「お金をふやす」をはじめる人が最初におさえておくべきポイント3つ
執筆者:伊藤亮太(ファイナンシャルプランナー)
2018年5月17日
毎月コツコツと貯蓄はできているものの、預貯金として預けたままの人は多いのではないでしょうか。また、本当は次のステップ(お金をふやす)へ進みたいけど、具体的なことは分からないし、なんとなく不安で手が出ない、という人も多いことでしょう。今回はこれからお金のふやし方を検討する人に向けて、投資をはじめるうえで最初におさえておくべきポイントを3つご紹介します。
1.余裕資金で少額からはじめる
さて、投資をはじめる場合、どんなお金でどのぐらいの資金が必要なのでしょうか。まず、大前提となるのが、投資は余裕資金で行うことです。次に、毎月の収入のうち一定額を充てることです。収入や生活費には個人差があり、どの程度の金額を投資資金として振り分ければいいか、判断はつきにくいものです。そのため「毎月の収入の1割程度を投資する」など、ルール決めすると良いでしょう。
もし収入の1割を投資に振り分けるのが難しければ、毎月1万円前後からのスタートでも問題ありません。預貯金で得られる金利分以上にお金をふやしたいと考えるなら、預貯金よりリスクはありながらもリターンも大きい投資を活用するのも手です。
2.投資商品の種類とそれぞれの特徴を知る
投資商品の種類は幅広くありますが、主要なものには個人向け国債や投資信託、株式投資などがあります。最近では少額で購入できる商品が増えており、たとえば個人向け国債は1万円から購入することが可能です。投資信託や株式投資も、近年は購入単位が細分化され少額で購入できるようになりました。
その他の投資商品には、外国の通貨で運用するものもあり、日本円で預金するよりは金利が高くつく場合が多いです。また、一般的に外貨は、その国の情勢や経済情勢によって相場が変動します。海外のニュースを見ながら為替の変動を予測するのは学びにもなることでしょう。
外貨預金は、円安になったときに円換算した金額がふえる「為替差益」も見込めることから、金利と為替両方の収益を得たい人や、中長期的に利益を得たい人向けの投資商品です。
一方、FXは外貨預金同様、外貨を売買する取引なのですが、証拠金をもとに「レバレッジ」という仕組みを使って手持ち資金以上の取引ができる点が異なります。そのときの状況に合わせて機動的に外貨を買ったり売ったりでき、外貨預金に比べると為替手数料が安いことから、短期間で売買したい人におすすめといえます。
いずれも銀行や証券会社などの金融機関を介して投資ができるため、利便性は高いといえるでしょう。ただし、豊富な資金を必要とするものも数多くありますし、リスクとリターンの振れ幅も商品によって差があります。また、外貨で運用する商品が為替変動リスクによって元本割れを起こす可能性があるように、投資商品は元本保証がされないものが多いです。あらかじめ商品の特徴を十分確認するようにしましょう。
3.リスクと上手に付き合う
預貯金と投資にはそれぞれ役割がありますが、どちらにも共通していえることは「蓄えておくべきお金を計算し、最低限必要な金額はキープしておく」という考え方です。お金に余裕が出てくれば投資でハイリターンを期待しても構いませんが、商品によっては元本割れのリスクもあります。
もし投資した金融商品が元本割れすると、生活費を切り崩すことにもなりかねません。したがって、金額が減ると困るお金はローリスクの預貯金へ、仮に金額が減ったとしても許容できるお金であれば投資にまわすのが良いでしょう。
まとめ
お金を着実にふやしていくために預貯金を活用するのも有効ですが、ある程度お金に余裕が出てきたら、多少のリスクを理解したうえで投資をはじめるのも選択肢のひとつです。まずは少額からチャレンジしてみませんか。