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日本の普及率は世界一?自動販売機の歴史と進化

執筆者:たつみともこ(ファイナンシャルプランナー)

2017年11月24日

あなたは今日、何台の自動販売機を見かけましたか?飲み物、食券、乗車券など、意識して周りを見ると多くの自動販売機に囲まれていることに気づくでしょう。また、毎日使っているという方も多いのではないでしょうか。

今回は、普段何気なく使っている自動販売機にスポットを当ててみました。いざ注目してみると、意外な発見があるかもしれません。

自動販売機のルーツは紀元前にあり?

さて、自動販売機のルーツは紀元前にさかのぼります。それは古代エジプトの聖水自販機で、コインを入れるとその重みで水が出てくるというものだと言われています。現在のような自動販売機が開発されたのは、イギリスの産業革命後の1800年代後半のことです。

日本では1962年頃から本格的に普及しました。50年以上経った現在、日本国内の自動販売機および自動サービス機の普及台数は494万台です。絶対数ではアメリカが世界一と言われていますが、人口や国土面積を勘案した普及率では、日本が世界一と推測されます。また、全体の年間売り上げは4兆7,360億円にものぼります(一般社団法人日本自動販売機工業会『自販機普及台数及び年間自販金額(2016年版)』より)。

自動販売機で一番売れているものは?

前述の調査結果によると、清涼飲料水の売上が最も大きく、1.7兆円にのぼります。次いで乗車券が1.4兆円です。近年、電子マネ―の導入により切符を購入する人が減少し、台数、売上ともに減少していますが、未だに一定の需要があることが分かります。

上記実績から、私たちを取り巻く環境は日々変化しているものの、自動販売機がなくてはならないモノであることは間違いないでしょう。

お金の投入口の違い

ところで、自動販売機のお金の投入口を思い出せるでしょうか?記憶にあるのは縦型でしょうか、それとも横型でしょうか?

正解は「どちらもあり」。実は、何を優先するかによって縦型と横型に分かれているのです。

自動販売機には硬貨が本物であるかを識別するための装置が内蔵されており、縦型はコインを投入してから装置までに到達する時間が短いため、品物が早く出る仕組みになっています。そのため、電車の切符、馬券、食券など、行列が予想される販売機に採用されていることが多いです。

一方、横型はコインがゆっくり落ちる仕組みになっているため、識別装置やコイン収納を小型にすることができます。その分、余白の空間が多くなり、商品をたくさん収納できることから、清涼飲料水などの自動販売機に採用されていることが多いです。

さらに進化を遂げる自動販売機

最新の自動販売機には、さまざまな工夫が施されたものが多く開発されています。たとえば、「外国人観光客へのおもてなし拡充のため」として、商品情報や使用方法を4カ国語で表示するものや、夏場の電力消費ピーク時の使用電力を抑える省エネを意識したものなども登場しています。

また、スマホと連動してクーポンを配信するものや、コンビニの商品を詰めた「コンビニ自販機」がオフィスなどを中心に設置されています。各企業は利用者獲得のためにさまざまな新しいアイディアを研究しており、消費者としては今後のサービスが楽しみです。

ここ数年間で電子マネーでの決済が増え、以前に比べて自動販売機で硬貨を使うことが少なくなった人もいるかもしれません。しかし、次回利用するときには投入口を確認してみても面白いでしょう。また、投入口の位置や高さも意識してみると、そこにも新しい発見を見つけることができるかもしれません。

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