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意外と知らない日本のお金 4つのトリビア

執筆者:冨士野喜子(ファイナンシャルプランナー)

2018年11月16日

普段何気なく使っているお金ですが、その裏にはどんな歴史や真実が隠れているのでしょうか。お金に関するトリビアをご紹介します(文中敬称略)。

トリビア1 最初に発行された日本銀行券に描かれているもの

日本で最初に紙幣(日本銀行券)が発行されたのは1885(明治18)年。図柄には、商売や農業の神様である大黒天が描かれていました。このため「大黒札」という通称で親しまれたそうです。

紙幣には歴代様々なものが描かれていますが、日本銀行券に初めて描かれた歴史上の人物は「菅原道真(すがわらのみちざね)」です(1888年発行)。菅原道真は福岡・太宰府天満宮にまつられている学問の神様として有名ですね。

トリビア2 今までお札に肖像が描かれた人のうち最多登場はこの人物

現行紙幣を含めて、日本銀行券に描かれた人物は16人です。戦前の紙幣では、藤原鎌足、日本武尊(やまとたけるのみこと)、聖徳太子など。戦後は岩倉具視、板垣退助、伊藤博文新渡戸稲造などです。その中でも最も多く登場しているのは、聖徳太子で7回です。

現在、日本で製造されている紙幣はすべて肖像が使用されていますが、お札に肖像が使われる理由は2つあります。1つ目は、偽造防止のため。私たちは人の顔を見分けることに慣れているため、肖像がずれていたりぼやけていたりすると違和感を持つため、偽造を見抜くことができるそうです。2つ目は、親近感を持ってもらうため。誰もが知るその国の政治家、文化人、有名人などを描いて、その人の功績を再認識してもらい、日本銀行券への認識を深めてもらいたいという意図があります。

トリビア3 過去最大の紙幣、最小の紙幣はこれ

現在発行されている一万円札、五千円札、千円札は、縦(短辺)の長さが同じです。横(長辺)が若干違い、一万円札が最も長いようです。過去にはどんな大きさの紙幣が発行されていたのでしょうか。

日本で発行された紙幣の中で最も大きな紙幣なのは、1891(明治24)年に発行された「改造百円券」で、A4サイズの半分程度の大きさです。逆に、最も小さな紙幣は1948(昭和21)年に発行された「A5銭券」です。戦後すぐに発行され、梅の花が描かれたこの紙幣の大きさは縦48ミリメートル、横94ミリメートルでした。

トリビア4 同じ千円札でも呼び名が異なる

日本銀行は、紙幣に記号を付けてデザインごとに分類をしています。例えば、現在の野口英世が描かれた千円札は正式には「E千円券」、その前の夏目漱石が描かれた千円札は「D千円券」と呼ばれます。

現在発行されている紙幣では、福沢諭吉の一万円札、樋口一葉の五千円札、野口英世の千円札はそれぞれE一万円券、E五千円券、E千円券です。また守礼門が絵かれた二千円札はD二千円券です。一万円札、五千円札、千円札もE券の前はそれぞれ「D」という記号がつけられていました。

この記号は、明治中期~1935(昭和10)年頃までは「甲・乙・丙・丁」、1942(昭和17)年頃~1945(昭和20)年頃までは「い・ろ」、1946(昭和21)年以降は、「A・B・C・D」とアルファベットになっています。

キャッシュレス化が進み、最近では紙幣や硬貨を取り出さずに決済できるようになってきました。「お金」の形は時代ごとに変わっていますが、私たちの生活においてなくてはならない存在であることは変わりません。お金については知っているようで知らないことが意外と多そうですね。

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