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寅年の株式&為替相場を「アノマリー+α」で予測しよう

株式会社ZUU

2022年2月17日

株式投資の世界には、2月に高値をつけて3月に安値をつけるという「節分天井・彼岸底」や、株式相場は6月から下げる傾向があることから「株は5月に売れ」といったアノマリー(経験則)がありますが、2022年はどう動くのでしょうか?「寅年」のアノマリーを探り、今年の投資のヒントになるか検証します。

■寅年は上昇相場への起点?2022年は虎視淡々と機会を窺いたい一年

最近の過去の寅年は2010年・1998年・1986年・1974年・1962年・1950年でした。この各年における日経平均株価の騰落率を比較してみましょう。

▽過去の寅年の日経平均株価の騰落率

日経平均株価の騰落率

2010年

▲3.0%

1998年

▲9.3%

1986年

42.6%

1974年

▲11.4%

1962年

▲0.8%

1950年

▲7.3%

平均

1.8%

  • 騰落率は、当年終値と前年終値を比較
    参考:日本経済新聞社「日経平均プロフィル(ヒストリカルデータ)」

1950年~2010年の寅年において、日経平均株価の騰落率がプラスとなった年は1986年のみです。他の5回の寅年はいずれもリターンがマイナスとなっています。勝敗にするなら1勝5敗ですが、平均リターンは「1.8%」とプラスとなっています。

平均リターンがプラスであるとはいえ「1.8%」の寅年は、十二支の中で丑年「▲0.1%」に次いで3番目に低い結果となっています。最も成績が良いのは辰年「28.0%」、最も成績が悪いのは午年「▲5.0%」となっています。

ただし、過去の寅年の騰落率を見て、2022年の株式投資環境は期待できないと考えるのは早計です。投資の世界には「丑つまずき」「寅千里を走る」「卯跳ねる」「辰巳天井」……といった十二支にまつわる相場格言がアノマリーとして知られており、先述の通り十二支の中で最も成績が良い辰年に向かって、寅年は上昇起点の年となる場合があります。“虎視眈々”という言葉があるように、買いのタイミングを狙う年と捉えることもできます。

また、過去6回の寅年を見ると、1950年には朝鮮戦争の勃発、1962年はキューバ危機、1974年は田中角栄首相とニクソン大統領の辞任、1998年は日本長期信用銀行の破綻、2010年は欧州ソブリン危機など、政治的な要素が株式相場に大きく影響してきたことがわかります。

もちろん、こういった政治リスクは寅年に限りませんし、必ずしもアノマリーの通りになるとも言えません。実際に1986年はバブル経済を追い風に、大きくプラスで着地しています。当時ほどの経済成長は見込めないにしても、2021年は丑年ながら日経平均株価は年間ベースで4.9%上昇しており、2022年も同様の傾向が続く可能性は十分にあります。

こうした理由から、実際の投資にあたってはアノマリーだけでなく“+α”の考察が重要になります。

■2022年はどのようなトピックが注目を集める?

株式相場の予測は簡単ではありません。しかしアノマリーに加え、2022年に注目を集めそうなトピックを“+α”として考えてみれば、投資家それぞれで自分なりの分析はできます。具体的な2022年の注目トピックとしては、以下のようなものがあります。

●コロナ禍の終息で経済再開が本格化?

特に重要なトピックは、やはり新型コロナウイルス関連でしょう。変異株のひとつであるオミクロン株を抑え込み、世界的にコロナ禍が完全終息に向かえば、各国で経済再開が本格化する可能性もあります。

もちろん、コロナ禍でも主要国は経済成長を下支えすべく金融緩和を進めており、コロナ終息後に金融引き締めが行われることもあります。そのため「経済再開の本格化=株価の上昇」とは単純には言いにくいですが、コロナ禍の終息は数年単位で見れば株式相場の上昇を下支えするエンジンとなるかもしれません。

●夏の参議院選挙はどのような結果になる?

2022年夏には参議院選挙があり、岸田政権が勝利し、政治基盤を安定させられるかどうかに注目が集まっています。安定政権は投資家に好感を持たれやすく、株価にポジティブな影響を与えることが考えられます。

●消費者物価指数(CPI)の推移、インフレ率はどうなる?

日本銀行はじめ世界各国がインフレ率2%を目指す中で、日本銀行は消費者物価指数(CPI)の推移を注視し、金融政策に反映しています。金融政策は経済成長にも直結するため、株式投資とは切っても切り離せない関係です。2022年の消費者物価の動向にも、注目したいところでしょう。

■2022年、為替は円安に動く?円高に動く?

一方、為替はどのような動きを見せるでしょうか。

ドル円相場に絞ってみてみると、確認可能な直近の寅年で2010年・1998年・1986年は、いずれも年初から年末にかけて円高に振れる1年でした。肝心の2022年の見通しですが、今年はアメリカの「利上げ」が予定されています。利上げが行われると、一般には円安になりやすいため、動向を注視しておきたいところです。

■マクロ視点を持ちながら虎視眈々と相場に臨もう

この記事では、寅年である2022年の株式相場と為替相場について考察しました。過去のデータやアノマリーも紹介しましたが、アノマリーに頼るだけでは2022年特有の相場の値動きに柔軟な対応ができません。

“+α”として、コロナ禍が終息に向かうかどうかや、夏の参議院選挙、アメリカの利上げの状況など、日本や世界の動きをマクロ的にウオッチしながら“虎視眈々”と相場に挑む心構えが重要です。

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