蓄 |
3.7% |
6位 |
衣服 |
3.4% |
7位 |
食品(お取り寄せなど、特別なもの) |
3.3% |
8位 |
ローンや借入の返済 |
2.6% |
9位 |
投資信託 |
2.4% |
10位 |
旅行(日帰り) |
2.2% |
(出典:Pontaリサーチ会員3,000人に聞いた「第49回 Ponta消費意識調査 2021年10月発表」)
1位は「貯金・預貯金」で37.8%、5位の「財形貯蓄」と合わせると実に40%を超えます。
貯金には人それぞれの目的があります。老後の不安を小さくしたり、万が一のために備えたり、住宅や車など高額な買い物をしたりとさまざまです。貯金は、未来につながるお金の使い道として価値ある行為と言えるでしょう。
反対に贅沢をすることはストレス解消などにはつながりますが、浪費をし過ぎると生活レベルを元に戻しにくくなります。
■みんなはボーナスの何%を貯金している?
「ボーナスの貯金割合」についてはどうでしょうか。先ほど紹介したアンケート調査では、冬のボーナスの何%を貯金・預金したかについても調べられており、結果は以下の通りです。
ボーナスの貯金割合 | 割合 |
---|---|
25%未満 |
13.1% |
25%〜50% |
28.2% |
50%〜75% |
24.9% |
75%以上 |
33.8% |
最も多かった回答は「75%以上」で33.8%でした。また「50%〜75%」と「75%以上」をひとくくりに「半分以上」と捉えると、その割合は58.7%となります。つまり、一般的には半分以上の人がボーナスの50%以上を貯金しているのです。
あなた自身のこれまでのボーナスの貯金割合と比べて、アンケートの結果は高いでしょうか、低いでしょうか。もし低いのならば、浪費を避ける意味でもボーナスの50%は貯金することを目指したいところです。
半分を貯金できれば、毎月の給料を貯金にまわせていない人も定期的に貯金を増やすことができるうえ、ボーナスへの依存度も自然と下がります。ボーナスは金額が安定しないため、依存しすぎる生活は安定しているとは言えません。
■貯金にはデメリットもある
貯金の最も大きなメリットは、投資とは異なりお金が減るリスクがほぼないことです。銀行が経営破綻するリスクもゼロではありませんが、その場合でも1,000万円までは保護されます。
しかし、貯金にはデメリットもあります。物価上昇(インフレ)が続くと、預けておいたお金の購買力が相対的に下がります。物価が1年で2%上がると、いまは1万円で買えるものが翌年には1万200円出さないと買えなくなってしまいます。
そのため、インフレが進むと貯金しておくだけでは資産価値が目減りするというリスクがあるのです。
■貯金の一部を「資産運用」に回すことを検討したい
貯金のインフレリスクの影響を極力減らすためには、ボーナスの一部、もしくはこれまでの貯金の一部を「投資」に回すことも検討したいところです。
アメリカでは多くの人が投資による資産運用で老後の備えをしていますが、日本はアメリカに比べて投資をしている人の割合は低めです。投資ではお金が減るリスクもゼロではありませんが、適切にリスクを抑える工夫をすれば資産を増やせる可能性が高まります。
●ポイント1:NISAやiDeCoで税制優遇のメリットを享受する
投資を始める場合、まず国で用意されている税制優遇制度を最大限活用しましょう。
少額投資非課税制度の「NISA(ニーサ)」はNISA口座での投資運用益が非課税となり、個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」は、掛金が全額所得控除されます。
NISAやiDeCoは積立額の上限が決まっていますが、上限枠まで利用することで税制優遇のメリットを最大限享受できます。
●ポイント2:投資信託で分散投資して低リスクで運用する
投資商品を選ぶ際には、複数の銘柄にまとめて投資できる「投資信託」がおすすめです。投資信託によっては株式や債券などさまざまな資産に分散投資でき、投資先が間接的に分散されることで損失の極端な拡大を防ぎやすいという特長があります。
■「自分への投資」という観点を持とう
少し話は変わりますが、「自分への投資」という視点も持っておきたいところです。
「投資」とは金融資産を買うことだけではありません。仕事に関係する書籍を購入して勉強したり、社外セミナーに参加したりするなど、ボーナスの貯金以外で自由に使えるお金を自身のキャリアアップにつながることに使ってもよいでしょう。
ニーズの高い新しいスキルを身に付ければ、昇進や転職などによって自分の年収をあげることもできます。資産運用でリターンを狙う方法はもちろんですが、自分への投資によるキャリアアップによってリターンを増やすというアプローチもあります。
■予めボーナスの使い道について考えることが大切
ボーナスの中で貯金に回すべき割合を説明した上で、貯金の一部をNISAやiDeCo、投資信託などの資産運用に回すことがおすすめであることを紹介してきました。
ボーナスが支給されてつい好きなことに使ってしまう気持ちもわかりますが、消費しすぎないよう注意したいところです。冒頭でお伝えしたように、老後のためや万が一への備え、決めた目的のために貯金するなど、明るい将来のために使い道を考えることがおすすめです。
ボーナスを将来にどう活用していくべきか、自分の方向性について考えてみてはいかがでしょうか。