夫婦円満のコツはやっぱりお金?調査から見える男女の違い
執筆者:冨士野喜子(ファイナンシャルプランナー)
2017年11月17日
長年に渡って夫婦円満に生活するには、助け合いながら暮らしていくことが大切です。未就学児~大学生までの子どもがいる20歳~59歳の既婚男女を対象に行われた、日本生活協同組合連合会の「夫婦の“たすけあい”に関する調査」(2017年、以下調査)によると、夫婦の助け合いは、夫・妻で感じ方や助け合いたいポイントが違っていることがわかりました。
調査から見える、男女の違い。でもお金に関しては?
調査によると、夫婦がうまく助け合えていると思うことの上位3つは、ゴミ出し、買い物、皿洗いという結果になっています。しかし、男女別にみると数値には差があり、夫は「助け合えている」と思っていても、妻は「それほどでも…」と感じていることが多いようです。
また、これから(またはこれからも)、夫婦でうまく助け合いたいと思うことの上位は、家計の収入、貯蓄・資産形成、節約と、お金に関することが多く占めており、夫婦で助け合いたい重要なポイントとなっているのがわかります。
ただ、前述の結果と同様に男女別に見ると、お金に関することは男性よりも女性のほうが10ポイント前後関心が高くなっており、妻のほうが「お金について、夫婦で助け合いたい」と思っているようです。「お金の管理は妻に任せているから」という理由で夫が家計に無頓着でいると、妻からの反感を買う原因となってしまうかもしれません。
夫婦でお金のことを話し合うときの3つのポイント
新婚ならまだしも、「今さらお金について、何を話し合っていいかわからない」という人もいるでしょう。お金の管理方法やルールはご家庭によってさまざまですが、夫婦でお金について話し合うときのポイントは次の3つです。
1. ライフプランを立てる
まずは、「何のために・いつ・いくら」お金が必要か決めましょう。何にお金を使いたいのか(お金を貯める目的)、そのためにどれくらいの貯蓄をしないといけないのか(貯蓄目標額)が明確であると、夫婦で協力してやりくりすることができ、より早く貯蓄目標額に到達できます。夫婦で「お金の出口(欲しい物・こと)」は違うこともあるので、どちらかが我慢するのではなく、話し合いながらお金の使い道を決めてみましょう。
特に、夫婦別財布の場合はお互いに好きなことにお金を使いがちで、気づいたときには思ったよりも貯蓄額が少なく、老後や収入の減少、出費がかさんだときに困窮してしまう可能性があります。「お互いに収入があるから大丈夫」と思わず、将来についてしっかり話し合うことが大切です。
2. 年に1度は家族会議をする
次に、お金を管理している人が「家計の報告」をしましょう。1年を通してどれくらい貯蓄が増えたのか、無駄遣いはなかったか、大きな出費にはどれくらいお金がかかったかなど、家計を夫婦で振り返ってみましょう。
家族会議の開催時期は、できれば年始やお盆など、家族が集まってのんびりできるときがベターです。もし家計簿をつけていない場合は、銀行の預金通帳の残高が1年でどう変わったかだけの簡単なチェックでも構いません。また、通帳やクレジットカード明細などから毎月の固定費を書き出してみるだけでも、「生活費ってこれくらい必要なんだな」と夫婦で共通認識を持つことができます。
3. お金の貯め方を決める
そして、毎月の貯蓄金額、ボーナスの貯蓄割合などを決め、スムーズにお金を貯める流れを作りましょう。会社の財形貯蓄制度や銀行の自動積立預金を活用すると、自然とお金が貯まる状況が作れるでしょう。また、定期預金など資産形成ができる商品を活用すると、お金を貯めるだけでなくお金をふやすこともできます。
「お金」に関しては、お互いに話し合ってみたいと思っている
上手く助け合えていると思う事柄数を夫婦関係別に見ると、助け合えている夫婦では平均8.0個となっており、助け合えていない夫婦では平均3.2個となっています。その差はあるものの、いずれにしてもこの機会に、夫婦で助け合うことの一つとして「来年のマネー計画を立てる」を加えてみましょう。普段は口に出さなくても、きっとお互いに話し合ってみたいと思っているはずです。