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こんなときにも?!困ったときに頼れる公的制度

執筆者:冨士野喜子(ファイナンシャルプランナー)

2019年10月10日

病気やけが、失業、離婚など人生の「まさか」が起きたとき、お金が必要になることも多いでしょう。貯蓄や保険などで備えていても、足りなくなることがあるかもしれません。そんな緊急事態が起きたとき「借りる」「もらう」という公的制度を活用することも選択肢の一つです。今回は、困ったときに頼れる公的制度と活用法について考えていきます。

どんなお金がもらえるの?

まずは病気やけがの際には、どんなに医療費がかかっても保険診療であれば自己負担の上限が定められている「高額療養費制度」があります。

年齢や収入によって高額療養費制度の上限額は変わりますが、例えば69歳以下で、健康保険加入で標準報酬28万円~50万円の人、国民健康保険加入で旧ただし書き所得210万円〜600万円の人であれば、「8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%」が上限です。100万円の治療を受けた際、69歳以下の人で治療費の3割負担(年齢などによって負担割合は変わります)の場合は、30万円の医療費負担が発生します。

しかし高額療養費制度が適用されれば「8万100円+(100万円-26万7,000円)×1%」と計算され負担上限は8万7,430円です。 高額療養費制度は、健康保険(健康保険組合や協会けんぽ、国民健康保険)に加入している被保険者、被扶養者(被保険者に扶養されている人)が使える制度です。

医療費が高額になることが事前にわかっている場合、健康保険組合など、加入している公的医療保険に申請をして、限度額適用認定証の交付を受けます。

保険証と一緒にこの認定書を病院の窓口に提示をすると、自己負担上限額を超えずに治療費を支払うことができる「高額療養費の現物給付」が適応されます。また、後日の申請でも同一月(1日から月末まで)に治療費の3割負担を支払った後から、自己負担上限額を超過した金額の還付をうけることが可能です。

加入している健康保険組合によっては、さらに自己負担が少なくなることもありますし、自治体によって子どもの医療費(通院・入院費)が無料になったり、負担が少なくなったりすることもあります。負担額は違いがありますが、日本ではすべての人が健康保険に加入することとなっていますから、基本的に誰もが利用可能な制度です。

また、重い傷病や障害という重大な被害を受けたにもかかわらず、その原因が通り魔殺人等の故意の犯罪行為で、何らかの公的救済や加害者側からの損害賠償も得られない被害者や遺族に対しては「犯罪被害給付制度」もあります。例えば以下のような給付金を受けることが可能です。

・被害者が亡くなった場合は「遺族給付金」
・1ヵ月以上の治療と3日以上の入院が必要な場合は「重傷病給付金」
・障害が残った場合は「障害給付金」

ほかにも「会社が倒産してしまい、賃金が支払われなかった」といった場合は「未払賃金立替払制度」があります。立て替えてもらえる金額は、退職日からさかのぼって6ヵ月前から立替請求日の前日までの間に支払い予定だったが未払いとなった賃金と退職金です。立替可能なのは、未払い賃金額の8割までで、ボーナスは対象外です。まずは労働基準監督署で相談してみましょう。

困ったときは「借りる」ことも視野に~公的な融資制度~

公的融資制度は返済の義務がありますが、押さえておくと万が一の際に活用できるかもしれません。低金利で利用できるため、支払負担が少なくて済むことは大きなメリットです。

公的融資は、目的によって利用できる制度が異なりますが、失業などで日常生活を送ることが困難になった場合は「総合支援資金貸付」を検討してみましょう。

高齢や低所得が理由でお金を借りられない人は「生活福祉資金貸付」などがあり、社会福祉協議会で手続きを行います。公的融資制度はさまざまな優遇がありますが、事前にしっかりと返済計画をたてたうえで利用しましょう。

早めの問題解決を心がけよう

公的な支援制度はほかにもさまざまなものがあります。ちょっとした問題も放置すればするほど、解決までの時間や労力、費用などが増えていきがちです。ローンの場合は延滞する前に借り入れしている金融機関に相談するなど、一人で問題を抱え込まないよう困ったときに相談できる場所を把握しておきましょう。

「何とかなるか」ではなく、早めに相談窓口などに出向いて利用できる制度を活用することが、「困った」を最小限にとどめる近道になりますよ。