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世界の市場関係者が注目!年に一度のジャクソンホール会議とは?

執筆者:株式会社ZUU

2017年9月14日

毎年8月下旬に世界各国から中央銀行総裁や政治家、経済学者などの専門家が集まる会議あります。それは「ジャクソンホール会議」と呼ばれる世界経済シンポジウムで、2017年も8月24日から26日までの3日間に開催されました。この会議では金融・経済政策について講演・討議を行います。各国首脳の現状認識や、今後の政策について率直な意見が交わされることも多く、世界の市場関係者が大いに注目する行事なのです。

中央銀行の役割とは?

ジャクソンホール会議には各国の中央銀行総裁が参加しますが、そもそも中央銀行はどのような役割を担っているのかご存じでしょうか。

中央銀行は、一国の金融市場の中核となる存在です。簡単にいうと、銀行の銀行であり、政府の銀行という役割も持っています。日本の場合は日本銀行(以下日銀)がその役割を担っていて、国の経済が安定的に成長するよう様々な側面から支援しています。お金の発行や金融政策を通じて物価安定に努めたり、国の資金を預かって政府資金も管理しています。

世界中の注目を集める中央銀行として有名なのは、アメリカの連邦準備制度理事会(以下FRB)とEUの欧州中央銀行(ECB)です。FRBは12名のメンバーで構成されており、7人の理事と地区ごとの連邦準備銀行の総裁がいます。FRBは他国と同様に物価の安定だけではなく、雇用の最大化も目標としています。FRBの役割は、金融政策の決定、市中準備銀行に対する支払準備率の設定、公定歩合の審査・決定、そして地区の連邦準備銀行の監督や統括が挙げられます。

FRBの発言内容は、世界中から注目されています。なぜなら、発言内容で世界中の株価や為替、債券単価等が動くため、貿易等にも影響が出るからです。

一方ECBはECB総裁、副総裁、4人の理事、そしてユーロ圏内の中央銀行の総裁で理事会を運営しています。ユーロ圏内の物価の安定を目標としており、主な役割としてはユーロ圏内の金融政策の策定やその実施、為替操作、外貨準備の管理、決済制度の運営等だけではなく。ユーロ加盟国の各中央銀行を管理しています。

ECBは成功する見通しがあれば為替介入するものの、日銀よりも為替介入には慎重だと言われています。インフレに対して敏感で、日銀よりも対応が早いと言われているため、ECBの発言を見たり聞いたりする時は、今お伝えした内容をポイントにするのも良いかもしれません。

ジャクソンホール会議がなぜ注目されているのか?

ジャクソンホール会議は各国の中央銀行総裁を始めとする有識者が約150名集まる会議ですが、実は話し合いの内容は公開されていません。しかし、この会議ではFRB議長などが会見を行う場面があり、世界の中央銀行の総裁の考え方や今後の金融政策についての意見を聞くことができると言われています。

2010年の会議のことです。当時のFRB議長のバーナンキ氏がジャクソンホール会議の中で経済が減速すれば金融緩和を追加で行う旨の発言を行いました。その発言を受け、マーケットが反応して80円台後半から前半まで5円ほど円高が進んでいます。

それだけではありません。バーナンキ氏の発言を受け、当時の日銀総裁の白川氏は当初の予定より帰国を早め、臨時で金融政策決定会合を開催し、追加緩和を決定しました。記者会見では「私にとってジャクソンホール会議は非常に重要な会議であり、意見交換をすることは大事だ。」と話していたほどです。

これ以降、ジャクソンホール会議は今後の金融政策について各国の中央銀行総裁が言及する場だと市場関係者から言われることが増えました。

2014年にはECBのドラキ総裁が金融緩和政策を示唆する発言が行われ、翌月のECB理事会で金融緩和政策を打ち出しています。

また、2016年の会議ではイエレンFRB議長が利上げについて言及し、4ヶ月後に1年ぶりに利上げが行われました。また、その発言を受けて、為替が100円台から101.90円と2円近く上がり、円安ドル高に反応していました。

2017年のジャクソンホール会議はどうだったのか?

2017年のジャクソンホール会議では、イエレンFRB議長とECBのドラキ総裁の発言に注目が集まっていました。イエレンFRB議長からは利上げについて、3年ぶりの参加になるECBのドラキ総裁からは量的緩和の終了時期への示唆があるのではないかと言われてました。そのような話が出れば、為替も動くと予想していた人も多かったようです。

しかし、イエレン議長からは、市場参加者が期待するような具体的発言はありませんでした。同氏はこれまで米当局が行ってきた制度改革が金融システムの安定化に大きく寄与していると自国の規制改革を説明しましたが、今後の金融政策について言質を取られるような発言は避けました。一方のECBドラギ総裁も、「緩和策は今後も十分に続け、市場からの債券購入はいずれ終わる」と従来の方針を繰り返すに留まり、それ以上踏み込んだ話はなく、為替も大きく動くこともありませんでした。

このように毎年開かれているジャクソンホール会議は、発言内容によっては為替や株価が動くこともあります。2017年の会議では大きな発言もなく、為替は動きませんでしたが、2018年のジャクソンホール会議に向けて為替の動きを研究し、2018年の会議終了後には円高円安のどちらに進むか予想してみても良いかもしれませんね。