貯蓄はやっぱり若いうちから!時間を味方につけた貯蓄のコツとは?
執筆者:冨士野喜子(ファイナンシャルプランナー)
2018年2月28日
将来のためにお金を貯めようと思っていても、若いうちは収入が少ないなどの理由で「いつかそのうち」とつい先延ばしにしがちです。しかし、貯蓄は早くからはじめるに越したことはありません。
若いうちからはじめるメリットは、貯蓄の期間を長く設けることができる点にありますが、具体的にどれくらい違うものなのでしょうか。
先延ばしをしても貯蓄ができない理由とは?
世帯主の年齢 | 1世帯あたりの実収入 | 1世帯あたりの消費支出 |
---|---|---|
~29歳 | 336,032円 | 165,294円 |
30~39歳 | 445,438円 | 238,911円 |
40~49歳 | 545,379円 | 292,619円 |
50~59歳 | 542,666円 | 318,583円 |
60~69歳 | 375,490円 | 278,626円 |
- ※総務省統計局「平成29年家計調査報告(家計収支編)」より一部抜粋
総務省統計局が発表した「平成29年家計調査報告(家計収支編)」によると、年齢に応じて収入が上がる傾向にあることが分かります。しかし、収入が上がっても、その分の所得が貯蓄にまわるというわけではありません。なぜなら、結婚や子育て、介護などのライフイベントによって「今までは必要なかった出費」が増えるからです。
紹介した調査結果はあくまでも平均的な値であり、収入が思った以上に上がらなかったり、病気などで働けなくなったりすることでその金額に届かないこともあります。また将来は、子どもへの教育費や親の介護費などの支出も想定しておかねばなりません。人生にはさまざまな出来事がありますから「お金をしっかり貯めておけば良かった…」と後悔をする前に、若いころからコツコツと貯蓄をすることが大切なのです。
たとえば、「60歳までに1,000万円貯めよう」と思った場合、45歳から貯蓄を開始すると毎月約5.6万円を貯めていく必要があります。しかし、25歳から貯蓄を開始すると毎月約2.4万円で目標を達成することが可能です。
具体的な貯蓄方法は?
財形貯蓄などの制度が会社にある場合は、給与天引きで貯蓄して残ったお金でやりくりすると自然と貯蓄体質が身に付きます。「毎月貯蓄するのが苦手」という人で賞与額の変動幅が少ない場合は、ボーナスを貯蓄する方法もおすすめです。
貯蓄金額が増えてきたら、金利が普通預金よりも高い定期預金に預け入れたり、資産運用を取り入れたりしても良いでしょう。投資性のある主な商品は、債券や株式、投資信託、外貨預金、FXなどがあります。少額から購入できる商品も多く、投資にあてる資金が少ない若者世代でもチャレンジすることができるでしょう。
ライフスタイル別 家計見直しのポイント
貯蓄が思うようにいかないときは、家計見直しが必要です。具体的に、お金の使い方を見直してみましょう。
実家暮らしの場合は、「家賃を払ったつもり貯蓄」を意識しましょう。一人暮らしの家賃相当額のお金を家に納めている場合は、その金額を引いてできるかぎりの貯蓄を心がけます。
次は一人暮らしの場合です。2017年2月に全国宅地建物取引業協会連合会が行った「一人暮らしに関する意識調査」によると、妥当だと思う月収に占める家賃の割合は月収の20%という回答が40.7%で1位でした。つまり、一人暮らしをする場合は、家賃の金額を収入の20%を目安に、収入に合った物件選びをすることがポイントです。家賃は毎月かかる「固定費」となるため、できるだけ低く抑えると、食費や交際費を我慢するよりもストレスなく貯蓄を増やすことができます。
そして夫婦二人暮らしの場合は、家計の状況を夫婦で共有し、協力し合って貯蓄意識を高めることがポイントです。夫婦といえども、お金の価値観は個人差があるので、お互いの「こだわり」を大切にしつつ「何に、いくらお金を使うか?」を相談してみましょう。5年後、10年後などのライフイベント(子育てや住宅購入、車の買い替え、旅行など)をもとに、長い目で見た計画を立てましょう。
コツコツ続ける貯蓄習慣が大切
貯蓄は時間を有効に使うことが大切です。「収入-貯蓄=支出」という基本習慣を身に付け、コツコツと継続することが重要といえます。若いうちは失敗しても取り戻せるだけの時間がありますから、時間を味方につけて、焦らずゆっくり自分に合った貯蓄方法を見つけていきましょう。