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日本の消費税は高い?低い?世界の税金事情と比べてみた

執筆者:福島佳奈美(ファイナンシャルプランナー)

2018年4月27日

少子高齢化が進む日本では、社会保障費の財源不足が懸念されています。社会保険料だけではまかなえない部分を税金で補うため、2019年10月には消費税が10%へ引き上げられる予定です。

生活へのインパクトが大きい消費税が上がるとマイナスイメージが先行しがちですが、単純にそう判断するのは早いのかもしれません。今回は世界の税金事情と比較しつつ、これからの日本の将来を考えてみたいと思います。

日本の消費税率は世界と比べてどうなの?

モノやサービスを購入するたびにかかる消費税は毎日のように支払っているので、他の税金より負担に感じる人が多いのではないでしょうか。

しかし、世界に視線を向けると、もっと消費税率が高い国もあります。全国間税会総連合会の「世界の消費税」(平成29年4月版)によると、消費税率が世界一の国はハンガリーで、税率はなんと27%です。また、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーは25%など、ヨーロッパでは、多くの国で消費税率が20%前後となっています。

ただし、これらの国では、食料や水道、新聞書籍、旅客輸送など、生活に密着したものは0~数%程度とする「軽減税率制度」を導入し、反対に贅沢品には多く課税するなどの措置を取り入れている場合が多いです。日本においても、消費税率が10%になる際には、前出の諸外国同様、軽減税率制度が導入される予定になっています。

税率が高いのは不幸なの?

私たちが負担している税金は消費税だけではありません。世界の地理情報を提供するWorldatlasによると、所得税の平均所得税率が高い国ランキングの世界第1位はベルギーの40.7%、第2位はドイツの39.7%。そのあとはデンマーク、オーストリア、フィンランドなどが上位10位以内に続き、日本は世界第24位です。

このような税率が高い国には、いわゆる「高福祉国家」としての手厚い社会保障制度があります。たとえばフィンランドでは、大学を卒業するまでの学費が無料ですし、世界的にも高い学力を持つことで有名です。他の上位国でも大学まで学費が無料という国が多いほか、男性の育児休暇取得率も高く、安心して子どもを産み育てる環境が整っており、「税金が高い=不幸である」という図式は見られません。

日本の税金の使い道は?

日本の税金も、社会保障費のほか、公共施設や公共サービスをはじめ、教育や医療にも使われています。教育の分野では、公立小中学校教諭の給与の一部や教科書の配布、国公立大学法人や私立学校の援助にも使われています。また、宇宙開発や科学技術の研究などの未来への投資だけでなく、開発途上国への経済援助など、国際社会の平和を守る役割も果たしています。

今後、日本で消費税率が上がっても、支払う税金に見合った社会保障や福祉サービスが受けられるのであれば、精神的な負担が軽くなるかもしれません。単純に税率が上がることを悲観するのではなく、今後は税金の使い道にも関心を持って生活し、未来を担う子どもたちのための豊かな環境づくりにつなげていきたいですね。

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