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今さら聞けない「QRコード」の仕組み なんで支払いに使えるの?

執筆者:鈴木まゆ子(税理士)

2019年11月7日

ここ最近、急速に広まったスマートフォンによる決済。バーコードのほかに、QRコードをレジで読み取るタイプもあります。QRコードは多くの人になじみがあるものですが、なぜこれが支払いで使えるのかは知られていません。

スマホ決済の多くで使われるQRコードができた背景

そもそもQRコードとは「クイック・レスポンス(Quick Response)コード」の略称で、大容量の情報の搭載が可能でありながら高速読み取りができる二次元コードをいいます。1994年に自動車部品メーカーであるデンソーの開発部門(現・デンソーウェーブ)が発明しました。

開発当時、すでにバーコードが普及しており、レジでの会計だけでなく、ポイントカードの会員証や生産現場などでも使用されていました。ただ、便利なバーコードにも欠点がありました。記録できる情報量に限界があったのです。バーコードが取り入れられる情報量は英数字のみ、最大でも20字程度しかなかったのです。

「もっと多くの情報量を取り込みたい」「漢字やカナも表現したい」。というニーズにこたえるべく、デンソーはQRコードの3隅にある「切り出しシンボル」という四角いシンボルを採用。誤認が少ないシンボルを取り入れることで高速読み取りが可能になり、誰もが使いやすいコードとなりました。

QRコードの情報量は最大バージョンで数字だけでも7000桁以上、漢字も約1800字入力できるほどの大きな容量を備えています。その一方、切り出しシンボルのおかげで他のコードより10倍以上のスピードで読み取りができるようになりました。

現在、QRコードはスマホ決済の他、大量の情報が飛び交い、なおかつ情報の正確性が求められる製造業の生産現場や航空券・乗車券・入場券、医療現場、個人情報管理などで用いられています。

QRコードとバーコードはどう違う?

QRコードが普及した今も、店頭レジでの決済ではバーコードが主流です。決済の場面ではどちらも用いられるため、見た目くらいしか違いがないように思われますが、実は以下のような大きな相違点があります。

情報量が違う

まず取り込める情報量が違います。一次元のバーコードは英数字で20字程度しか記録できませんが、二次元のQRコードは最大で7089桁の数字あるいは1817文字のかな漢字を取り込むことができます。

バーコードは一方向、QRコードは360度読み取り可能

読み取りのしやすさにも違いがあります。バーコードは直線であるため、一定方向に光スキャナを当てないと読み取れません。しかしQRコードは3隅の切り出しシンボルの位置をスキャナで検出さえできれば、どの方向からでも読み取れるようにしています。

読み取りエラーが発生しにくい

バーコードはちょっとした汚れや破損があると読み取りしにくくなってしまいます。しかし、QRコードは誤り訂正の符号化技術が採用されており、最大30%が汚れや破損で読み取れなくてもデータが復元できるため、読み取りエラーが発生しにくくなっています。

スマホ決済でQRコードが普及した背景

スマホ決済でQRコードがいち早く使われるようになったのは中国です。中国は「アリペイ」「ウィーチャット」といった決済システムにより、いち早くスマホ決済が普及した国として知られていますが、この普及にQRコードが貢献しています。これには3つの理由があります。

1つ目は、QRコードがライセンスフリーだったこと。QRコードそのものに特許権はありますが、特許使用料の請求は行われていません。そのため、誰もが気軽にQRコードを作って使える環境が最初から整っていました。

2つ目は、QRコードの普及とともにスマートフォンが普及したからです。スマホ決済は基本的にQRコードをスマホで表示するか、スマホでQRコードを読み取って行います。スマホの小さい画面で大容量の情報を搭載するQRコードに対応できるようになったことは、決済手段として大きなことです。

3つ目は導入のハードルが低いことです。QRコードそのものの汎用性と正確性が高いため、デバイスを選びません。販売側としては、既存の決済ネットワークにコストをかけなくても、タブレットやスマホなどにアプリさえ入れれば簡単に決済システムを構築できます。また、QRコードの記録容量の多さから、ポイント連動などアプリを使った独自の決済サービスも作りやすくなっています。

こういった理由から、QRコードによるスマホ決済は今や中国だけでなく、日本を含めた世界中で広がりつつあります。

QR以外の決済方法も登場

非常に便利なQRコードですが、最近の決済ではこれが不要な決済方法も登場してきています。例えば「顔認証」による決済です。クレジットカード情報や氏名・電話番号とともに顔写真を撮影して顔情報も事前に登録し、店舗では顔認証で支払いの旨さえ伝えれば決済できるという仕組みになっています。

QRコード決済のためスマホが手放せない現在ですが、近い将来スマホすらいらない時代がやってくるのかもしれません。