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給与明細は家計管理に役立つ?見方から活用法まで解説

執筆者:馬場 愛梨(ファイナンシャル・プランナー)

2021年9月7日

給与明細は自身の支給額だけでなく、自身を守る保険料などの控除額まで記載されており、日頃から各項目を確認することが重要です。この記事では、給与明細の見方や活用法について解説します。

■給与明細で何がわかるのか?

給与明細には、以下の情報が記載されているのが一般的です。

(1)勤怠
出勤や欠勤の日数、残業時間、有給休暇の消化状況など勤務内容全般が記載されています。支給額の計算のベースになっているため、給与明細を受け取ったら、まず確認すべきポイントです。

(2)支給
会社がその人に支払った給与の総額。基本給のほか手当なども記載されています。特に「通勤手当」は非課税で計算されているか(※1)、 残業代(時間外手当、残業手当、休日出勤手当、深夜手当)は、残業の種類に応じた「割増率」が乗っているか(※2)、注意して確認する必要があります。

  1. ※1:交通機関での通勤は「月15万円」まで非課税。
  2. ※2:割増率は最低25%以上。会社によって割増率が異なる場合や、固定残業代(みなし残業)として支給されている場合があるため就業規則を要確認。

(3)控除
支給額から天引きされているもの。社会保険料や税金などが記載されています。ここでは、自分が何の項目でいくら控除されているのかを確認します。勤務先によっては財形貯蓄や組合費で天引きされている場合もあります。項目名とその内容を確認し、何のために控除されているのかを理解するようにしましょう。

  • 健康保険料……病気やケガに見舞われたときの保障のために支払っている保険料
  • 介護保険料……要介護状態になったときの保障を受けるため満40歳に達したときから支払う保険料
  • 厚生年金保険料……将来、厚生年金を受け取るために支払っている保険料
  • 雇用保険料……被雇用者が失業したとき、育児休業したときなどに生活を守るために支払っている保険料

(4)差引支給額
自分の手元に来る金額、いわゆる「手取り」が記載されています。

最終的には給与明細に記載されている支給や控除が正しい金額か判断できると理想ですが、残業手当や社会保険料、税金の計算方法は少し複雑なため本稿では割愛しています。まずは細かな計算方法よりも、各項目が何に対しての支給なのか、何のために控除されているのか、各金額が持つ意味の理解することが重要です。

各項目の意味を理解することができれば、給与明細を家計管理やライフプランニングに活かすことが期待できるでしょう。

■給与明細の活用例

では、実際に給与明細を家計管理やライフプランニングに役立てるための活用例を3つ紹介します。

●活用例1:安定した家計管理のヒントにする

給与明細の支給には、基本給など毎月固定で支払われているものもあれば、残業手当など変動的に支払われているものもあります。安定した家計管理を目指すなら、差引支給額だけに着目するのではなく、「収入から残業代などの変動要因を除いた金額」で家計が成り立つ状態が理想的です。もし急に残業やボーナスなどが減る事態になったときに困らずに済みます。

●活用例2:節税できる制度を利用するときの目安にする

控除を見て「しかたない」と思っているかもしれませんが、会社員でも税金を節約することは可能です。たとえば、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「ふるさと納税」などの方法があります。

iDeCoは国が国民に老後に向けた資産形成を促すために作った制度です。コツコツとお金を積み立てていき、60歳以降で受け取れるしくみになっています。掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象になるので、月々の拠出額の限度内で、積み立てる金額が大きいほど課税所得を抑えることができます。課税所得を抑えれば、所得税や住民税の課税金額は小さくなります。

ふるさと納税は自分が住んでいる自治体以外に納税(寄付)ができる制度です。こちらは、ふるさと納税として自治体に納めた額から2,000円を引いた金額が「寄附金控除」の対象になります。所得税の還付や住民税の控除を受けられるほか、自治体からの返礼品を受け取れることもあります。他にも、やり方はいろいろありますので、できそうな方法を探してみるのもひとつの手です。

いくら税金が安くなるのかは、その人の収入や控除額、家族構成などによっても変わってきます。ふるさと納税では、どれくらいまで取り組めるのかもそれらに左右されます。給与明細は正確な収入額の確認や、取り組んだあとの節税効果の確認に活用することができます。

●活用例3:将来の受け取り額を読み解く

厚生年金の有無や保険料の金額で、将来受け取れる年金額は変わります。また、病気やケガで働けないときの傷病手当金(健康保険)や失業したときの失業手当(雇用保険)も、収入に応じて金額が変動します。

給与明細のデータをもとに、今の状態ならどんなときにいくら受け取れるのか調べておくことができます。

たとえば傷病手当金の金額は「支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準月額を平均した額÷30日×3分の2」で計算されます。失業手当の金額は「離職した日の直前の6ヶ月に毎月決まって支払われた賃金」が基準になり、厚生年金は支払った厚生年金保険料が基準になります。

給与明細の数字を入力すれば受給額が自動的に計算できるシミュレーションサイトなどもありますので、目安の金額をかんたんにチェックできます。

現時点の保障額を知っておくと、いざというとき安心ですし、必要な保障に対しいくら不足しているのかを考える物差しにもなります。生命保険など民間保険の見直しもしやすくなり、保険料の節約につながるかもしれません。

■まとめ:給与明細は必ず確認!家計管理やライフプランの検討に役立てよう

給与明細には、手取り以外にも自分の家計に密接に関連するお金の情報がいくつも載っています。また、給与から天引きされる税金や社会保険料などは常に一定の割合というわけではなく、収入・iDeCoなどの取り組み具合・家族構成などに応じて変動します。

受け取ったら放置せずに、中身を確認して、いつでも照会できるように保管や記録をしておきましょう。単に「正誤を確認する」「収入を証明する書類として使う」だけでなく、家計管理やライフプランの検討に役立てることもできます。さっそく直近の明細をチェックして、いくら節税できそうか、もしものときにいくら受け取れそうか計算してみてはいかがでしょうか。