じぶん銀行(ネット銀行) au x 三菱UFJ銀行

「平均データ」から考える、現代人の貯蓄と投資の割合

執筆者:三原由紀(ファイナンシャルプランナー)

2019年8月30日

新社会人や20代の人にとって「人生100年時代」といわれても、先のことにはあまりイメージがわかないかもしれません。これから訪れる人生の大きなイベントは結婚という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は結婚年齢や収入などデータの“平均値”から貯蓄と投資の割合を考えてみましょう。

「平均データ」からみる就職から結婚までの投資・貯蓄プラン

国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表した「現代日本の結婚と出産」によると、過去5年間に結婚した初婚同士の夫婦の場合、平均交際期間約4.3年を経て男性30.6歳、女性29.1歳で結婚をしています。
大学卒業を想定するなら、結婚するまでの約8年間が独身期間になります。

株式会社リクルートマーケティングパートナーズ『ゼクシィ新生活準備調査2015』(首都圏)によると、挙式から新婚旅行までの結婚式関係総額と新生活準備総額をあわせると、542.8万円です。仮に大学卒業して結婚までの年数を8年間とすると、夫婦で折半したとしても毎月約2.8万円の貯蓄が必要となります。

大学卒の男性の場合、初任給は平均約21万円(「平成30年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」厚生労働省)で手取り額は約18万円になります。
一方で、総務省の2018年単身世帯の家計調査を見ると34歳以下男性の毎月の平均消費支出は約17万円で毎月の給与から2.8万円を貯蓄する余裕がない人も多いのではないかと思います。毎月1万円、賞与から年間22万円を貯めるなどの計画的な貯蓄が必要です。

ライフイベントの資金計画は2本立て

そこで、資産を増やすためには「貯蓄」と「投資」を組み合わせることが重要であるとお伝えしたいと思います。

「貯蓄」はお金を蓄えることです。銀行などの普通預金や定期預金などが該当します。大きく増やすことは難しいものの、元本確保で安全確実な資産運用ができます。上記の結婚資金など、数年以内の用途が決まっているお金は減らしたくないので貯蓄としておくほうがよいでしょう。

一方で「投資」は長期的な目線で資産を増やすためのお金です。元本は保証されませんが、老後資金など、すぐには使い道が決まっていないお金を株式や投資信託、外貨建て商品などの投資商品で緩やかに増やしていきます。貯蓄と投資の割合は、お金を使う時期や用途により短期・中期(10年以内)・長期(10年以上)を目安に考えていくとよいでしょう。

「平均データ」からみる結婚後の貯蓄・投資プラン

結婚後、平均で第一子を出産する年齢は妻が30.7歳となっており(「令和元年版少子化社会対策白書」内閣府)、出産後も半数以上は夫婦で仕事をしている共働き世帯となっています。

また、子供の成長とともに教育費の負担も大きくなります。文部科学省が平成22年6月に公表した「平成21年度 文部科学白書」によれば、大学進学の場合、国立大であっても約400万円、2人分で800万円の備えが必要となるようです。高校までの学費は家計で賄うとしても、大学の学費は貯蓄か投資で備えておく必要がありそうです。

子供が進学するまでに20年あるなら、投資に回すのもひとつの方法といえます。例えば子供2人で800万円を準備する場合、3%の利回りの場合は毎月約2.4万円の積立額になります。貯蓄で備えるには毎月約3.3万円の積立額が必要ですので、元本割れのリスクをある程度許容できれば投資のほうが毎月の積立額が低くなるでしょう。

さらにこの時期は住宅購入も重なります。平均で夫が40歳前半に住宅を購入していることが多く(「住宅市場動向調査報告書」国土交通省住宅局)、第一子が小学校に入学する時期を目安に考えている人が多いのかもしれません。住宅購入価格の平均は、土地付注文住宅は4,039.2万円、建売住宅が3,336.8万円、マンションが4,348.4万円となっています(公益財団生命保険文化センター)。仮に4,000万円の物件で頭金400万円を用意した場合、結婚後10年で毎月3.3万円の追加準備が必要です。

教育費と合わせてすべて貯蓄で備えるには、3.3万円+3.3万円で毎月約6.6万を貯蓄しなければなりません。いずれも必要資金なので減らすことはできませんが、一部を投資で運用することで負担軽減する可能性も検討したいところです。

貯蓄と投資の割合は、各個人のリスク許容度によって異なります。少しでも減ることが気になるようならば貯蓄にしたほうがよいでしょう。リスクを取っても増やしたいのであれば一部でも投資に回すという選択もあります。

「平均データ」からみる定年後の投資・貯蓄プラン

高年齢者雇用安定法により、65歳までの雇用は確保されつつあります退職金制度は約8~9割の会社にありますが(「平成20年就労条件総合調査結果の概況 退職給付(一時金・年金)」厚生労働省)一時金や年金形式など支給方法は会社により異なります。

65歳からは公的年金の給付が始まり、人生を100年と考えると65歳から35年の生活費を貯蓄と退職金、公的年金で賄うことになります。足りない場合には、投資で増やしながら生活費を取り崩すことも必要になるかもしれません。その際、投資のリスクを抑える方法の一つとして、退職一時金の一部を10年以上の積み立て投資で運用することを考えたいところです。

これからも情報化社会が進展し、モノやサービスについては便利で豊かになっていくことでしょう。所有せずに“シェアする”という選択で暮らしにかかるコストを抑えながらも、豊かに暮らす未来がやってくる日も近いかもしれません。日々、情報収集のアンテナも立てつつ、人生100年時代を上手に生きていきたいですね。