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株の売り時はいつ?株式投資初心者の悩みを解決!

執筆者:福島 佳奈美(ファイナンシャル・プランナー)

2021年7月28日

株は「買い時」よりも「売り時」が難しいと言われます。特に投資初心者は、いつ売るべきかの判断がつかないものです。今回は投資初心者が売り時を判断するための方法を解説します。

■株の売り時とは?

株をいつ売るべきかの判断が難しいのは、株価の動きがわからないからです。売った後に株価がさらに上がるというのはよくあることです。また、買ったとたん株価が下落し、損失が出てしまうこともあるでしょう。この場合は、売却して損失額を確定させる「損切り」をするのも一つの方法です。株価の回復が見込めない場合は、大きく損失が膨らむ前に資金を回収して他の銘柄に投資した方がいいという考え方です。

売り時の判断はプロでも難しく、投資スタイルにもよるため、正解はないとも言えます。だからこそ、投資初心者はどのくらい上がったら売るのか、逆にどのくらい下がったら損切りをするのか、あらかじめ基準やルールを決めておくことが大切です。

■売る基準を決めておこう

まずは株式投資にどれくらい資金を回すか決めましょう。投資は「余裕資金で行うこと」が鉄則です。株式投資にはある程度まとまった金額が必要となりますが、東証1部上場銘柄でも10万円以下で買える株はたくさんあります。そのため、投資初心者は10万円程度から始めるのが良いでしょう。

いざ投資を始めると「損をしたくない」、「もっと儲けたい」などのさまざまな思惑が交錯します。損失が膨らんでもそのうち回復するだろうと売り時を逃すと、「塩漬け」状態になってしまいます。市場の状況も考慮しながら柔軟に対応できればよいのですが、投資初心者には難易度が高い上に冷静な判断が難しいため、一定のルールを決めておきましょう。

■株の売り時判断の具体例

投資初心者が株の売り時を判断するには、下記のような基準を参考にするとよいでしょう。

●目標株価に到達したとき

株を買うときには、その会社の株価が上昇することを期待して買います。そのため、目標株価に到達したら売却する、というのがわかりやすいルールです。

この場合、株価だけでなく期間も決めておくと、より判断がしやすくなります。例えば、半年以内に株価が10%上昇したら売却、半年経っても目標株価に届いていなかったらいったん売却するといった具合です。

予想に反して株価が下落した場合は、損失が膨らむ前にいったん損切りし、別の銘柄に投資すればいいのです。下落時には冷静な判断が難しくなるため、「株価が買値より5%下がったら売る」というように具体的なルールを決め、きちんと守ることが重要です。

●株価が割高になったとき

株価が本来の価値より高いと判断される場合、割高になると言います。指標として、一般的には株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)が使われます。

株価収益率(PER)は、企業の収益力に対する株価の水準を比較する指標です。「時価総額÷純利益」もしくは「株価÷1株当たり利益(EPS)」で算出します。PERが高いと割高で、低いと割安と判断されます。東証1部上場銘柄のPERは10倍から30倍程度が一般的です。同業他社のPERと比較したり、同銘柄で過去のPERと比較したりして、現在価値を判断して売り時を判断します。

株価純資産倍率(PBR)は、会社の資産価値に対して株価が何倍かを示した指標です。「時価総額÷純資産」もしくは「株価÷1株あたり純資産(BPS)」で算出します。一般的には1倍以下なら割安と判断されていますが、業種によっても平均値は異なります。そのため、同業他社や過去のPBRと比較することが大切です。

投資したい会社の指標を調べたり他の銘柄と比較したりするには、口座開設した証券会社のスクリーニング機能を使えば簡単です。対象業種を指定して複数の条件を組み合わせて利用することもできます。年に4回発行される会社四季報を書店で購入し、参考にするのも良いでしょう。

■株を買う時点で売り時を決めよう

投資の格言に、「もうはまだなり、まだはもうなり」というものがあります。もう売り時と思ったがまだ売り時ではなかった、まだ売り時ではないと思っていたが実はもう売り時だった、といった意味です。

それほど株の売り時の判断は難しいのですから、投資初心者は株を買う時点でいつ売却するかルールを決めておいた方が判断しやすくなります。

当初のルール通りに株を売却すると、その後も株価が上昇し後悔することがあるかもしれません。しかし、最初は「大損しないこと」が重要です。大損して投資自体が怖くなってやめてしまうことは避けたいものです。

経験や知識が増えたら、市場や保有銘柄の指標、株価チャートなどを見ながら、状況に応じた判断ができるようになるでしょう。

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