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支払い残高のコントロールがカギ!リボ払いの返済で押さえておきたいポイント

執筆者:上田 健介

2020年4月28日

リボ払い活用のコツは、特徴を押さえたうえで支払い残高をしっかりとコントロールすることにあります。ここでは、リボ払いの返済時に押さえておきたいポイントや、リボ払いの返済でお困りの方に向けた対処法などについて解説します。

リボ払い返済時のポイント

リボ払いとは、クレジットカードの支払方法の1つです。クレジットカードの利用金額や利用件数にかかわらず、あらかじめ設定された一定の金額を月々返済します。月々の支払額が一定になるため、支払いそのものに関してはわかりやすくなる反面、その利用方法は各社異なる点があることから、「リボ払いはわかりにくい」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

代表的なリボ払いの方法として、支払残高にかかわらず毎月一定の金額を支払う「定額方式」や、支払残高に応じて毎月の支払額が段階的に増減する(例:支払残高が10万円未満のときには1万円、10万円以上20万円未満のときには2万円など)「残高スライド方式」があります。

注意しなければいけないのは、月々の支払いは「一定額+金利手数料」であるということです。一回払い(例:翌月一回払いなど)としてクレジットカードを利用した時に、金利手数料を徴収されることはほとんどありません。しかし、リボ払いの場合は、金利手数料を徴収されることが多くなっています。

リボ払いを利用したときの返済について知っておきたいことを次に解説します。

【一括返済を基本とする】

おすすめの返済方法は、金利手数料を抑えることができる一括返済です。日常生活の資金がなくなってしまうような極端な返済は避けなければいけませんが、特別な収入が入ったときや残業代の支給が多かったときは、一括で返済してしまいましょう。

【返済回数を少なくする】

一括返済は難しくても、なるべく少ない返済回数で済ませられるようにしましょう。返済回数が多いということは、それだけ長期間にわたってお金を借りているのと同じ状態であり、金利手数料も増えてしまいます。

【毎月の返済額を増やす】

毎月の返済額を増やすのも有効です。10万円の借入残高を毎月1万円ずつ返済するより、毎月2万円ずつ返済する方が、より早く完済(=すべて返済すること)に近づきます。

【繰上返済を活用する】

繰上返済は、借入残高を適宜返済することをいいます。一括で返済できるほどではないにしても、少しまとまったお金を準備することができる場合には、臨時で返済することが有効です。返済期間を短くしたり今後の1回あたりの返済額を少なくしたりするのも良いでしょう。

【利用明細書を必ず確認する】

クレジットカードの利用明細書を確認していますか? リボ払いを利用している場合には、支払いに関する項目もチェックすることが大切です。前月から引き継がれている残高がいくらで、今月の新規利用額がいくら、今月の支払額はいくらで金利手数料はこれだけ…といった形でそれぞれの金額をチェックしましょう。金利手数料を実感できますし、返済の見込みが立つのかどうかということも確認できます。

リボ払いの返済が長引いてしまうと…

リボ払いの特徴を正しく理解しないままに利用してしまうと、予想していなかった事態に陥ってしまうことがあります。具体的に見ていきましょう。

【支払総額が増加する】

リボ払いの大きなデメリットとして、金利手数料が必要になるということが挙げられます。分割払いにおいても金利手数料が必要になることはありますが、分割払いよりもリボ払いの利率の方が高いケースもあります。リボ払いは利用者の状況にあわせて柔軟に支払いを行うことができる方法ですが、その反面、金利手数料も高くなってしまうことがあるのです。

リボ払いの残高がある限り、金利手数料の支払いも続きます。結果、支払総額はますます増加していくことになります。

例えば、利用額15万円を毎月1万円ずつ返済していくとします。金利手数料が年15.0%の場合、完済時の支払総額は167,190円となります。

【返済が終わらない】

普段、お金の管理をしていない人や、クレジットカードの利用明細を確認していない人に発生しがちな状況として、「リボ払いの返済が終わらない」ということがあります。月々に支払う金額は比較的低額に抑えられているため、意識して確認する習慣がなければ現状を把握できなくなることもあるでしょう。利用限度額を超過してクレジットカードを利用できなくなってしまってはじめて気がつくというケースもあるほどです。

「私は毎月返済できている」と思っていても、利用明細を確認すると、実はほとんど金利手数料しか支払えていなかったというケースもあります。今の形で返済を続けていて完済することができるのか、確認する必要があります。

【返済不能に陥る】

普段は気が付きにくいかもしれませんが、リボ払いは借金をしているのと同じ状況です。借金をしても決められたとおりに返済すれば全く問題がないように、リボ払いを利用しても決められたとおりに返済すれば全く問題はありません。しかし、自らの収入水準を超えた利用を続けていたり、複数のクレジットカードを利用したりしているうちに、返済ができない状況に陥ってしまうことがあります。

【信用情報が悪化する】

返済を滞らせてしまうと、書面・電話での督促がはじまりますし、督促にも応じなければ、強制的に解約されてしまいます。もちろん、解約されたとしても支払義務は残っていますので、訴訟や財産差し押さえにまで進んでしまうこともあるでしょう。このような状態は信用情報機関の情報にも記載されますので、ローンの審査等に悪影響を及ぼします。

リボ払いの返済でお困りの方向け対処法

繰り返しになりますが、リボ払いの返済が続いている状態は借金の返済が続いている状態と同じです。この借金の返済から抜け出せなくて困っている方は、以下に解説する方法を検討してみましょう。

【カードローンを活用する】

突然の出費に備えてカードローンの契約をしていませんか?カードローンをリボ払いの借換えに活用することができます。

先述のとおり、リボ払いには金利手数料がかかります。カード会社によって異なりますが、金利手数料の利率は年15.0~18.0%となっていることが多いようです。そこで、金利手数料の利率よりも低い利率でカードローンによる借入れを行い、返済に充当することができれば、支払利息を減らすことができます。カードローンの中には最低年1.5%から提供しているカードローンもあり支払利息を減らすことができますよね。

メリットは、手順も効果もわかりやすい点です。カードローンは、契約さえ締結されていれば、あとはリボ払いの返済タイミングにおいて、カードローンによる借入れを行いそのまま返済に充当するだけとなります。リボ払いの利率が年18.0%でカードローンの利率が年15.0%であれば、その差の年3.0%分が負担軽減につながります。カードローンの契約を締結されている方にはおすすめの方法ですし、現在カードローンの契約がない方は、今後に備えてカードローンの契約だけでも締結しておきましょう。

【一括返済を利用する】

一括返済できる余裕があればそもそもリボ払いは利用していない、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ボーナス等の臨時収入を見込める場合には一括で返済しましょう。

【任意整理を利用する】

返済には困っていても破産はしたくないと考えるのは当然のことです。このような場合には、任意整理という方法が適しているかもしれません。任意整理とは、裁判所を通さずに債権者(ここではクレジット会社やカード会社のこと)と直接交渉することにより、返済にメドをつける手続きのことです。直接交渉とは言っても、自分で交渉することはかなりハードルが高いため、弁護士や司法書士に依頼して手続きを進めてもらうと良いでしょう。

任意整理による効果は次のとおりです。

・債権者からの請求や督促がストップする
・借金総額(要返済額)が減少する
・返済先が一本化される

上記は一例であり、ケースによっては必ずしも効果がないことはご了承ください。また、メリットだけではなく以下のデメリットもあることに留意しましょう。

・今後の一定期間、ローンやクレジットの利用が困難になる
・あくまでも交渉であることから、債権者が応じない場合もある

支払残高をコントロールしよう

リボ払いについて、「完済するのが難しくなる」「高い利息を払い続けさせられる」というイメージお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。たしかに翌月1回払いのような金利手数料が全くかからない方法と比較すると、上記のイメージになっても仕方がないと感じます。

マイナスイメージがついてしまいそうなリボ払いですが、「月々の支払いを一定額にできる」という大きな特徴は、収支管理のしやすさなどから、家計管理にとっては有効な支払方法にもなり得ます。大切なことは、自分の現在や将来の状況をよく考えて上手に活用することです。

例えば、1回あたりの返済額を低くすれば返済そのものは楽になりますが、いつまでも返済が終わらない、という状態になるおそれがあります。リボ払いを利用した後に財布に余裕が出てきたら、一括返済や繰上返済も検討してみることで支払残高をコントールし、上手にリボ払いを活用しましょう。

ライター:上田 健介
顔写真:ライター:上田 健介

プロフィール:
行政書士(特定行政書士、申請取次行政書士、著作権相談員)/ファイナンシャルプランナー(CFP®、1級FP技能士)/家族信託専門士/家族信託コーディネーター/相続診断士/相続診断協会パートナー事務所/ゆうちょ財団 金融教育支援員/認知症サポーター。学生時代からの夢であった北海道暮らしを実現するため、2008年、兵庫県から北海道に移住。民間企業で経理業務を担当する。その後、障がいを持つ双子の育児介護のために退職を決意。約2年間、育児介護に専念。次第に障がい児とその家族を支える仕事に就きたいとの思いを抱くようになり、育児介護専念期間中、行政書士とファイナンシャルプランナーの資格を取得した。現在は、障がい児のみならず、障がい者や高齢者とその家族に対し、将来のために今準備できることを中心にアドバイスをしている。

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