利回り、金利、利子、利息。違いは分かる?
執筆者:株式会社ZUU
2017年12月7日
世の中には、よく耳にするけど違いは分かりづらい用語があります。今回は「利回り」「金利」「利子」「利息」の4つについて、クイズ形式で解説します。
次のQ1〜Q4にあてはまる用語を、a~dの選択肢から選んでみましょう。
Q1 | 投資したお金に対して、利益の割合を示す数値を表現するのに使う言葉とは? |
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Q2 | 住宅ローンを借りるときに返済金額に大きくかかわってくるのは、借入金額と返済期間と何? |
Q3 | お金を借りた場合に、現金にプラスして返却するのは? |
Q4 | 銀行にお金を預けると、金額と期間に応じてもらえるお金とは? |
<回答の選択肢>
a.利息 b.金利 c.利回り d.利子
答え合わせと解説
さて、クイズの答え合せです。
A1) c.利回り
A2) b.金利
A3) d.利子
A4) a.利息
あなたはそれぞれの違いを説明できるでしょうか?ここからは使い分けるポイントを理解していきましょう。
利回り | 投資額に対する利益全体の割合を一定期間当たりの平均で示したものです。断りなく「利回り」と言う場合は、1年間の利回りをさすことが多いでしょう。 |
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金利 | お金を借りる側が、借りたお金に追加して支払う金額の割合のことをさします。 |
利子 | お金を借りる側が、貸した側に元本に追加して支払うお金のことをさします。利子は、貸し借りした金額に金利をかけて計算されます。 |
利息 | お金を貸した側が、元本に追加して受け取るお金のことをさします。 |
これらの用語を使い分けるポイントは、割合と金額であると言えます。「利回り」と「金利」は割合をさす言葉で、「利子」と「利息」は金額をさす言葉と覚えておくといいでしょう。
さらに詳しく解説!
さらに詳しく解説すると、「利回り」は、投資実績を評価するときにも使います。たとえば、1,000円で買った株の配当金20円を受け取り、1年後にその株を1,030円で売った場合には、配当金の20円と売却益30円(1,030円-1,000円)を足した50円が利益となります。投資額1,000円に対して1年間で50円の利益が出たため、この売買での利回りは5%だったと表現することができます。
また「金利」については、現金での貸し借り時に多く使われる言葉なので、利回りのように売却益など、運用で得た利益は金利に含みません。金利は金額そのものをさす場合もありますが、前述のように、もとの金額に対して支払った金額の割合という意味で使われることのほうが多いでしょう。
「利子」は金額に金利をかけて計算されることはすでに解説していますが、貸し借りをした金額に比例して変動します。
そして、「利子」と「利息」に関しては、借りた場合に支払う金額を「利子」、貸した場合に受け取る金額を「利息」とする使い分け方もあるようですが、厳密に使い分けられているわけではありません。ただし、利息制限法のように法律で使われる場合は、法に沿って使い分けるのが賢明です。
違いが分かると、暮らしやお金に関する知識が高まる
ここまで、4つの用語の基本的な違いについて確認してきましたが、法関係で使う以外、一般的にはここで確認した使い分けが絶対ではありません。
しかし、用語の基本的な意味を理解し、変則的な使い方があることを知っておくだけでも、暮らしへの知識が高まり、お金への理解度も変わります。これを機に、しっかりと覚えておくといいでしょう。