貯金がうまい人が実践しているリアルな方法
執筆者:三原由紀(ファイナンシャルプランナー)
2018年8月23日
貯金は多くの人が「やらなきゃ」と思う反面、「続かない」という人もいるのではないでしょうか。ただうまく貯金している人も少なくありません。今回は貯金がうまい人の実例を紹介します。自分にあった貯金のコツを見つけられるかもしれません。
基本は「貯蓄ファースト」にあり
毎月続けて貯金をするコツは「貯蓄ファースト」です。もらった給料の一部を先に貯金にまわす仕組みをつくってしまうのです。
たとえば会社の財形貯蓄制度を利用する、あるいは給料日に合わせて金融機関の自動積立サービスを利用するといった方法です。貯金するお金を先取りして、残りのお金で生活する仕組みを作ってしまえば、意識せず貯金できます。中でも財形貯蓄は金融機関の窓口やATMで気軽に引き出すことができないため、強制的に貯金ができます。
また他にも貯金上手な人がしていることを挙げてみます。
・貯金用の口座は生活費とは別口座で管理する
・毎月必ずかかる支出(スマホ代や生命保険料などの固定費)を見直す
・買って「失敗したな」と思うものがあったら売却して貯蓄に回す
・マイボトル・マイランチで“つもり貯金”をする
・キャッシュレスのプリペイドカードで買い物をしてなるべく現金は持たない
聞くとカンタンにできそうですが、これを続けるのは、貯金が苦手と感じている人には大変かもしれません。
実際にどのように貯金しているのか、貯金上手な2人の例を紹介します。
実例1 もらえるお金は生活費とは別口座で管理
子供の教育費を貯金しているAさん(配偶者と子供一人)は、児童手当を生活費とは別口座に貯金をしています。児童手当は0歳から15歳まで(中学校卒業)の子供を養育している人に支給される公的手当で、Aさんの場合、3歳未満のうちは月額1万5,000円、3歳から15歳まで月額1万円が給付されます(給付には所得制限など条件があるので確認が必要です)。
Aさんは児童手当が6月、10月、2月に支給されるたびに生活費とは別口座で積立をして、子供が中学校卒業するまでに約200万円を貯金する計画としています。
Aさんは、私立高校に進学した場合の費用を調べたところ3年間で約300万円かかることが分かり、児童手当の給付以外に年間6万8,000円(毎月5,667円)を目標に毎月6,000円を銀行に積立てることにしました。
教育費は「人生の三大支出」といわれるほど額が大きくなりがちですが、Aさんのように、コツコツと貯めることで対策できます。Aさんの貯金の目的は教育費なので、リスクのない運用として預金積立をしているそうですが、NISAや保険や外貨自動積立など別の金融商品にあててもいいかもしれません。
実例2 不用品・使わない品を売却、売り上げで投資
Bさんはフリマアプリを使って自宅で眠っている不用品を売却、売り上げを貯蓄に回しています。皆さんも自宅に、「バーゲンで安く買ったけど使わなかった」「ゆずってもらったけど使わなくなった」というものが家に眠っていないでしょうか。
Bさんは家にあった古いシャネルのバッグが、今ではヴィンテージのオールドシャネルと評価されたこともあって25万円で売却し、その一部を投資に回しているそうです。このほか、バーゲンで買って着ていなかったブランド物の洋服、パーツが欠けたポータブルナビなど電化製品も年末年始の断捨離で一気に出品したそうです。
「うちには売れるものなんて何もない」と思われるかもしれませんが、「使いかけの化粧品や香水・シャンプーなども売れるかも」(Bさん)といいますから、探せば何かあるのではないでしょうか。貯蓄ができるだけでなく家の断捨離にもなるのもよさそうです。
貯金のコツは自分に合った方法を見つけること
貯金上手になるコツは、「やってみたい」と思ったら「どうせ続かない」と決めつけずにまずは試してみることです。たとえ「これならやれるかも」と思っても実際に始めてみたら続かないかもしれませんし、始めてみると意外と自分に合うかもしれません。うまく貯蓄している人の実例を参考にしながら、続けられる方法を見つけていけばいいのです。たとえその方法が長く続かなくても、少しはお金が貯まっているはずですから。