「リスク=危険」だけじゃない?リスクの意味を考えてみよう
執筆者:たつみともこ(ファイナンシャルプランナー)
2017年9月12日

みなさんは、『リスク』という言葉を聞くとどんなことを連想しますか?「地震のリスクに備える」「長生きのリスク」「為替リスク」「投資リスク」など、色々な使われ方をしていますよね。真っ先に思い浮かぶのは『リスク』=「危険」という解釈ですが、果たして、全ての場面における『リスク』が同様に該当するのでしょうか?今回はその他の意味を一緒に考えてみましょう。
『リスク』=「危険」が一般的
実際に『リスク』を国語辞典で調べてみると、「危険」「危険度」「予想したとおりにうまくいかない可能性」「失敗したり損をしたりする危険」とあります。一般的には『リスク』は「危険」を表す言葉と定義されています。
金融商品における『リスク』とは?
「地震のリスクに備える」といった場合であれば、それでいいかもしれません。しかし、金融商品の場合はいかがでしょうか?
為替を例に説明しましょう。例えば、海外旅行に行くなら、円安の時より円高の時に行く方がメリットを享受することが出来ますね。また、輸出が多い企業では、円高よりも円安になる方が利益を出すことができることでしょう。為替や投資商品の値動きの変動を確実に読めるのであれば、リスクとは言いません。相場の変動幅が見込めずに、確実なリターンを読むことができないことを「為替リスク」や「投資リスク」と言います。
『リスク』=「不確実性」でもある
一般的にリスクが高いと、その分期待できるリターンは大きいと言われます。いわゆるハイリスクハイリターンです。例えば、投資信託などの場合は予想利回りがあるとは言え、本当にそのリターンが受け取れるかどうかは確実ではありません。株価や債券価格、為替などが動けばその分変動幅が変わるため、当初予定していた数字よりも上回ることもあれば、下回ることもあるのです。
この不確実さを、金融商品の『リスク』と言います。不確実な度合いが大きければ大きいほど、リスクが高いと言われるのです。反対に、円預金であれば元本が保証されていてリスクが低い分、金利が低く、得られるリターンが少なくなります。
なお、同じ金融商品でも、保険の場合は『リスク』=「危険」という使われ方をすることもあります。そのため、一概には言えませんが、金融商品においては『リスク』=「不確実性」というのが一般的でしょう。
物事のリスクを考えるときに気をつけること
- どんな『リスク』が存在するのか、事前に確認する
- どの程度『リスク』を受け入れることができるのか、自分の許容レベルを把握する
経験を重ねると、『リスク』を冷静に判断することができるようになります。加えて、新聞や雑誌、セミナーなどで知識を深めることも可能になります。『リスク』のとらえ方は千差万別ですが、もし今まで危険だけだと思い込んで回避してきたのであれば、付き合い方を見直すチャンスかもしれません。