【初心者必見】株を購入するときに手数料はかかるの?
執筆者:中田 真
2021年4月13日
株式投資を行う時のルールは、株式投資初心者にとってわかりにくい部分が多いもの。今回は、株を購入する時(売却する時)の手数料や流れ、税金などについて解説します。
目次
株式を購入する時の流れ
まずは株式を購入する時の流れを確認してみましょう。
株式を購入するまでのフローを説明
株式投資を初めて行う場合は、株式を購入するための資金や購入した株を預けておく「証券口座」を証券会社に開設する必要があります。証券口座は、以下の3種類です。
【一般口座】
確定申告が必要で、譲渡損益の計算も自分で行います。
【特定口座(源泉徴収なし)】
確定申告が必要ですが、譲渡損益の計算は証券会社が行ってくれます。
【特定口座(源泉徴収あり)】
確定申告が不要(税金は源泉徴収されます)で、譲渡損益の計算は証券会社が行ってくれます。
特定口座(源泉徴収あり)は確定申告が不要なため、株式投資初心者や税金についての知識が少ない場合に選択するとよいでしょう。
証券会社に証券口座を開設した後の株式購入の流れは、以下の通りとなります。
1、株式を購入するための資金を証券口座に入金する
入金方法は主に、「銀行振込」「振替入金」「インターネット入金」の3種類となります。
2、購入する株式を選ぶ
株式投資金額(最低投資金額など)やキャピタルゲイン(株を売却することによって得られる売買差益)、インカムゲイン(配当や株主優待など)を得るなど、株式投資をする目的や自分の株式投資スタイルなどから購入する株式を選びます。
3、株式を購入するための注文を出す
株式を購入する注文では、購入する銘柄(銘柄コードなど)、株数(何株購入するのか)、注文方法(※)を指定します。
- ※株式を購入するための主な注文方法は、以下の2つです。
【指値注文】
指値注文は、購入(売却)値段を自分で指定して注文する方法で、買い注文であれば指値(自分で指定した株価)以下の株価、売り注文であれば指値以上の株価にならなければ絶対に注文が成立しないという特徴があります。
例えば、「株価が300円の時に1,000株買う」という指値注文をした場合、株価が300円以下にならなければ注文は成立しません。一方、「株価が300円の時に1,000株売る」という指値注文をした場合、株価が300円以上にならないと注文は成立しないということになります。
指値注文は、自分で指定した値段(株価)で買ったり売ったりできるというメリットがあります。しかし、自分で指定した値段(株価)にならないと売買注文が成立しないため、売買のチャンスを逃してしまうというデメリットもあります。
【成行注文】
成行注文は、購入(売却)値段を指定しないで注文する方法です。買い(売り)の成行注文をした時に出ている最も低い価格の売り注文(最も高い価格の買い注文)に対して、即座に注文が成立するという特徴があります。
例えば、買いの成行注文をした時の株価が300円であっても、その時に出ている最も低い売りの注文が310円であれば、買いの成行注文は310円で成立することになります。一方、売りの成行注文をした時の株価が300円であっても、その時に出ている最も高い買いの注文が290円であれば、売りの成行注文は290円で成立することになります。
成行注文は注文後すぐに売買が成立しやすいというメリットがある一方、想定していない金額で売買注文が成立してしまう可能性があるというデメリットもあります。
4、取引が成立する
指定した注文内容で取引が成立すると、指定した内容(銘柄や株数)で株式が購入できます。しかし、指定した注文方法などによっては取引が成立しない(株式が購入できない)場合もあります。なお、取引が成立することを約定(やくじょう)といいます。
株式を購入する時に手数料はかかる?
株式を購入する際の手数料について確認しましょう。
手数料はかかるのか
一般的に株式の購入時(売却時)に手数料はかかりますが、金額は証券会社によって異なります。手数料の金額は以下のような要因で決められる場合が一般的です。
- 証券会社(総合証券、ネット証券など)
- 取引(注文)スタイル(店舗窓口、証券会社の営業員、コールセンター、インターネットなど)
- 証券会社が指定する単位(1回、1日など)での取引成立金額(約定金額)
なお、証券会社が指定する単位(1回、1日など)での取引成立金額(約定金額)が一定金額以下であれば、株式の購入時(売却時)の手数料が無料という証券会社もあります。
どのタイミングでいくらかかるのか
基本は、株式の購入時(売却時)ごと(1注文ごと)に手数料が発生します。
例えば、1注文の取引成立金額(約定金額)が100万円以下の場合の手数料が1,000円だとします。株価1,000円の株を100株で購入・売却(取引が成立)した際の手数料は、以下の通りです。
- 株価1,000円の株式を100株購入時の手数料: 1,000円
(1,000円×100株=100,000円<100万円) - 株価1,000円の株式を100株売却時の手数料: 1,000円
(1,000円×100株=100,000円<100万円)
この株式100株を購入・売却(取引が成立)した場合の手数料総額は2,000円(購入時1,000円+売却時1,000円)ということになります。
ただし、手数料が発生する単位が1回以外(1日など)となっている場合は、その単位で購入・売却(取引が成立)した金額の合計によって、証券会社が指定した手数料が発生します。
株式購入・売却時に税金はかかる?
個人が株取引を行って利益が出た場合は、その利益の金額に応じて税金を納付する必要があります。
株取引で税金は発生するのか
株式投資で得られる主な利益は、株式の売却によって得られる譲渡益(値上がり益)と、企業から利益の一部として株主に分配される配当金があります。
株式の購入時に税金はかかりません。しかし、株式の売却時に譲渡益(値上がり益)が発生する場合は、その譲渡益(値上がり益)に対して課税(他の所得の金額と区分して税金を計算する申告分離課税)されます。
譲渡益(値上がり益)・配当金に対して課税される税金の納税方法は、以下の通りです。
- 譲渡益(値上がり益)
原則として確定申告を行うことにより、税額を納付することになります。株式取引を「特定口座(源泉徴収あり)」で行っている場合は、証券会社が税金を源泉徴収して納税するため確定申告が不要となります。
- 配当金
税金は源泉徴収されるため、確定申告は不要です。ただし、確定申告することも可能で、その場合は課税方式を総合課税(配当控除の適用あり)、または申告分離課税(上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能)から選択できます。
株取引で税金が発生するとしたら、いつどのような税金が発生するのか
譲渡益(値上がり益)・配当金には所得税・住民税が課税され、税率は共に20.315%(所得税15.315%、住民税5% ※復興特別所得税を含む)となっています。ただし配当金については、確定申告で総合課税を選択した場合、累進課税(所得に応じた税率で課税)とすることもできます。
- ※復興特別所得税
東日本大震災の復興に必要な財源の確保に関する特別措置法に基づき、2037年まで特別復興所得税として、各年分の所得税の額に2.1%を乗じた金額が追加的に課税されます。
株式投資において手数料は証券会社選びで重要なポイントの一つ
株式の購入時(売却時)には基本的に手数料が発生しますが、手数料の金額は証券会社によって異なります。総合証券会社では、店舗や営業員などに対して株式の売買注文や相談などを行えますが、ネット証券会社と比較して手数料は割高という傾向があります。
手数料は得られる利益に直結しますので、株式投資において手数料は証券会社選びで重要なポイントの一つといえます。