【初心者必見】一般NISAとは何か?徹底解説
執筆者:中田 真
2021年4月13日
「NISA」という言葉を聞いたことはあっても、制度の内容についてはよくわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、2023年までのNISA(一般NISA※1)の制度やメリット・デメリットなどについて、解説します。
- ※1一般NISAについては令和2年度(2020年度)税制改正に伴い、2024年から新しい制度(2階建ての制度)に変更される予定です。
目次
一般NISAってなに?
NISAとは、2014年1月にスタートした少額で投資を行う方のための非課税制度(少額投資非課税制度)です。NISA(少額投資非課税制度)では、上場株式や投資信託などの売買益、配当金などに対する税が非課税となる税制優遇を受けられます。
NISA(少額投資非課税制度)には、一般NISA、ジュニアNISA、つみたてNISAの3種類があります。それぞれ非課税投資枠や、非課税期間などが異なります。一般NISAは口座開設する年の1月1日において、満20歳以上の居住者等であれば利用でき、年間非課税投資枠は120万円、非課税期間は最長5年間です。
一般NISAの特徴
一般NISAとつみたてNISAの主な違いについて確認します。
- 年間非課税投資枠
一般NISA:120万円
つみたてNISA:40万円
- 非課税期間
一般NISA:最長5年間
つみたてNISA:最長20年
- 投資方法
一般NISA:スポット購入・積立方式
つみたてNISA:積立方式のみ
- 投資対象商品
一般NISA:国内株式、外国株式、投資信託など
つみたてNISA:金融庁の基準を満たした投資信託のみ
(長期の積立や分散投資に適した投資信託に限定されている)
一般NISAは、つみたてNISAより非課税期間が短いですが、株式に投資できます。また、年間に投資できる金額も大きいため、「一度にまとまった金額で投資したい方」「個別株式に投資したい方(値上がり益や株主優待狙いなど)」に向いているといえます。
一般NISAのメリット・デメリット
一般NISAの主なメリットとデメリットは、以下のとおりです。
【一般NISAの主なメリット】
- 年間120万円の範囲で投資した金融商品などから得た利益(譲渡益や配当金など)に対する税金が非課税となる
- 5年間の非課税期間が終了しても、保有している金融商品などを翌年の非課税投資枠に移す(ロールオーバーする)ことができる
- ※ロールオーバー
ロールオーバーとは、非課税期間が終了した後、一般NISA口座で保有している金融商品などを翌年の非課税投資枠に移行(移管)すること。時価が120万円を超過している場合でも、すべてを翌年の非課税投資枠に移せます。
【一般NISAの主なデメリット】
- 一度利用した年間非課税投資枠は元に戻らない
例:120万円の年間非課税投資枠で購入した株式20万円を売却したとしても、その年の非課税投資枠は120万円-20万円=100万円ということになる - 損益通算ができない
一般NISAの取引で発生した損失は、他の口座(課税口座)の利益と損益通算ができない
例えば、課税口座Aの利益50万円と課税口座Bの損失50万円では損益通算できるため、課税口座Aの利益50万円に対して課税されません(課税口座Aの利益50万円と課税口座Bの損失50万円を相殺)。一方、課税口座Aの50万円の利益と一般NISA口座の損失では損益通算できないため、課税口座Aの利益50万円に対して課税されることになります。
また、一般NISA口座の損失を翌年以降に繰り越しすることもできません。
一般NISAのポイント
一般NISAの主なポイントについて見ていきます。
配当金・分配金・譲渡益が非課税
一般NISAで取引した上場株式、株式投資信託などの配当金や分配金、譲渡益などにかかる税金が非課税となります。
非課税期間が最長5年
非課税期間は5年間(投資した年から数えて5年目の年末まで)です。また、非課税期間が終了しても、保有している金融商品などを翌年の非課税投資枠に移す(ロールオーバーする)ことはできますが、翌年の非課税投資枠は移した分少なくなります。
年間120万買付可能
一般NISAの年間非課税投資枠は120万円です。なお、未使用の非課税投資枠があった場合でも、翌年以降に未使用分を繰り越すことはできません。
原則1人1口座
NISA口座は、原則として1人1口座です。一般の証券口座のように1人で複数の口座を開設することはできません。また、NISA口座を開設した金融機関は、1年単位で変更できます。
NISAを利用した投資で大切なこと
NISA(少額投資非課税制度)を利用する最大のメリットは、上場株式や投資信託などの売買益、配当金などが非課税となる税制優遇を受けられる点です。しかし、一般NISAの取引で損失が発生した場合は、他の口座(課税口座)の利益と損益通算ができないため、損失が確定してしまうというデメリットもあります。
一般NISAを利用する場合はメリット・デメリットを理解したうえで、投資を行う必要があります。