貯め期とは?人生に4回あるお金を貯める時期を把握しよう
執筆者:木崎涼(ファイナンシャルプランナー)
2020年11月12日
お金の貯めやすさは、ライフステージによって変わります。それぞれの「貯め期」を逃さず貯蓄することで、効率的な資産形成が可能になります。この記事では、4つの貯め期を紹介するとともに、具体的な貯蓄方法をお伝えします。賢く貯蓄し、お金に関する不安を解消しましょう。
人生に4回あるお金の「貯め期」とは?
まず、4つのお金の「貯め期」を紹介します。
実は20歳になるまでの子ども時代も、お金の貯め期といわれています。ただ、お年玉やお小遣い状況は家庭によっても異なるため、今回は社会人になってからの貯め期を中心に紹介します。
●貯め期1. 独身時代
1回目は、就職してから結婚するまでの間です。
一人暮らしをする場合でも、工夫次第で生活費を抑えることは可能です。給与が少ないうちに支出をしっかり見直し、昇給してもそのままの生活を維持できれば、昇給分をそのまま貯蓄に回せます。
●貯め期2. 共働き時代
2回目は、結婚してから子どもができるまでの間です。
最近では共働きの家庭が増えてきました。二人暮らしになって生活費が一緒になると、「一人暮らし×2人分」より支出を抑えられます。お金について夫婦で話し合う機会を持ち、目標を決めて本格的に貯蓄をスタートしましょう。
●貯め期3. 出産から復職後
3回目は、出産後の育児休暇が明け、復職して再び共働きになったときです。
2019年10月から保育園が無償化されました。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査の結果について」によると、学費や学校外活動費等を含めた年間の学習費は、公立幼稚園が22万3,647円、公立小学校が32万1,281円です。子どもが小さいうちは、支出をコントロールすることで一定額の貯蓄を継続できます。
しかし、小学校高学年になると、成長期に差し掛かり食費が増えます。中学で部活動や習い事を始めるとさらに出費も増え、高校受験に向けて塾代がかかることもあるでしょう。こういった理由から、公立中学校の年間の学習費は48万8,397円と小学校より高額になります。
出産して復職した後は、子どもが小学生のうちに少しでも貯蓄をしておくようにしましょう。この時期に貯蓄することで、高校・大学の進学の選択肢も増えるはずです。仕事と家庭の両立で悩む時期でもありますが、家計管理をおろそかにせず、しっかり貯蓄を継続することが大切です。
●貯め期4. 子どもの独立後
4回目は、子どもが大学を卒業し、就職したときです。
定年退職を迎えるまでの間は、再び夫婦二人の生活になります。老後への備えについて本格的に検討を始める時期でもあるので、ライフプランを立て、計画的に貯蓄しましょう。
手取りの何パーセントを貯蓄に回す?平均貯蓄率を紹介
総務省の「家計調査結果(2019年、総務省統計局)」によると、1ヵ月の実収入の平均は58万6,149円です。これは夫婦の給与、月割にした賞与、臨時収入等を含めた金額です。ここから社会保険料や税金等を差し引いた可処分所得の平均は、47万6,645円です。そして、生活費が32万3,853円で、黒字額は15万2,792円となります。
- (※)二人以上の世帯のうち勤労者世帯の場合
手取り額に対する平均貯蓄率は、下記の計算式で推定できるでしょう。
黒字額15万2,792円 ÷ 手取り額47万6,645円 = 32%
賞与も含めた貯蓄率なので、毎月の手取り額から32%を貯蓄に回すのは難しいかもしれませんが、1つの目安になります。
貯め期を生かして賢く貯蓄しよう
貯め期を生かして貯蓄したいなら、「先取り貯蓄」を検討してみてください。残った分を貯蓄に回そうとしても、なかなか思うように貯蓄はできません。先に貯蓄し、残ったお金でやりくりする習慣が身につけば、ストレスなく着々と資産を増やしていけるはずです。
先取り貯蓄には、さまざまな方法があります。例えばつみたてNISAの制度を活用すれば、一定額の投資までなら運用益が非課税になります。約20%の税金がかからないメリットは大きいので、投資初心者はぜひ検討してみてください。
また、外貨を毎月自動で積み立てたり、毎月一定額を拠出しロボアドバイザーに運用を任せたりといった方法もあります。
今が人生の貯め期なら、自分に合った方法で「先取り貯蓄」をスタートし、賢く資産形成しましょう。