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【初心者必見】投資信託の利回りとは?利率の違いや計算方法

執筆者:中田 真

2021年4月2日

投資において重要となるのは、投資する資金がどのくらいの利益を生むのかということです。そのため、投資信託の選択において利回りは重要なポイントとなります。今回は投資信託の利回りや、利回りと利率の違いなどについて解説します。

目次

投資信託について

投資信託は、複数の投資家から集められる資金を、運用の専門家であるファンドマネージャーがさまざまな投資対象(株式や債券など)に投資し、運用した成果として得られる収益を投資家に分配・還元する金融商品です。また、投資信託は少額の投資で分散投資の効果を得られる(リスクが分散される)という特徴もあります。

投資信託の利回りとは?

利回りとは、投資した金額に対する収益の割合のことです。投資信託の収益には、投資信託を売却(換金)したときに得られる売却(換金)益だけでなく、投資家に分配・還元される分配金も含まれます。一般的に、「1年間の年利回り」のことを利回りと指す場合が多いでしょう。

利回りと利率の違い

利率は債券や預金などに使われる言葉で、投資金額(元本)に対する利息(利子)の割合のことです。利回りは「売却(換金)益や利息、分配金などを含めた総合的な収益の割合」であるのに対して、利率は「利息(利子)のみの割合」という違いがあります。

利回りと混同しやすい投資用語

【騰落率】
騰落率は、投資信託の基準価額が一定期間にどのくらい値上がり・値下がりしたかを変動率(変化率)で表したものになります。例えば、基準価額が10,000円の投資信託が1年後に11,000円に値上がりした場合の騰落率は、「10%」ということになります。

  • 投資信託の基準価額
    投資信託の基準価額は、投資信託の1口当たりの値段のことを指します。投資家が投資信託を購入・換金する場合は基準価額で取引します。

【パフォーマンス】
パフォーマンスは、投資信託の運用の指標であるベンチマークと比較してパフォーマンスが良い=ベンチマークより利回りが良い(高い)、パフォーマンスが悪い=ベンチマークより利回りが悪い(低い)という形で使われるのが一般的です。

例えば、投資信託の利回りが10%なのに対し、この投資信託のベンチマークの利回りが5%の場合、ベンチマークより利回りが良い(高い)ということになります。この場合、パフォーマンスが良いという評価になります。

  • ベンチマーク
    投資信託のベンチマークとは、投資信託が運用の指標としている基準・指数のこと。日本の株式に投資する投資信託であれば日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数、債券に投資する投資信託であれば債券指数などが用いられます。

利回りの計算式

投資信託の収益には、投資信託を売却(換金)したときに得られる売却(換金)益だけでなく、投資家に分配・還元される分配金も含まれます。そのため、収益は「売却(換金)益+分配金」で計算します。

【投資信託の利回りの計算式】
利回り(%)=収益(売却(換金)益+分配金)÷運用年数÷投資金額×100

  • 投資信託の利回りの計算例

売却(換金)益:10,000円
分配金:50,000円
運用年数:3年
投資金額:500,000円
利回り(%)= 収益(10,000円+50,000円)÷3年÷500,000円×100 = 4%

実際には、投資信託の取引を行う際にかかるさまざまな費用を考慮する必要があります。主な費用としては、購入時に販売手数料、運用時に信託報酬や税金、売却(換金)時に税金や信託財産留保額がかかります。

【費用などを考慮した投資信託の利回りの計算式】 利回り(%)=(売却(換金)益+分配金-販売手数料-信託報酬-信託財産留保額-税金)÷運用年数÷投資金額×100

  • 投資信託の主な費用
    【販売手数料】
    購入時に販売会社に支払う費用
    (販売会社によっては、この費用が発生しない場合もあります)

    【信託報酬(運用管理費用)】
    投資信託を保有している間、投資信託の管理・運用経費として支払う費用

    【信託財産留保額】
    投資信託の換金(解約など)をする際に、手数料とは別に発生する費用
    (投資信託によっては、この費用が差し引かれない場合もあります)

利回りの平均はどのくらい?

投資信託によって投資対象や投資場所(日本国内・海外など)が異なるため、利回りの平均を求めるのは難しいといえます。投資信託の利回りについては、過去の利回りなどを個別に確認するとよいでしょう。

投資信託を選ぶ際、利回りで理解しておきたいこと

1、利回りだけで判断しない
投資信託を選ぶ際は利回りに注目しがちですが、利回りが良く(高く)てもベンチマークより利回りが悪い(低い)場合は、その投資信託の評価は「パフォーマンスが悪い」ということになります。騰落率やパフォーマンスなども考慮に入れて、総合的に判断するようにしましょう。

2、手数料などの費用を考慮した利回りで判断する
実際の投資信託の取引ではさまざまな費用がかかりますので、手数料などの費用を考慮した利回りで判断しましょう。例えば、運用成績が良い投資信託であっても、信託報酬などの費用が高ければ実際に得られる利益は少なくなってしまいます。

3、利回りの高低は、リスクの高低に比例する
一般的に利回りが高い投資信託はリスクも高く(ハイリスク・ハイリターン)、利回りが低い投資信託はリスクも低い(ローリスク・ローリターン)という傾向があります。自分の投資方針や、投資目的に合った利回りの投資信託を見つけるとよいでしょう。

利回りだけでなく総合的な判断を

投資信託を選ぶ際に、利回りは重要なポイントとなります。しかし、利回りだけで判断するのではなく、騰落率やパフォーマンス、手数料などの費用を考慮した利回りから総合的に判断することがおすすめです。

ライター:中田 真
顔写真:ライター:中田 真

プロフィール:
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。

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