【初心者必見】株価チャートの見方
執筆者:中田 真
2020年12月14日
株価が高いのか安いのかを判断するために重要なものの一つが、「株価チャート」です。今回は、株式投資の精度を高める上で欠かせない株価チャートの見方を解説します。
目次
株価チャートとは?
まずは、そもそも株価チャートとは何なのかを見ていきましょう。
チャートとはなにか
チャートとは、グラフや図式のことです。株価チャートは、一定期間の株価の推移をグラフ化し、数値だけではイメージしにくいものを視覚的に分かりやすくしたものです。
どういうときに見るものなのか
株価チャートは、現在の株価が高いのか安いのかの判断や、今後の株価の値動きの予想を行う際に用いられます。
株価チャートについて
株価チャートは、株の分析方法である「チャート分析」で用いられます。
チャート分析とは、「過去の株価データをもとに将来の株価を予測する分析手法」です。株価の上昇・下落傾向を予測する「トレンド系」の分析、株価が買われ過ぎなのか、売られ過ぎなのかを分析する「オシレーター系」の分析などがあります。
株価チャートでは、過去の株価の傾向や伸びを細かく把握できます。株価チャートを分析することで、より精度の高い分析が可能となります。
どんなグラフが使われるか
株価チャートは、一般的に「ローソク足(1本で一定期間の値動きを表した図)」「移動平均線(一定期間の終値の平均値)」「出来高(一定期間に売買が成立した株数)」などで構成されています。
グラフの各要素の意味
株価チャートを構成する一般的な要素について確認してみましょう。
【ローソク足】
ローソク足は、1本が一定期間の株価の値動きを表した図です。図の形状がローソクに似ていることから、ローソク足と呼ばれています。ローソク足は、株価の値動きを表すものとして2種類、株価を表すものとして4種類(4本値)あります。
- 値動きを表すもの
1.陽線(ようせん)
一定期間において始値より終値の方が高い場合、通常「白(白ぬき)」で表されます。
2.陰線(いんせん) 一定期間において始値より終値の方が安い場合、通常「黒(黒塗り)」で表されます。
- 株価を表すもの(4本値)
1.始値(はじめね)
一定期間において、最初に取引された価格です。
2.終値(おわりね)
一定期間において、最後に取引された価格です。
3.高値(たかね)
一定期間において、最も高く取引された価格です。
4.安値(やすね)
一定期間において、最も安く取引された価格です。
高値と安値が始値と終値の間に収まらない場合、ローソク足の上下にヒゲと呼ばれる線で高値と安値を表します。また、ローソク足で表される期間は、以下の通りとなります。
- ローソク足で表される期間
1.分足(ふんあし) 分単位の株価の動きを示します。 (一般的に、1分、3分、5分単位などの選択が可能です)
2.日足(ひあし)
日の株価の動きを示します。
(1日単位など)
3.週足(しゅうあし)
週の株価の動きを示します。
(1週間単位など)
4.月足(つきあし)
月の株価の動きを示します。
(1ヶ月単位など)
5.年足(ねんあし)
年の株価の動きを示します。
(1年単位など)
【移動平均線】
一定期間の終値の平均値を線にしたもので、短期・中期・長期の3パターンの期間に分けられます。
- 一般的な期間の例
短期:日足(5日)、週足(13週)、月足(12ヶ月)
中期:日足(25日)、週足(26週)、月足(24ヶ月)
長期:日足(75日)、週足(52週)、月足(60ヶ月)
【出来高】
一定期間に売買が成立した株数を表したものになります。
株価チャートの見方
こちらは株価チャートの例です。株価チャートを構成する要素の一般的な見方は、以下のとおりとなります。
【ローソク足】
買い方の勢いが売り方より強い場合の「陽線」、売り方の勢いが買い方より強い場合の「陰線」、株価を表す「始値、終値、高値、安値」から、一定期間の株価の値動きの傾向を読み取れます。
【移動平均線】
短期・中期・長期など期間の株価の推移を確認することで、各期間の株価の傾向(上昇傾向・下降傾向など)や、売買のタイミングなどを把握できます。
【出来高】
一定期間に売買が成立した株数を確認することで、売買が活発なのか否かの傾向や、株(銘柄)の人気度や勢いなどの把握、株価の予測などを行えます。
どのようなトレンドが存在するか
トレンド(株価の方向性)は、大きく3種類に分けられます。
1.上昇トレンド
一定期間において株価が上昇傾向を続けている状態で、一定期間において「陽線」の数が多いという特徴があります。
2.下降トレンド
一定期間において株価が下落傾向を続けている状態で、一定期間において「陰線」の数が多いという特徴があります。
3.もみ合い(ボックストレンド)
一定期間において株価の変動が少なく、小さい上昇と下降を繰り返している状態となります。
それぞれのトレンドごとの考え方や解釈のポイント
上昇トレンドでは株価が一時的に下降したとしても、下降したときの安値を割らずに上昇する傾向があります。
一方、下降トレンドでは株価が一時的に上昇したとしても、上昇したときの高値を抜かない傾向があります。
一般的には、この状態が継続している間は、上昇トレンド・下降トレンドは変わらないと考えることができます。ただし、上昇トレンド・下降トレンドが反転する前兆が確認される場合は、その後の値動きに注意する必要があります。
また、もみ合い終了後、急激に上昇・下降トレンドに移行する可能性があります。株式投資初心者であれば、相場の方向性を確認してから取引を行うという選択肢も検討しましょう。
株価チャートはどこで見られる?
株価チャートはウェブサイトで見ることができます。また、証券口座を開設した証券会社で提供されているソフトウエアやアプリで見ることもできます。
一般的に株価チャートはどこで見るのか
証券会社で提供されているソフトウエアやアプリで見るのが一般的です。ただし、利用が有料(有償)の場合もあります。
株価チャートを理解し活用しよう
将来の株価予測に役立つ株価チャートは、絶対的なものではありませんが、株式投資の精度を高めるのに有効です。株価チャートの見方を正しく理解し、株式投資に活用しましょう。