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寄付文化根付くきっかけに?増える「良いこと」へのお金の使い方

執筆者:冨士野喜子(ファイナンシャルプランナー)

2021年1月15日

あなたは寄付をしたことがありますか?内閣府が発表した「市民の社会貢献に関する実態調査(令和2年)」によると、2018年の1年間に「寄付をしたことがある」と回答したのは全体の41.3%、寄付したことがある人の寄付金額の平均値(年間)は3万9,569円でした。

長引く不況の中ではありますが、「人や社会のためにお金を使う」寄付には、どのような良さがあるのでしょうか。寄付の現状、方法やメリットについて見ていきましょう。

■日本の寄付市場

日本ファンドレイジング協会「寄付白書2017」によると、日本の個人寄付総額は7,756億円です。諸外国と比較すると、韓国6,736億円、イギリス1兆5,035億円、アメリカにいたっては30兆6,664億円 と、日本の約40倍の規模の個人寄付が集まっています。

また、名目GDPに占める寄付の割合を見ても、韓国0.5%、イギリス0.54%、アメリカ1.44%に対して、日本は0.14%と諸外国に比べると割合が低いのが現状です。

しかし、インターネットが普及したことで生まれた「クラウドファンディング」という新たな方法や、都道府県や市町村への寄付を行う「ふるさと納税」の登場によって、寄付のハードルは低くなったように思います。

ふるさと納税においては、2018年度の受入額実績が対前年度比1.4倍、2013年度と比較すると約35倍にまで増えています。(総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和元年度実施)」より)

■寄付することのメリットや効果

寄付することのメリットや効果にはどのようなものがあるのでしょうか。前述の内閣府の調査によると、寄付をした理由で最も多いのが「社会の役に立ちたいと思ったから」(59.8%)です。お金の支出と幸福感の関係性についての研究によると、自分のために使うよりも、寄付や他人へのプレゼントにお金を使った方が幸福度は高まるようです。寄付には自分の幸福度を高める効果があるのです。

また、心理面だけでなく経済面でも寄付することのメリットはあります。寄付先が公益社団法人や特定NPO法人などの場合は「寄附金控除」の適用を受けることができます。1年間の寄付金額(もしくは総所得金額の40%相当額のどちらか少ない金額)から2,000円を引いた金額が所得控除となり、所得税や住民税が安くなります。「ふるさと納税」の場合は、さらに「特例分」が上乗せされるので、還付額が多くなるメリットもあります。

寄附金控除の適用を受けるには、寄付した団体から受け取った受領書(領収書)などを準備し、確定申告が必要となるので、対象となる場合は忘れないように手続きしておきましょう。

■寄付先は、どうやって選ぶ?ポイントも使える?

寄付をするには、街頭募金やレジ横の募金箱からでも可能です。また、現金を寄付するのではなく、発展途上国の商品を購入することで、現地の生産者の労働環境や生活水準を守る「フェアトレード」という形の支援もあります。

また、慈善団体への寄付だけでなく、個人や企業など大小問わず、新しいサービスや街おこしなどのプロジェクトに対する支援を呼びかける「クラウドファンディング」があり、発案者への資金提供や商品購入などをすることで、人の役に立つお金の使い方をすることもできるようになり、寄付先は広がっています。

寄付金控除の活用を考える場合や、活動内容に共感できる団体を選びたい、寄付したお金がどのように使われたかきちんと確認したい、という場合は、寄付サイトで希望に合う団体を見つけるのも良いでしょう。

寄付金の支払い方法は、銀行振り込み、クレジットカード決済など、寄付先の団体によって異なります。寄付金額の最低金額が設定されていない団体もあり、気軽に行うことができます。

また、クレジットカードや携帯会社で貯めたポイントを寄付に使えることもあるので、「ポイントの期限が切れそうだけど、使いみちがない」というポイントなどは、社会貢献事業へ寄付することで有効に無駄なく使うこともできます。

寄付の回数は、1回のみの寄付ではなくクレジットカードや銀行引き落としで、毎月定額の寄付ができるプロジェクトもあり、継続的な支援も可能です。

■無理なく支援の輪を広げよう

「寄付」と聞くと難しく考えてしまいがちですが、少しの支援でも助かる人はいます。寄付することで、誰かに喜んでもらえる良いお金の循環を作っていけると良いですね。

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