アベノミクス相場総括!(前編)株価や為替はどうなった?
執筆者:auカブコム証券株式会社
2020年10月13日
アベノミクス相場の終幕
8月28日安倍首相が辞意を表明しました。
安倍首相が就任当時打ち出した3本の矢「大胆な金融緩和」「機動的な財政出動」「民間投資を喚起する成長戦略」を柱とした経済政策、「アベノミクス」に伴う相場もここで幕を閉じる形となりそうです。
そこで今回はこの「アベノミクス相場」の総括として、株価がどのように動いたのか、どのような銘柄が上昇してどのような銘柄が下落したのか点検してみました。
前編では株価指数と為替がどのように動いたのか、他国の株価の推移とも比較しつつ検証します。
後編ではどのような銘柄が上昇し、どのような銘柄が下落したのかを検証していきます。
この記事ではアベノミクス相場の起点を2012年11月14日といたします。
この日は当時の民主党 野田首相が衆議院の解散、総選挙を宣言した日です。
当時民主党政権は支持率が低迷しており、この解散を宣言した日から安倍政権の誕生がほぼ確実視され、株価の上昇がスタートしました。
アベノミクス相場の終点は、安倍首相が辞意を表明した2020年8月28日といたします。
アベノミクスで株価や為替はどう動いた?
まずは株価指数と為替の動きを見てみましょう。
この期間の株価と為替は表1のように動きました。
日経平均株価、TOPIX、マザーズ指数はそれぞれ2倍以上の大きな上昇となっています。
為替相場は対円でドル、ユーロともに上昇(対ドル、対ユーロで円が下落)しています。
7年以上の月日を経てではありますが、マーケットは大きく動いたといえるでしょう。
世界的に株価は上昇していた?各国の株価指数と比較
安倍首相在任中に日本の株価は上昇していたことは分かりましたが、その間に世界の株価はどのように動いていたのでしょうか?
次に米国、中国、ドイツ、英国の株価指数と比較してみました。
結果は、表2のようになりました。
このアベノミクス相場の期間中は世界的に株価が上昇していたことが分かります。
日経平均株価の上昇率は大きかったものの、NASDAQ総合指数には及びませんでした。
また、この期間は円安が進み、円資産の価値が下落していたことも考慮しそれぞれ円換算で上昇率を表示したものが表3になります。
結果的には世界的な株価上昇が続いた期間であり、米国株式が際立って上昇していたことが確認できました。
アベノミクス相場は当初の熱狂はすさまじかったものの、後半のパフォーマンスは他国並みだったといえるかもしれません。
前半と後半で分けて各国の株価指数の推移と比較したものが次のグラフ1とグラフ2になります。
後編では個別銘柄のパフォーマンスを検証していきたいともいます。
アベノミクス相場でどのような銘柄上昇し、または下落したのか、ランキング形式で紹介します。