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カードローンの借り換えって可能?審査は厳しくなるの?

執筆者:中田 真(ファイナンシャルプランナー)

2021年5月28日

現在利用中のカードローンの金利を「高い」と感じ、より金利の低いカードローンへの借り換えを検討している方も多いのではないでしょうか。今回は、カードローンの借り換えのメリット・デメリット、注意点などについて解説します。

カードローンの借り換えってできるの?

まずはカードローンの借り換えについて確認してみましょう。

カードローンにおける借り換えとは

カードローンの借り換えとは、現在契約している(利用している)カードローンから、別会社のカードローンに借り換えることです。

例えば、現在契約しているカードローン会社がA社、借り換え先のカードローン会社がB社の場合で考えてみます。B社のカードローンを新規で契約し、B社から借りたお金で現在契約しているA社のカードローンを完済することで、A社のカードローンからB社のカードローンへ乗り換える(借り換える)ということになります。

カードローンの借り換えのメリット・デメリットは

カードローンの借り換えには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

借り換えにはどんなメリットがあるのか

カードローンの借り換えの主なメリットは、以下の通りです。

①毎月の利息負担額を軽減できる
現在契約しているカードローンよりも低い金利のカードローンに借り換えることで、毎月の利息負担額を軽減できます。また、毎月の利息負担額が減ることで、総返済金額も軽減できる可能性があります。

②返済方法の変更で毎月の返済金額を軽減できる
現在契約しているカードローンが元金定額方式(元金部分のみが一定で利息を合わせた金額)の場合、借り換え先のカードローンで元利定額方式(元金と利息を合わせた金額が一定)に変更することで、毎月の返済金額を軽減できる可能性があります。

例えば、毎月10,000円を返済する場合、元金定額方式の返済金額は「10,000円+利息分」となります。しかし、元利定額方式の返済金額は元金と利息分を合わせて10,000円となりますので、毎月の返済金額を軽減できます。

③返済の利便性が向上する
借り換え先のカードローンの返済方法などについて便利なサービスが提供されている場合は、返済の利便性が向上する可能性があります。

カードローン会社が提供している主なサービス例は、以下の通りです。

  • 口座振替(自動引落とし)で返済
  • 返済日が自由に選べる
  • 提携しているATMであれば、ATM手数料が無料

借り換えにはどんなデメリットがあるのか

カードローンの借り換えの主なデメリットは、以下の通りです。

①借り換え先の審査がある
カードローンの借り換えは、借り換え先のカードローン会社に新規で契約するということになるため、審査を受ける必要があります。新規契約の審査を通過しなければ、カードローンの借り換えは行えません。(カードローンの借り換え時の審査などについては、後述の「借り換え時の審査は厳しくなるのか?」を参照)

②総返済金額が増えることもある
返済方法の変更で毎月の返済金額を軽減できた場合でも、総返済金額は増える可能性があります。

例えば、元金定額方式から元利定額方式に変更した場合です。元金定額方式では元利定額方式より、返済する元金を早く減らせるため、借り換え前後の金利などによっては総返済金額が増えてしまう場合があります。

③返済期間が延びることもある
返済方法を変更し、毎月の返済金額を減らした場合、毎月の返済金額は少なくなり、返済期間が延びることになります。よって、返済方法の変更後は支払う利息が多くなる場合があります。

なお、カードローンを借り換える特典として、ポイントが付与されるなどのキャンペーンを行っているカードローン会社もあります。しかし、キャンペーンの内容だけで借り換え先のカードローン会社を選択するのではなく、デメリットや注意点などを考慮した上で、借り換え先のカードローン会社を選択しましょう。

カードローン借り換え時の注意点

現在契約しているカードローンの金利が低い、借入元本が少ない、借入期間が短いといったケースでは、カードローン借り換えに要する時間などを考慮すると、カードローン借り換えのメリットを感じられない場合もあるため注意が必要です。

借り換え時の審査は厳しくなるのか?

カードローンの借り換え時の審査は、総量規制(後述参照)の対象であり、現在契約しているカードローンなどに借入残高がある状態で行われるため、新規契約時と比較して審査が厳しくなる傾向があります。なお、審査基準は借り換え先のカードローン会社によって異なりますが、ローンの返済履歴や他社ローンの借入れ状況、年収、勤続年数などについて総合的に判断されるのが一般的です。

・総量規制とは
総量規制とは、借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐため、貸金業者から借りられるお金の総額に制限を設ける貸金業法の規制のことです。貸金業者からの借入残高が年収の3分の1を超える場合は、新たな借入れはできなくなります。例えば、利用者の年収が300万円の場合、貸金業者から100万円までしか借りられないということになります。

なお、総量規制の適用対象はカードローン会社だけでなく、消費者金融業者や信販会社なども含まれるため、消費者金融業者から借入れしている金額など、すべて合算した金額が総量規制の対象となります(銀行は貸金業者にはあたらないため、銀行からの借入れに関しては総量規制の適用外となります)。

カードローンの借り換えはメリット・デメリットなどを考慮する

カードローンの借り換えは毎月の返済金額や総返済金額を軽減できるなどのメリットがあります。しかし、借り換え先の審査を通過する必要があることや、借入れ先(返済方法)によっては、総返済金額が増える可能性があるなどのデメリットもあります。

カードローンの借り換えを検討する場合はメリット・デメリット、借り換える目的や効果などを考慮し、借入れ先を選択するとよいでしょう。

ライター:中田 真
顔写真:ライター:中田 真

プロフィール:
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。

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