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特集 | 資産運用

2022/10/12

「MMF」と「ETF」の違いは?どのような方にどちらの金融商品がおすすめなのかを解説!

監修者:岩永 真理(ファイナンシャルプランナー)

資産運用を始めるために情報収集を行っていると、「MMF」や「ETF」という単語を見聞きすることがあるかもしれません。

「アルファベット3文字」という点は共通しているものの、両者は全く異なる金融商品なので、それぞれの意味を正しく理解する必要があります。

本記事では、これから投資をスタートする予定の方に向けてMMFとETFの違いや、どのような人にどちらの金融商品がおすすめなのかを解説します。

「MMF」とは?

MMF(Money Management Fund、マネー・マネジメント・ファンド)とは、元本の安定性を重視し、ローリスクな運用が行われる公社債投資信託のことです。現在は日本円での扱いはなく、外貨建てMMFが購入できます。

主な投資先は、格付けの高い「公社債」を中心に「CP(コマーシャルペーパー)」、「CD(譲渡性預金証書)」などの短期金融商品(「残存期間」=「償還されるまでの期間」が短い金融商品)で、株式は投資対象とされていません。

運用実績に基づいて毎日収益を分配し、月末に一括で再投資を行う1ヶ月複利のファンドです。投資期間は自由で、手数料は発生しません。

「ETF」とは?

ETF(Exchange Traded Fund、日本語訳は「上場投資信託」)とは、取引所に上場されている投資信託のことです。一般的に「株価指数」や「債券指数」、「商品価格(商品指数を含む)」などに連動する運用成果を目指して運用され、取引所の取引時間内であればいつでも市場価格(時価)で売買を行えます。

株式と同じように、指値注文や信用取引も可能です。信用取引は、売りたい銘柄の現物を持っていなくても、証券会社から借りて「売り建て」を行い、決済期限までに買い戻すことができます(空売り)。こうした取引を利用すれば、相場の下落局面でも利益が狙える可能性があります。

多くのETFは、TOPIXや日経平均株価などの各種指標に連動した運用成果を目指す「パッシブ運用」です。投資銘柄の選定などを機械的に行えるため、販売手数料、信託報酬などの運用コストが低い傾向が見受けられます。

ただし、各種指標の値動きを超える成果を目指す「アクティブ運用」を行うETFも、海外で上場しているものの中には存在します。

MMFとETFの3つの違い

MMFとETFについて詳しく解説しましたが、MMFとETFは具体的にどのような点が異なるのか主な違いを3つご紹介します。

MMFとETFは「リスクの種類・度合い」が異なる

上述したように、MMFは公社債などで運用され、株式への投資は行われません。外貨建てMMFは、外貨からも日本円からも買付ができます。日本円から購入する際は、為替レートの変動によって損をするリスク(為替リスク)があります。

それに対して、ETFはTOPIXや日経平均株価などの株式指数に連動するように運用されるものは、株式への投資が行われます。

株式は、発行している会社が破綻すると価格がつかなくなる可能性があるため、株式指数に連動するETFは株価変動のリスク(価格変動リスク)があります。買った時より相場が全面的に下落している局面では、元本割れしやすいことに注意が必要です。

例えば、日経平均株価が5%下落すれば、それと連動するように運用されているETFの価格も、おおむね5%下落します。逆に、株式相場が上昇している局面では、ETFで利益が得られる可能性があります。

なお、債券指数に連動するETFは価格変動が小さい傾向があるので、リスクを抑えたい場合におすすめです。

MMFとETFは「信用取引が可能であるかどうか」が異なる

MMFは取引所に上場されておらず、信用取引を行えません。信用取引とは、現金や株式を担保として証券会社に預け、証券会社から資金や証券を借りて売買を行う取引です。一方、ETFは取引所に上場されており、信用取引が可能です。

相場が下落していく局面であっても、空売りなどの信用取引をすれば、利益を狙えることもあります。

また、証券会社から資金を借りて取引を行えるため、少ない手元資金で大きな利益を出せることもあります。その際は、借入れた現金や株式の価値に一定の比率をかけた担保が必要で、最大で預けた担保の評価額の約3.3倍まで取引ができます。

ただし、思惑と逆方向に相場が動いた場合、元手となる資金以上の損失が発生し借金を抱える可能性があるため、リスクが高い取引であることに注意しましょう。

MMFとETFは「最低買付金額」が異なる

外貨建てMMFは、10通貨単位(数百円)から購入可能です。それに対して、ETFの場合は「売買単位×市場価格(時価)」以上の資金を用意しなければ、売買を行えません(信用取引を除く)。さらに、証券会社の手数料がかかるケースもあります。

また、ETFは売買単位が銘柄ごとに異なります。例えば、売買単位が10口、市場価格が1口=1,500円の場合、最低買付金額(最低投資金額)は15,000円になります。ETFの各銘柄の売買単位や市場価格は、日本取引所グループの公式サイトなどで確認できます。

MMFとETFの選び方の違い

外貨建てMMFとETFにはそれぞれの特徴があるため、どちらを選べば良いかわからない人もいるかもしれません。ここでは、外貨建てMMFとETFがそれぞれどういう人に向くのか紹介します。

<外貨建てMMFがおすすめの人>

  • 投資に回せる手持ち資金が少ない(10通貨単位(数百円)で、投資をはじめたい)
  • 手持ちの外貨がある
  • 外貨建てでも元本割れのリスクを低くしたい(安定性を重視したい)
  • いつでも買付・換金ができる

<ETFがおすすめの人>

  • ある程度のリスクを許容しつつ、各種指標と同程度のリターンを得たい
  • 市場の状況を見ながら、リアルタイムで売買を行いたい
  • 信用取引で、手持ちの資金以上の金額の取引をしたい
  • 相場の下落局面でも、信用取引(空売り)で利益を狙いたい

「許容できるリスクの大きさ」や「用意できる資金の額」などを勘案し、ご自身に適した金融商品で資産運用を行いましょう。

なお、外貨建てMMFとETFの両方で資産運用を行うことも可能です。「どちらか片方しか選択できない」ということはありません。

「外貨建てMMFで堅実な運用をしつつ、余裕資金をETFへ回し一定のリスクを許容したうえで各種指標と同程度のリターンを狙う」という投資スタイルを検討することも可能です。

MMF・ETFは個別銘柄の株式の売買よりリスクが低い

普通預金や定期預金と異なり、外貨建てMMFやETFは元本割れのリスクがあります。他の資産運用方法に比べて安全性が高いMMFでも、過去には円建て、外貨建てともに元本割れを起こしたことがあります。ただし、歴史上数回ほどしか元本割れを起こしていないため、リスクは比較的低いといえるでしょう。

外貨建てMMFの場合、ローリスクな金融資産のみで運用されるため、安定的な運用が期待できます。リスクを低減しつつ、着実に資産運用をしたい人は購入を検討するとよいでしょう。ただし、外貨建てですので、為替リスクには注意が必要です。

ETFの運用成果は、TOPIXや日経平均株価などの各種指標に連動しているため、相場の下落局面では信用取引などのリスクの高い手法を駆使しなければ、短期的には利益の確保が困難なこともあります。しかし、数十年以上の長期的なスパンで見れば、低迷する局面があったとしてもやがて値上がりすることがあるかもしれません。

購入したETFに一時的に含み損が生じたとしても、一喜一憂せずにコツコツと積立などで分散投資を続けることも有効でしょう。

外貨建てMMFで堅実に資産を増やしつつ、余剰資金でETFも購入してみてはいかがでしょうか。

監修者:岩永 真理
顔写真:監修者:岩永 真理

プロフィール:
ファイナンシャル・プランナー、IFPコンフォート代表
大手金融機関に入行後、海外赴任を含め10年以上勤務。退職後は、金融機関時代の知識と経験を活かすべくファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年にCFP®(FP上級資格)取得後は、個人や法人社員向けの個別相談・セミナー講師・執筆・監修などを行っている。幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な対応を心掛けている。

資格情報:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、住宅ローンアドバイザー、ロングステイ・アドバイザー、スカラシップ・アドバイザー(日本学生支援機構)

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