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日経平均とTOPIXとは?それぞれの特徴と違いは?

執筆者:auカブコム証券株式会社

2020年11月11日

相場の全体感を確認するには?

株式相場の全体感を判断するには個別銘柄の値動きではなく、株価指数の動きを見ることが一般的です。
日本に株価指数は数多くありますが、代表的な株価指数といえば「日経平均株価(以下日経平均)」と「東証株価指数(以下TOPIX)」ではないでしょうか。
この2つの指数に関しては、「どちらもよく聞くけれど、違いが分からない」「どちらを見るべきなのか分からない」などの疑問を持った方も多いと思います。

この記事では「日経平均」と「TOPIX」特徴と違い、どのようなときにどちらを見るべきかをご説明します。

目次

日経平均とは

日経平均(日経平均株価)とは東京証券取引所第一部上場銘柄のうち、市場を代表する225銘柄を対象とした相場全体の流れをつかむ株価指標として最も利用されている代表的な株価指数です。
戦後、東京証券取引所が再開された1949年5月16日の単純平均株価176円21銭より算出されており、投資家だけでなく一般の人にも親しまれています。
日経平均株価は東証一部上場の225銘柄を構成銘柄として、それらの銘柄の株価の単純平均をベースに新株落ち分を修正して株価に連続性を持たせています(日経225=225銘柄の株価合計÷除数)。
その修正方式がアメリカのダウ・ジョーンズ社の開発したものなので、かつては日経ダウと呼ばれていましたが、1985年5月にその権利を日本経済新聞社が買い取り、株価の算出と発表をするようになりましたので、日経平均株価となっております。

おそらく報道等で最も目耳にする株式に関する情報が日経平均ではないでしょうか?
その為注目度も高く、株式先物取引や株式オプション取引でも代表的な指数として利用されています。

また、以下の手順で採用銘柄の除外及び定期見直しを行っています。

定期見直し、見直し手順

  • ① 市場流動性の計測
  • ② 高流動性銘柄の採用と低流動性銘柄の除外
  • ③ セクターバランスによる採用・除外

臨時入れ替え対象事由

  • ・ 整理銘柄への指定
  • ・ 被合併、株式移転、株式交換など企業再編に伴う上場廃止
  • ・ 第2部への指定替え

出所:日経平均株価 算出要領 - 日経平均プロフィル - 日本経済新聞

その為、採用銘柄にはある程度の信頼が担保されているといえるでしょう。

日経平均は一部の銘柄の影響を受けやすい?

日経平均の特徴をみる上で注目したいのは次の2つの点です。

  • ・ 対象銘柄は225銘柄
  • ・ 株価の単純平均をベースに算出している

日本を代表する株価指数がわずか225銘柄を対象にしていることに驚く方もいるかもしれません。
東京証券取引所に上場している銘柄は4000銘柄以上あります。
そのうちの1割にも満たない銘柄の動きを参照して算出しているのが日経平均なのです。
また、株価の単純平均をベースに算出しているため、株価の高い銘柄の影響を大きく受けることになります。
表1は日経平均の動きに影響を与える上位10銘柄です。

図

なんと上位10銘柄で日経平均に占めるウエートが38%にもおよぶことが分かります。
そして1位のファーストリテイリング(9983)だけでも1割近いウエートを占めています。
このことから日経平均は一部の銘柄の値動きに影響を受けやすい株価指数といえるかもしれません。

図

TOPIXとは

日経平均と並ぶ日本を代表する株価インデックスの1つであり、東京証券取引所が1969年7月1日から公表している株価インデックスです。
東証一部上場全銘柄を対象に、日々計算し発表している株価指数で、東証第一部の毎日の時価総額(全上場株をある日の終値で評価したものの合計額)を基準日の時価総額で割って算出されます。
基準日とは1968(昭和43)年1月4日です。
この日の時価総額8兆6,020億5,695万1,154円)を100として、毎日の時価総額を指数で表したものがTOPIXです。

TOPIXの基本計算式

比較時の時価総額
―――――――――― ×100
基準日の時価総額

TOPIXは全体相場の状況をより反映している?

TOPIXの特徴のなかで注目したい点は以下の2つです。

  • ・ 東証一部上場全銘柄が対象
  • ・ 基準日と比較時の時価総額比較で値を計算している。

日経平均がわずか225銘柄を対象にしているのに対し、TOPIXは東証一部上場銘柄の全て対象としているのです。
また、株価の平均ではなく、時価総額合計を計算対象にしているため、時価総額の大きい銘柄の影響が大きくなります。
そのため、日経平均と比較したときにより全体相場の動きを反映しやすい、つまり「体感株価」に近いのはTOPIXなのかもしれません。
表2はTOPIXの動きに影響を与える上位10銘柄です。

図

それぞれ時価総額が大きく、なじみのある銘柄ではないかと思います。
また、1位のトヨタ自動車でもウエートは約3.4%です。
上位10銘柄を合せたウエートは約18%です。
日経平均10位銘柄のウエートが約38%であることを考えると、TOPIXは一部の銘柄による影響は相対的に小さいといえるでしょう。

図

日経平均とTOPIXの違い

日経平均とTOPIXの特徴、違いの比較を表3にまとめました。

日経平均 TOPIX
対象銘柄 東証一部上場の代表的な225銘柄 東証一部上場の全銘柄
算出方法 株価の単純平均をベースに算出 東証第一部の時価総額を基準日の時価総額で割って算出
特徴 株価の高い銘柄の影響を受けやすい 時価総額の大きい銘柄の影響を受けやすい

全体相場の動きをより反映しており、体感株価に近いのはTOPIX、先物取引等により利用され、知名度が高いのは日経平均といえるでしょう

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