投資信託とは?初心者の方に投資信託の仕組みや特徴を解説
執筆者:中田 真
2021年5月13日
「投資信託」という言葉は聞いたことがあるけど、実はよくわからない、もっとよく知りたいという投資初心者の方は少なくありません。今回は、投資信託の仕組みや特徴などについて解説します。
目次
投資信託とは?
投資信託とは、どのような金融商品なのでしょうか?
投資信託とは何か
投資信託とは、多くの投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめて、運用の専門家であるファンドマネージャーが株式や債券などに投資・運用を行い、運用の成果から生じた利益を投資家に還元する金融商品のことです。投資信託には多くの種類があり、投資対象などや運用方法などは投資信託によって異なります。
投資信託の特徴
1、少額から投資を始められる
株式や債券などに投資する場合は、ある程度まとまった資金が必要となりますが、投資信託では100円程度から投資することができます。
2、投資の専門家が運用する
株式や債券などに投資をする場合は、投資に対する知識や経験、多くの時間が必要となります。一方、投資信託では、運用の専門家であるファンドマネージャーが投資家に代わって運用します。
3、分散投資でリスクを軽減することができる
株式や債券などに投資をする場合は、株価や債券価格などが値上がりすれば大きな利益を得られますが、値下がりすると影響をそのまま受けてしまうため、大きな損失を負う可能性があります。一方、投資信託では、さまざまな資産や国、地域に分散投資を行うため、値下がりなどのリスクを軽減することができます。
4、個人では投資をするのが難しい資産や国、地域などに投資をすることができる
投資信託では、個人では投資をするのが難しい新興国の株式や債券、特殊な金融商品などにも投資できます。
投資信託の仕組みはどうなっている?
投資信託には、契約型と会社型の投資信託があります。個人の投資家が取引する投資信託は前者の契約型の投資信託です。契約型の投資信託の仕組みについて、以下で確認してみましょう。
投資信託の仕組み
契約型の投資信託は、委託会社(投資信託委託会社)、受託会社(信託銀行)、販売会社(証券会社や銀行など)、投資家(受益者)から成り立っています。
【委託会社(投資信託委託会社)】
投資信託を設定し、運用面での全責任を持っています。
委託会社は、受託会社(信託銀行)に対して運用の指図を行い、受託会社は委託会社の指図通りに株式や債券などの売買を行います。
【受託会社(信託銀行)】
受託会社は投資信託の財産の保管・管理を行っており、委託会社の指図に基づいて、実際に株式や債券などを売買し、保管・管理します。なお、投資信託の運用や保管・管理については、委託会社と受託会社の間で結ばれる信託契約に基づいて行われます。
【販売会社(証券会社や銀行など)】
投資信託を実際に募集・売買を行っている金融機関となります。投資家(受益者)は、販売会社を通じて投資信託の売買などを行いますので、投資家(受益者)の窓口となるのは販売会社ということになります。
【投資家(受益者)】
投資家は、投資信託を購入することで投資信託の受益者となります。受益者は、投資信託の利益を受ける権利(収益分配金や償還金を受け取る権利など)を持つ人のことです。
基準価額
基準価額は、1日に1回更新される投資信託の価額のことで、投資信託を買い付けたり換金したりする場合は、基準価額が基準となります。多くの投資信託では、1万口当たり(1口当たりの場合もあり)の金額となります。
基準価額の算出方法
基準価額は、純資産総額(※1)を受益口数(投資信託を保有している人が持っている総口数)で割ることで計算されます。なお、基準価額は、投資信託の運用会社で営業日毎に算出され、購入した販売会社やファンドの運用会社のホームページなどで確認できます(株価や外国為替などのように、市場が空いている間に絶えず値動きするものではなく、1日に1回だけ算出され公表されます)。
- ※1総資産総額とは、投資信託で運用している株式や債券などの時価評価額に、利息や配当などの収入を加え、運用に必要な諸経費などを差し引いた金額のことになります。
投資信託を始める前にリスクの確認を
投資信託は、少額から始められる、運用の専門家であるファンドマネージャーが投資家に代わって運用する、さまざまな資産や国・地域に投資を行うため分散投資の効果(リスクを軽減する)があるなどの理由から、投資初心者の方でも投資を始めやすい金融商品となっています。
ただし、投資信託は、預貯金などのような元本が保証された金融商品ではありません。投資信託を購入する前に、投資対象となる投資信託にどのようなリスクがあるのかなどについて、目論見書や契約締結前交付書面等で確認・理解したうえで、自己の判断と責任により購入する必要があるといえるでしょう。
- ※投資は自己責任でお願いします。